テレビドラマのシナリオを書いていて、
年々、書けない「言葉」が増えていく気がする。
その言葉を聞いた当事者が「傷つく」からが、理由。
「母子家庭」という言葉をつかえなくなったとき、
驚いた。
だって、私、「母子家庭」だよ。
だけど、別に、「母子家庭」って言われたって、傷なんかつかないよ。
つーか、それって、「母子家庭」が「かわいそう」「いけない」って発想があるから
そう思うのであって。
自分が生きてきて、「よし」として選んだ道が「母子家庭」だったり、
「シングルマザー」だったりすることを
かえって「それでいいのだ」と胸をはってる私には、
そう思われていることに、さらにびっくり。
確かに「母子家庭」に至る過程に、心の葛藤や、後悔があったとしてもだ。
まぁ、あきらかに差別意識バリバリの言葉を使うべきではないと思うが、
どうにかしないといけないのは、その「差別意識」であって、
言葉を規制したってどうなるってもんでもない気がする。
つーか、ドラマが本当に描こうとしているものをみすえたら
なんだって、「あり」だって思うのは
私が「傷つく」ことに鈍感ゆえ?
いや、もちろん「傷つく」って嫌だよ。
人を傷つけるのもいや。
だけど、そもそも、「傷つく」ことって、本当に、そんなに悪いもんなの……?