離婚うつからの立ち直りカウンセラー原 つよしです。
「感情をコントロールする」というフレーズを本やネットなどでよくみかけます。
確かに、特に「怒り」などの感情に関しては、コントロールが必要かもしれません。
でも「感情はコントロールはできない」と言いきっている学者もいます。
私もコントロールという言葉が「支配」とか「操作」というイメージがあって、あまり使いたくない言葉です。
私は、感情はコントロールしようとするより受け入れた方が安定するように考えます。
私が心理学で学んだ心理学的メカニズから、特に離婚後に抱える「怒り」や「悲しみ」について説明しますね。
1. 感情のメカニズム
感情は脳の「扁桃体(へんとうたい)」で瞬間的に生じ、その後に前頭前野で意味づけや抑制が行われます。
- 怒り:危険や不公平を察知したとき、交感神経が活性化し「闘争・逃走反応」が起きます。
- 悲しみ:喪失や挫折を認識したとき、副交感神経が優位になり、行動エネルギーを低下させ「内省モード」に入ります。
これらは生存のための自然反応であり、「なくす」ことは脳の仕組み的に不可能です。
2. 「コントロールしようとする」デメリット
感情を押さえ込むことを「情動抑制(emotional suppression)」と呼びます。
情動抑制は
- 心拍数や血圧の上昇(生理的ストレス反応の増加)
- ネガティブ感情の持続時間延長
- 抑え込んだ感情が後で強く反動的に噴出する
という結果をもたらします。
つまり「感じないようにする」ほど、脳と体は余計にその感情を意識してしまいます(白クマ効果=“考えるな”と言われるほど考えてしまう現象)。
3. 「受け入れる」メリット
「感情受容(emotional acceptance)」は、マインドフルネスやACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)(8月3日ブログ)で用いられるアプローチで、
- 感情を否定せず「今ここにあるもの」として認識する
- それを変えようとせず観察する
という方法です。
感情受容を行うと
- 扁桃体の過剰反応が低下
- 前頭前野の活動が高まり、感情の意味づけが穏やかになる
- うつ症状や不安が有意に減少
することが示されています。
4. 怒りと悲しみの例
怒り
- 抑え込む場合:
「怒ってはいけない」と考え、表情や言葉を無理に抑えると、体内では交感神経が高ぶり続け、心拍や血圧が上昇し、後で爆発的に怒りが出る可能性が高まる。 - 受け入れる場合:
「今、自分は怒っているな。これは不公平さを感じたからだ」と自覚し、体の反応や思考を観察する。生理的反応は自然にピークアウト(時間経過で収まる)し、建設的な対応策が立てやすくなる。
悲しみ
- 抑え込む場合:
「泣いたらダメ」「考えないようにしよう」と避けると、脳は未処理の感情を何度も再生し、慢性的な気分低下や心身の不調に。 - 受け入れる場合:
「これは喪失の痛みだ」と認め、涙や胸の重さを感じながら過ごす。感情は波のようにやがて弱まり、回復プロセスが自然に進む。
5. まとめ
- 感情は生存本能から自動的に生まれるため、完全なコントロールは不可能。
- 抑え込みは生理的ストレスを増し、感情を長引かせる。
このようなことから、受け入れは脳の反応を落ち着かせ、回復や適応を早めるというわけです。
これは、あくまでもメカニズムの理論であるので、現実としてはなかなか、そう簡単に受け入れることはできないことも私は理解しています。
でも、簡単に言えば、「いやな感情を消そうとしたり、なくそうとしたりすると、余計そこに囚われてしまうから、いっそうのこと受け入れてしまったほうが楽ですよ」ってことです。
勿論、「受け入れること」自体がすぐにできることではないかもしれませんが、向き合うことを少しずつ試してみてはどうですか?

