犬の陸と散歩に行くと
本当に楽しそうに歩くんだ。
笑っているように見える
それを見ているだけで
私の心は幸せで満たされる。
でもね。
いつも何故か反抗期の頃の
子供への思いを思い出して
私の心は少しチクリと痛むんだ。
初めて自分の足で歩いた日彼は笑っていた。
初めてピアノをさわってポロンと
音が出た時、彼は笑っていた。
その笑顔があまりにも眩しくて
ずっとずっとこの笑顔をみたくて
彼に笑っていてほしくて
悲しそうな顔は見たくなかった
悩んでいる顔も見たくなかった
それが母親のどれだけの我欲か
わかっていても
ただただ笑っていてほしかったんだ。
反抗期を迎えて
ただ笑顔の彼じゃなくなって
笑顔なんてみせてくれなくなって
それでも私の願いはいつでも
ただただ笑っていてほしかったんだ。
そんな彼にかけた沢山の願いを
知らぬ間にかけていた沢山の期待を
断ち切ってくれたのは反抗期だった。
かたいかたい
私の鎖のような彼にかけた重りを
断ち切ってくれたのは反抗期だった。
あんな思いはもうしたくないけれど
あれがあったから
私の歩幅と彼の歩幅は
違うことを知れたんだ。
そんな人間出来てないただの母親の話
↓
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お母さん。
今だにね。人間出来てないよね
たぶんずっと出来ないけどさ。
ボサボサの犬の陸より。