[王になろうとした男] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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ジョン・ヒューストン監督・脚本。ラドヤード・キプリング原作。オズワルド・モリス撮影。モーリス・ジャール音楽。75年、アメリカ映画。

スカパー、ザ・シネマの録画にて鑑賞。76年に割りと地味に公開された作品で、1880年代のインドの山間部を舞台にした同名小説の映画化。

イギリス軍人でインドに渡りヒマラヤ山脈の奥地カフリスタンで国王になろうとする二人の男達ダニエル・トラボット(ショーン・コネリー)とピーチ・カナハン(マイケル・ケイン)。やがて神に祭り上げられる、村や民族の制圧。人間の果てしない欲望、栄光と挫折を描く骨太な人間ドラマだ。


1880年代のインド・ラホール。英字新聞ノーザン・スターの特派員ルドヤード・キプリング(クリストファー・プラマー) は、独り原稿を書いていると、背後に人の気配を感じた。ふりむくとボロ布をまとった乞食のような男が立っており、その男はピーチ・カナハン(マイケル・ケイン)と名のった。激しい変わり様。ピーチは信じられないような物語を語り始める。-キプリングとピーチが出逢ったのは、ラホール駅でピールがキプリングの懐中時計を失敬したことからだった。その時計にはフリー・メイソンのグランドマスターの紋章が刻まれていた。ピーチは、8日後にマーワー連絡駅を通りかかると、友人の軍曹仲間のダニエル・ドラボット(ショーン・コネリー)にメッセージを届けてほしいといい残す。数日後、ドラボットとピーチはキプリングの前に姿を現わし、驚くべき計画を打ち明けた。カフリスタンにいってそこの王になろうというのだ。無謀だとキプリングは止めた。ヒマラヤの奥にあるカフリスタンにはアレキサンダー大王の遠征以来白人が足をふみ入れたことはないのだ。しかし、2人の決心は固く、行者と召使いに扮して出発した。灼熱の太陽、大雪崩、山賊などと戦いながら奇跡的にカフリスタンのカフィリ族の集落に辿り着いた。集落の中に英語の出来る男ビリー・フィッシュ(サイード・ジャフリー)がおり、彼のおかげで客として迎えられた二人は村人に軍事訓練を施し、次々に村を制圧。トラボットは、アレクサンダー大王の息子として神に祭りあげられるが…。

ヒマラヤの独特の文化、風習。王になったトラボットは様々な体験をしていく。だが、やがて様々な綻びが生まれ…。映画は原作者のキプリングにカナハンが回想する形で展開。彼が記念に渡すペンダントや彼らを呼び出すカフ・サリムという高僧の存在がポイントになる。モーリス・ジャールによる格調高いマーチ風のテーマも印象的。

DVDはレンタルにあります。

ジョン・ヒューストン。[白鯨][アフリカの女王]など。