四泊五日の「湯治?」「療養?」「旅?」「プチ家出?」はどうだったか?
なんとも答えようがない
この「ビミョー感」、「イマイチ感」について考えてみた。
帰りの新幹線で一刻も早く家に着きたいなんて思ったのは初めてだった。「帰宅拒否症候群」の私としては、少しでも帰りを遅くするために「のぞみ」を「ひかり」にしたりすることもあるくらいなのに…
とにかく疲れていたが決して不満足だったというわけではない。一つのことを除いては…
「イマイチ感」の理由は、私流の「一人旅」といいうわけにはいかなかったことだろう。
行先は、ひょんなことで別府に決まってしまったのだが、いつもの旅のように、ルートやホテルをネットで検索する必要がなかった。唯一、文殊仙寺へのルートをヤフーの知恵袋で調べただけだった。時刻表も持たずに出かけたのも初めてだ。
ポイント1: 旅の計画は楽しさの半分を占める。いざ出発となると「なんでこんな邪魔くさいこと計画したんやろ…」なんて、既に半分堪能した感じがするほど。あれこれと計画を立てなかったことで旅の楽しみが半減
ホテルのスタッフは、私の姿を見れば必ず声をかける。朝は「これからどちらへ?」…帰れば「今日はどちらへ?」…売店をウロウロしていると話しかけられ…食事中給仕してくれる若いスタッフの人生相談をし…送迎車の中ではドライバーと中味の濃い会話になり…
ポイント2: 旅では「Nobody=誰でもない人」でいられる解放感がある。なのにこのホテルではスタッフがいちいち《○○様…》と干渉してくる。ちょっとウザイホテルのマニュアルには「おひとりさまへの心配り」なんて項でもあるのだろうか
二食付きなので、毎日夕食の時間と朝食の時間を尋ねられる。朝食はバイキングではなく、和か洋かどちらかの定食で、それも前もって申告しなければならない。面倒なので、二回目以降は全て洋食にしておいた。
ポイント3: ホテルのバイキングなら、朝7時から10時ごろまでの好きな時間に食べればいい。何時に食べるかは朝起きたとこ勝負なのだ。なのに自分が指定したものの、その時間に縛られてしまう。「旅の恥は…」 のような大慌てしなくても済んだはず。こんなん合宿生活しているようなもんじゃないか
ホテルは街の中心から遠く離れていて、景色はいいが周囲には何もない。
ポイント4: いつもは駅に隣接したホテルなので、歩いていける範囲にデパートやスーパー、居酒屋やレストランがあって、夕食はその日の気分で自由に選べる。お仕着せの旅館料理は一回で充分。朝夕の食事がたっぷりなので、お昼になってもお腹が空かない。この旅の間一度も昼ご飯を食べなかった
「湯治」目的の「療養」ということで温泉地の宿を選んだわけだが、お風呂に入るだけで過ごすなんて半日で飽きた。神仏習合の文化の地で私の血が騒がないわけがない。結局「湯治」とも「旅」ともつかない中途半端な「お出かけ」となった。
ポイント5: どこの誰でもないバアサンが一人で、好きな所へ好きな時に行って、好きな時に好きなものを食べるという、そんなマイペースの時間と空間を得られなかったということ。それでも、「プチ家出」で自分の時間が持てたし、お気に入りスポットはきっちりとおさえたのだから良しとしよう。
要するに、この旅に私が求めるモノが曖昧だったということだ。この程度の誤算は誤差の範囲。
大誤算は他にあった
「湯治」目的なので、朝と晩は必ずホテルの風呂に入った。湯の中で痛みのある関節をほぐしたりしながら、広い浴槽で一人ゆったりと浸かっているのは気持ちの良いものだった。おもわず「極楽極楽」なんて一人つぶやいてしまうほど。
ところが日を追うに従って、身体のアチコチが痒くなってきた。脛や太ももや、腰回りが無性に痒い。痒みのために目を覚ますこともしばしば。
頻繁に入浴することによって皮脂が抜けてしまい、もともと乾皮症気味だったのがひどくなったのだろうと思っていた。持参した漢方の塗り薬などで急場をしのいだのだが痒みは増すばかりだった。
帰宅してから、馬油やワセリンなどを試してみたが治まらない。赤い発疹もあるので素人療法は禁物と思って皮膚科を受診した。
《皮脂欠乏性湿疹》、《皮膚掻痒症》、《痒疹》という症状に適応するということで、保湿剤、ステロイド軟膏、抗アレルギー薬が処方された。
医師から「かゆみを伴うこれらの皮膚病で日常気をつけること」の指導を受けた。
* たまには石鹸を使って汚れをおとす。
* 石鹸を使うときは手のひらで洗う。
これらとその他諸々の注意点はいつも気をつけて実行している。
* アルコールや刺激物を控える。
一泊目と二泊目にアルコールを飲んでしまった
* 硫黄入りの入浴剤は避ける。
これだ!
このホテルの大浴場ももちろん温泉で、玄関あたりでもかすかに硫黄の匂いがする。近くの市営の温泉も硫黄泉なので、多分泉源は同じなんだろう。
別府には《別府八湯》といわれるほど他にもいろいろな温泉があるのに、なんで私の宿の温泉がよりによって「硫黄泉」なん
大枚はたいて別府くんだりまで出かけて、日々皮膚病を悪化させて、帰ってから温泉でできた湿疹にせっせと薬を塗りたくっている…なんとも笑うしかない「落とし穴」ではありました