梅雨に入り急に蒸し暑くなった
今日この頃、調子悪い事この上無い。



体重の現状維持の為に続けている
ジョギングだが
最近はシンドくて走れていない。


体重も鰻上りで何とか死守したい
と考えていた65kgも僅か一月で
あっという間に超えてしまい
下手をすると70kgの大台を越して

しまいそうな勢いである。



さすがにこれはマズいと

体調が若干上向いた夕食後に

久し振りの徘徊を実施。







65kgほどの体重であれば

さほど走るのに気にはならないが

大台近くともなれば話は別で

さすがにいきなりは走れないので

夕暮れの暗くなった遊歩道を

トボトボ歩く。



薄暗い中ですれ違う部活帰り高校生に

末っ子とその昔に交わした

遠い日の約束を思い出した。




あれは三男が小学3年生の頃だったか。




当時の私も120kgほどのデブ親父だったが

三男も家でゲームばかりしている様な

引き篭もりの立派な肥満児だった。




これでは若い身空から駄目人間になってしまうと

危惧した妻が考えた末にたどり着いたのが

学校の陸上クラブへ参加させる事であった。




球技の場合はチームプレイとなるので

運動の苦手な三男には不向きだ。




そこへ行くと走る事なら

速い遅いはあれど、

誰にも迷惑をかけずに済むので

引き篭もりの息子にはピッタリだ。




しかし、残念ながら学内陸上クラブは

その対象が小学4年生からとなっており

親子で、いや、妻が思い立った

陸上部への入部は4年生を待つ事に

なったのだった。




そもそも引き篭もりの息子が

走りたくも無い陸上部への入部などに

簡単に応じるはずも無く 

妻にも確認した記憶も無いが

多分妻の交渉に応じなければ 

息子の唯一の楽しみであったゲームの

全面的禁止でも通告したのだろう。




息子は妻の言いつけに応じて

小学4 年から3年間の間

陸上部に入部する代わりに

3年間の練習をやり遂げたら

綺麗さっぱり陸上をやめる事を条件に

走り出したのだった。



そんな三男の陸上だが

入部当初から前途多難…

私が見ていても辛くなるほどだったから 

息子の気持ちを思うとこれは無理だと

正直思った。



肥満児だし、遅いのは当然と

私も妻も考えていたのだが

その『遅い』レベルが他の子と

余りにも違い過ぎる…



それこそ、悪い意味でレベチなのだ。



そんなだから

陸上の練習をする前に

ウォーミングアップをする訳だが

そのアップについて行けなくて

泣きながら大きく離れた皆の後を

追いかける息子の姿を目で追ったが

妻とて思う事は同じだったと思う。




今でもあの頃の事は家族の話題として

登場するが、当事者である三男のみならず 

次男までもが加わり『冷酷無比』と妻をなじるが

あの頃があったからと言う思いに悪意は無い。




最初は頭抜けて遅く、

練習前のアップもままならぬ三男だったが

小学校を卒業する頃には

めでたくすっかり普通体型となり

大して早い訳でも無かったが

息子自身が宣言していた 

小学校卒業と共に陸上も卒業なる思いは

息子自身があっさり破棄し


 『父ちゃん、オレ中学でも陸上続ける』


私にそう話してくれた時は

父親として嬉しかったが

その言葉には尾ひれが付いていたのだ。



続く