録画しておいた映画を、最初から最後まで全編を通して観た。
いつも細切れでしか見ないのだが、今回は部屋を暗くして音量を大きくして2時間近くぶっ続けで鑑賞した。
『The Whale(ザ・ホエール)』という映画。
この映画で主演のブレンダン・フレイザーはアカデミー賞主演男優賞を獲得した。
ブレンダン・フレイザーの、人の良さがにじみ出ているような雰囲気が好きで、『ハムナプトラ』シリーズを楽しんで観ていたものだった。
彼の姿をずいぶん長い間見なくなっていたのだが、久しぶりに映画界で彼の名前が話題になった。その映画がWOWOWで放映されることになったので迷わず録画したのだった。
私は最初、彼が肥満体だからこその役だったのかと思っていた。というのも、ずっと前に観たレオナルド・ディカプリオの映画『ギルバート・グレイプ』で肥満の母親役だった人は、その肥満体型をそのまま役柄に使ったということを思い出したからだ。
しかし、ブレンダン・フレイザーは肉襦袢と特殊メイクで300キロ近い肥満の男性を作っていたということだった。
観終わってから、ネットの記事で、銀幕から遠ざかっていた時期の彼の波乱の生活を知った。インタビュー記事を見つけて現在の様子を見るにつけ、元気でカムバックできて良かったと思う。
映画は、登場人物が少なくて、場面は彼の部屋の中だけ。全体の色調も暗くて、まるで舞台を見ているような気がした。壮絶な人間ドラマだったが、全編通してブレンダン・フレイザーのまなざしにはやさしさが宿っていた。
その人の好さそうな顔(顔だけでは判断できないが…)という同じような理由で、ジョン・トラボルタも好きな俳優の一人だ。
久しぶりに良い映画を観た。