[バックドラフト] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

力道の映画ブログ&小説・シナリオ

映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

{93B72501-3836-497E-935A-8EDC1175F865}

ロン・ハワード監督。グレゴリー・ワイゼン脚本。ミカエル・サロモン撮影。ハンス・ジマー音楽。91年、アメリカ映画。


スカパー、シネフィルBSの録画にて鑑賞。[アポロ13]のハワードの作品らしく、消防士兄弟の激しい確執を描いた上質な人間ドラマに加え、市会議員を絡めた犯人探しを挿入したサスペンス映画の一面もサブ・プロットに持つ盛りだくさんな内容の濃さを持つ秀作。カート・ラッセルとウイリアム・ボールドウィンの熱い兄弟の演技に加え、脇に回ったロバート・デ・ニーロが調査官役で渋い味を見せてくれる。


71年シカゴ。消化作業中に父(カート・ラッセル)の死を目の当たりにしたブライアン・マカフレイ(ウィリアム・ボールドウィン)は職を転々とした末に、故郷のシカゴに新米消防士として戻って来た。彼が友人のティム(ジェーソン・ゲドリック)と共に配属された17小隊には兄のスティーブン(カート・ラッセル2役)や父の部下だったアドコックス(スコット・グレン)らがいた。着任早々、火災現場に向かったブライアンは、そこでスティーブンの英雄的な活躍を目にする。スティーブンの勇敢な行動は、父の死の現場にいなかったという後悔から来ていた。しかし、現場に駆けつけた火炎調査官のリムゲイル(ロバート・デ・ニーロ)はこの1件を放火だと断言した。翌日、兄の家を訪ねると兄嫁のヘレン(レベッカ・デモーネイ)と幼い息子がいたが、二人は離婚していた。消防隊に入って幾日か経った頃、ブライアンは兄に負けじと訓練に励むようになる。そんな時、パーティーで昔の恋人ジェニー(ジェニファー・ジェイソン・リー)から、彼女が秘書をしている市議会議員のスウェイザク(J・T・ウォルシュ)を紹介される。その場でブライアンは騒ぎを起こした。彼は有能だったが、あまりの無謀さゆえに司令補より上に出世することができないでいた。現場で炎を前に尻込みをするブライアン。弟を叱咤してスティーブンは踏み込んでいって少年を救い出す。ブライアンは自信をなくし、スウェイザフの言う通りリムゲイルの助手となる。彼は連続放火犯を追っていた。彼の話によると犯人は炎を熟知しており、バックドラフトを起こさせて、特定の人物を爆死させるだけで、火事を起こさせないようにしているというが…。


ブライアンに事件のヒントを与えるサイコ犯ロナルド役をベテラン、ドナルド・サザーランドが演じ、作品リアリティに厚みを加えている。凄まじい火災シーンの連続は、まさに火災現場を体感する迫力がある。また、ハンス・ジマーによるテーマ曲は後に[料理の鉄人]に使用され、一般に浸透した。


ドラマがかなり深みがあり、現代見ても見応えがある映画だ。


DVDはレンタルにあります。


ロン・ハワード。[アポロ13]など。