[ブルージーンズ・ジャーニー] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

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  ディック・リチャーズ監督。ジョン・ケイ脚本。ラルフ・ウールジー撮影。アーティ・バトラー音楽。74、アメリカ映画。

 70年代の映画から、ソフトがなくて見れないとボヤいていたら、何と友人がヤフオクで落としてくれ、超ラッキーに30年ぶりに見ることが出来ました。

 これは当時、[アメリカン・グラフィティ]との併映でテアトル新宿で見たのだが、ベトナム以前のアメリカを描く[アメグラ]に対して、こちらはベトナム以後のアメリカ、ニュー・シネマのギラギラした時代感覚からすると、どこか祭りの後を感じさせる作品。元、写真家のディック・リチャーズはそんな時代の雰囲気を、乾いたタッチでリアルに描き出す。 おかしな三人組が、ロスからニューオリンズを目指すロード・ムービーで、 ベトナム帰りの主人公・ラファティ(アラン・アーキン)を通じて、その空虚さを描き込み、二人の女性・フリスビー(マッケンジー・フィリップス)とビックマック(サリー・ケラーマン)との出会いを通じて、疑似家族のように愛と友情を育む。先の見えないベトナム以降のアメリカを巧みに表現している。

 物語。軍に20年いたベトナム帰りのラファティは、運転免許の検察官の癖に飲んだくれ。退屈な日々を過ごす。
 ある日、公園で知り合った二人の不良娘をハリウッドへ送ることに。ビッグ・マックは歌手志望、フリスビーは15歳、イカルタ旅を執筆の題材にしたい作家志望。突然、、彼女はラファティに拳銃をつきつけニューオリンズへ行けと指示を出す。
 一度は逃げたラファティだったが、何となく二人が気になり珍道中。
  ラスベガスでは、ビーニー(アレックス・ロッコ)という変な男が起こした火事騒ぎに乗じて、小金を奪ったり、ビックマックの女の武器を使いガソリンをチョロまかしたり。
  やがて実家によったビッグ・マックは、家出同然、父親から改めて勘当される始末。 でも故郷の酒場で、念願の歌手の仕事を得て、ラファティの告白を断る。
 一方、彼を気にするフリスビーは彼の気に入った帽子を買うため、アラン(チャーリー・マーチン・スミス)を騙し…。

 三人の微妙な関係が絶妙。ビッグ・マックに愛情を感じるラファティ。その彼に淡い恋心を抱くフリスビー。旅の会話の中で、それぞれの境遇が明らかにされていく行き場のない若者の姿が、切ない。互いにその傷をフォローしながら、優しく、おかしく、心に訴える作品をリチャーズは作った。[ユーアー・マイ・サンシャイ]を代表とするカントリーの雰囲気がこの映画に見事にマッチしていた。

 ケリーさんやノレンさんから、青いビデオパッケージですよと聞かされていたので、実際に到着した時には、感動しました(笑)。