[薔薇のスタビスキー] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

力道の映画ブログ&小説・シナリオ

映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

アラン・レネ監督。ホルヘ・センブル脚本。サッシャ・ヴィエルニー撮影。ステファン・ソンダイム音楽。74年、フランス映画。

スカパー、ムービープラスにて再観。30年代の初頭、フランス政財界を震撼させたスタビスキー事件のセルジュ・アレンクサンドル・スタビスキーの生涯を描く。

ベルモンド自身が製作・主演。サギまがいの行為で大金を稼いでいるが裏では綱渡り、彼は政財界の大物と親交を結び、貴族よりも優雅な生活を送るが、やがて彼を怪しんだ当局の調べで、国外へ逃亡する羽目になる......。フランス政財界を揺るがした実際の事件をもとにした詐欺師の物語。怪しい夢に悩まされる妻アルレッテ(アニー・デュプレー)、彼の協力者で相談役のラオール男爵(シャルル・ボワイエ)。ボレリ弁護士(フランソワ・ペリエ)。アラン・レネは様々な手法で、二重人格のようなスタビスキーの実像に迫っていく。登場人物の独白によるフラッシュ・バック。時代を再現する美術、衣装。共演者も重厚なのだが、レネの演出の固さからか、作品としてはもう一つで、ジャン=ポール・ベルモンドの魅力を引き出せていない。レネはドイツの問題、トロツキーの話しなどを背景として絡めるためにスタビスキーの破天荒な人生が伝わってこない。監督をジャック・ドレーあたりに頼めば、もっと面白いものになったと感じる。