[愛と追憶の日々] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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ジェームス・L・ブルックス監督・製作・脚本。ラリー・マグマートリー原作。アンジェイ・バルトコビヤク撮影。マイケル・ゴア音楽。83年、アメリカ映画。

アカデミー賞の季節なので、第56回アカデミー賞主要5部門を独占した姉妹のようにはしゃぎ、親友のように涙を分け合う母娘の33年を綴った心温まるヒューマンドラマであり、それぞれの破天荒な恋愛を描いた大人の恋愛ドラマでもある。スカパー、スターチャンネルの録画にて鑑賞。

オーロラ・グリーンウェイ(シャーリー・マクレーン)とエマ(デブラ・ウィンガー)はちょっと変わった母娘であり、時には親友のように互いの恋愛を本音で語った。エマは友人のパッツィー(リサ・ハート・キャロル)に結婚すると宣言する。だかオーロラはエマが選んだ結婚相手で大学の教師フラップ・オートン(ジェフ・ダニエルス)を気に入らず結婚式をボイコットする。オーロラは恋に奔放で彼女を慕う数人の男に絶えず誘われていた。エマも血は争えないのか、子供を三人も設けたのに、何とダブル不倫。またオーロラも隣に越してきた宇宙飛行士のギャレット・フリードラブ(ジャック・ニコルソン]に熱を上げていく。だが病魔がエマを襲い…。

オスカーに輝くシャーリ・マクレーンが素晴らしい。プライドが高く、これも助演賞を受賞したジャック・ニコルソンとの微妙な男女の駆け引きは、まさに大人の素敵な恋を見事に表現していた。脚本が秀逸で、粋な台詞回しが絶妙。母娘それぞれに特殊な恋愛劇が繰り広げられるのだが、娘役のデブラ・ウィンガーが、また最高の熱演を見せてくれる。[愛と青春の旅立ち]で人気を博しての起用であり、本作のエマ役で役者としても一皮剥けた感がある。夫フラップが生徒ジャニスと浮気、子持ちでありながら妻帯者サム(ジョン・リスゴー)との不倫に走る。子育てに懸命になりながら、葛藤するエマを見事に演じていた。そして、何と言っても時には喧嘩もし、時には支え合いながら生きてきた母娘の愛情のドラマが
最高であり、その絆の深さには人間の喜怒哀楽全てを感じ取らせるものがあり、感動させられた。監督のジェームス・L・ブルックスは母娘の日常を巧みに描き出し、33年に渡る家族の物語を前半はコミカルに後半はシリアスに纏め、起伏のある大河ドラマのような至高のヒューマンドラマを作り出している。


DVDはレンタルにあります。

ジェームス・L・ブルックス。[恋愛小説家][ザ・エージェント]等。