ティラノサウルスはすごい

小林快次 監修 土屋健 著





第1章

 世界で最も愛されている恐竜

第2章

 ティラノサウルスはどのように描かれてきたか

第3章

 覇者の身体能力

第4章

 覇者の生態

第5章

 ティラノサウルス類の旅



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今年も独自の選書でお送りしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


さて、辰年。

何か干支絡みで紹介できる本はないかなー。

でも辰だしなぁー

辰、、、竜…?、、、恐竜!ということで。

こじつけ感満載ですが、2024年の1冊目は恐竜の本です。


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恐竜界の花形スターといえば、ティラノサウルス・レックスだ。

いきなり言い切っちゃったけど、わたしの推し竜(何でもかんでも推しって言えばいいもんじゃない)なのでそこは強気で。


フリルがクールなトリケラトプスも魅力的だけど、やっぱりザ・恐竜のイメージは、ティラノが大きな口を開けて咆哮している姿だと思う。



そんなティラノサウルス(レックスは以下略)に関するトピックのあれこれをわかりやすく解説してくれるのが、今回紹介する本だ。


これまたタイトルにまでティラノ愛が溢れちゃったような1冊。

「すごい」とあるけど、生物としてのティラノとティラノ研究の概説書だ。



今回久しぶりに読み返してみて改めて面白いなと思ったのが、ティラノサウルスだって数ある恐竜種のひとつにすぎないということ。

当たり前と言っちゃそれまでなんだけど。


ティラノサウルスが君臨したのは、恐竜時代のわずかな時間。

といっても恐竜時代は1億6000万年続き、そのうちティラノサウルスが活躍したのは600万年間。

恐竜時代の最終盤にあたる。

時間軸のスケールが大きいのであまり短いと思えないかもしれないけど。


そしてティラノサウルスが生息していた地域は、現在の北アメリカの一部。

そのため化石の発掘数も限られている。

あちこちの博物館が所蔵していそうな印象だが、全身骨格の化石となると世界中で数えるほど。


そんないち生物種を恐竜の代表に押し上げた所以である規格外の身体能力や生態について、最新の研究成果が紹介される。

本論の合間に挟まれるコラムも充実。



現存しない生物のため、イメージ形成にフィクションが果たす役割は大きい。

第2章で、映画やアニメの中で描かれる恐竜について考察しているのが面白い。

『のび太と恐竜』『ジュラシック・パーク』どっちも好きな映画なので。


完全に余談だが、年末に『ジュラシック・ワールド』シリーズ完結編『新たなる支配者』を観た。

ラストはしっかりティラノが締めるあたり、恐竜界隈におけるティラノの立ち位置を如実に表してるようで嬉しかった。

やっぱりティラノはすごい。



これ一冊読んでもたくさんの知識を得られるし、この本からさらに興味の対象を広げてくれもする、満足度の高い一冊だ。



【書誌情報】

『ティラノサウルスはすごい』

小林快次監修、土屋健著

文春新書1032、2015