[シンドバッド七回目の航海] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

力道の映画ブログ&小説・シナリオ

映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

{272B5C52-9841-4EA4-B804-9E12FF026007:01}

ネイサン・ジュラン監督。ケネス・コルプ脚本。ウィルキー・クーパー撮影。バーナード・ハーマン音楽。レイ・ハリーハウゼン特殊撮影。58年、アメリカ映画。


スカパー、シネファルBSにて鑑賞。70年代に[シンドバット7回目の冒険]と改題されてリバイバルされ、久しぶりに観たが実に面白い。特撮の大家レイ・ハリーハウゼンによるシンドバット三部作の一作目であり、ダイナメーションと呼ばれる驚異の技法に目を奪われる。アラビアン・ナイトを元にする物語の面白さ、バーナード・ハーマンの音楽。見所満載の一本。


バグダッドのシンバッド王子(カーウィン・マシューズ)は、婚約者パリサ姫(キャスリン・グラント)と航海中、コロッサ島で1つ目の巨人サイクロプスに追われる魔法使いソクラ(トリン・サッチャー)を助けてやる。だが彼は魔法のランプを巨人に奪われてしまうがともに逃出すことに成功する。バクダットに戻ると、ソクラはランプを取り戻すため再び島に行くことを願う。しかし王子がそれを許さなかったため、彼は姫の身体を小さくして、それを元通りにするには、コロッサ島に住む双頭の鷲ロックの卵の殻が必要だといって船を出すことを求め、シンドバット達は出発するが…。


何と言っても、レイ・ハリーハウゼンの特撮。今ならCGで簡単に作れるのだろうが、恐らくはアニメーションと実写を巧みに合成したダイナメーションは、時代を考えれば驚異的。一つ目の巨人サイクロプス。双頭の鷲ロック。魔術師ソクラが操るドラゴン。怪物達の戦いまである特撮力には目を見張る。東宝の[モスラ]に登場する小美人を思わせる縮小されたパリオ姫。怪物達と人間等その表現も見事で、巨大感がよく出ている。またソクラの魔法による骸骨とシンドバットとの戦いも見せる。釣り糸は見えないため、操演ではないのか?どうやって撮ってるのかダイナメーションのリアルな動きは本当に素晴らしい。


アラジンで有名なランブの精ジニー(リチャード・アイアー)を子供にして、物語に組み込みクライマックスで重要な役割を持たせり、冒険のために新たに雇う囚人の反乱等、起伏のある物語は観る側を楽しませる。


バクダットの町、ソクラの城、洞窟等。全てセットで表現する美術の功績も大きい。まだ特撮を使用した娯楽映画が完全に確立する前の時代。子供達には堪らな冒険活劇だったことを想起される作品。


DVDはレンタルにあります。


ネイサン・ジュラン。[ウィンチェスター銃73]等。