でもながながと書く
ジャンル分けもどうしたものかと悩んだ挙句の"文芸"(笑)
捻り出しました。
結局何の本やねん^ ^
いやでも、間違ってはいないよねー( ̄▽ ̄)
この本は「自由律俳句」の句集です。
自由律俳句は読んで字の如く、"自由な俳句"なのです。
五・七・五の韻律、季語など全ての制約から解放され心の赴くまま自由に詠む、それが自由律俳句
そしてこのあまり聞き慣れないジャンルでタッグを組んだのが、文筆家のせきしろさん、お笑いの又吉直樹さんの2人です。
本文は、タテ書き見開きの、
右ページにせきしろさん、
左ページに又吉さんの句が並ぶ構成です。
1ページには1句から4句の句が並びます。
時折、句の世界を広げる散文が挿入されます。
これまたお2人の個性が爆発する、エッセイあり創作あり、何でもありです(笑)
あと、哀愁ただよう写真の数々。
タイトルの、
カキフライが無いなら来なかった
は、又吉さんの句です。
何というか、この"感じ"なんです^ ^
あー、今日はカキフライが食べたかったのになぁ…っていう、日常の"あるある"を最小限の言葉で、核心をつくように表現する。
そしてそこに含まれる可笑しさと物悲しさ。
読み進めるうちにクセになります
たくさん紹介したい句はありますが、ひとつだけ。
知らずに全部パーティーモードで撮っていた
せきしろ
この、よりにもよって「パーティーモード」っていうあたりが可笑しくて可笑しくて…
間違いなく後から、どこがパーティーやねん!( ゚д゚)ってひとりで突っ込むやつです笑
この自由律俳句の句集、本書『カキフライ〜』に続き、『まさかジープで来るとは』『蕎麦湯が来ない』と計3冊が出版済み
3冊の版形を揃えたい!とわたくしの勝手な都合で『蕎麦湯が来ない』は文庫化待ち、未読です
『まさかジープ〜』は『カキフライ〜』の世界観そのままにパワーアップした句が並んでいたので、『蕎麦湯〜』にもかなり期待しています
ちょっと気分を変えて、こんな俳句を嗜むのも悪くないですね
肩のチカラを抜いて自由な気持ちで…
【書誌情報】
『カキフライが無いなら来なかった』
せきしろ 又吉直樹
幻冬舎文庫、2013(原著2009)
ISBN978-4-344-42093-9
『まさかジープで来るとは』
せきしろ 又吉直樹
幻冬舎文庫、2014(原著2010)
ISBN978-4-344-42182-0