うちの家計簿は、長いあいだ妻の仕事だった。
家事の中には、名前のついていない仕事がたくさんある。家計簿もそのひとつだと思う。
レシートは台所の引き出しに溜まっていく。月末になると、そこから1枚ずつ取り出して、表計算ソフトに打ち込んでいく。品目ごとに分けて、合計を出す。
ひと月にかかる時間は、だいたい10時間。
土曜の夜、テーブルにレシートを広げて黙々と入力している妻の姿を、何度も見てきた。
■ レシートを撮るだけにした
面倒だな、とはずっと思っていた。
でも、動いた後にしか、やる気はついてこない。
だから、先に手を動かした。
作ったのは、レシートをスマホで撮るだけの家計簿だった。写真を撮ると、Googleスプレッドシートと生成AI(Gemini)が金額と品目を勝手に読み取って、仕分けて記録してくれる。
打ち込むという作業そのものが、家からなくなった。特別な機材はいらない。持っているスマホと、無料で使えるGoogleの仕組みだけで動いている。
思いつくのと、実際に動くものを作るのとの間には、それなりの距離がある。何度も試して、直して、また試した。それでも、月10時間かかっていた作業がゼロになったのだから、割に合わないとは思わなかった。
■ 入力がなくなって、見えてきたもの
打ち込む手間がなくなった分、逆に数字を眺める時間が増えた。
これまでは「打ち込むこと」がゴールで、数字を見返す余裕なんてなかった。今は違う。グラフになった支出を眺めていると、なんとなく使っていたお金の形が、はっきり見えてくる。
支出そのものより、支出の「クセ」が目に入るようになった、という感覚に近い。
見えると、減る。
自動化というと、手抜きに聞こえるかもしれない。
でも、僕にとっては逆だった。手間を減らすための道具じゃなく、家族の時間を取り戻すための道具だった。
家事の中には、誰かがやらなきゃいけないのに、誰も気づかない仕事がいくつもある。うちの場合、それがたまたま家計簿だった。
たぶん、同じような仕事は、他の家にもある。全部を自動化できるとは思っていない。ただ、なくせるものがひとつあったから、なくした。それだけだ。
今回作った仕組みは、実際に動かしているGoogleスプレッドシート×AIのコードごとnoteに書いた。有料の記事(¥1,500)だけど、家計簿の入力に時間を取られている人には、参考になるかもしれない。
『妻の代わりに僕が作った、全自動の家計簿。レシートを撮るだけ、月10時間の手入力がゼロになった話(GAS×AI実コード付き)』
https://note.com/rikima81/n/nb0be580b45cf










