母、弟、甥っ子、夫、娘と待合室で待っていました。
どのくらいたったのでしょうか。そんなに待ってはいないように思います。
救急の処置室から男性の看護師に呼ばれたと思うのですが、まずは弟と私だけ
入り、当直の医師から話がありました。
呼吸器をつけて、機械で心臓マッサージを続けているが、かろうじて微弱な反応が
あるのみで、本人は意識がなく、おそらく戻らないだろう、心肺停止の状態が
長かったので脳に酸素がいかず、このまま続けても時間の問題ですとの事でした。
どうしますか?
と言われても、いやいや、「助けてください」と私は言いましたが、
どうしますか?の後、弟は号泣しうなづいていました。
え?何でそんな反応なの?助けてもらおうよと思い、もう一度
「助けてください」と言ったと思います。
でも医師は神妙な顔をするだけで、他の返事を待っているようでした。
弟が泣きながら「分かりました」と言いました。
私も心の奥では、あぁ、機械を止めるのね、と、そうなのねと。。
もうこのあたりから、ふわっとした、父が死ぬのかな?とか現実とはわかっていても
どこか他人事のような、悲しいけどほんとかな?といった変な感情が続きます。
父の最期の日を、ここ何年も色々想像して、私は気を失うのではないか、
号泣しすぎておかしくなるのではないか、とても耐えられないだろうと、
思っていました。
そういえば父は、父の妹の息子に、「私が死んだら、娘は大変だろうから、
その時はよろしくね」といつだか飲んだ席で言っていたなぁ。
とにかくパニックになると思っていたので、とても不思議な気持ちだなぁと、
どこか自分を俯瞰してみていた気がします。