『ねぇ にのちゃん、オレ彼女できちゃった! 一緒に喜んでよ!!』
 
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る直前、雅紀が満面の笑みでもって教室に飛び込んできた。
 
どうやら 決死の告白にOKをもらえたらしい。
 
 
後ろから羽交い絞めにされた和也は、やっとのことで
『あ、そ、そう。』と言ったものの二の句が告げない。
 
『なんだよ !? あ、そう って。あ、そう って言ったらそれで終わりになっちゃうじゃん? もっとさぁ、おめでとう とか 幸せになれよ とかないわけ???』
 
デレ顔の雅紀は 更に和也を締め上げる。
『う゛!せいぜい ガサツな超セッカチって嫌われないようにしてくれー!』
 
『ありがとうーグリーンハーツ
 
浮かれきったヤツには何を言っても祝福に聞こえるんだろう。やっと解かれた首をさすりつつ和也は暗澹たる思いに駆られた。
 
その日の帰り、雅紀は当然のようにできたてホヤホヤの彼女と校門を出て行った。
いつも雅紀と一緒に帰っていた和也は一人、公園のベンチに座って夕焼け空をぼーっと眺めていた。
 
もしかしたら 部活の後いつもみたいに『すげぇ疲れたぁ。にのちゃん 帰り、ラーメン食べてこうぜ。』なぁんて声をかけられるんじゃないかと、淡く期待したりもしたんだけど。
 
けれど雅紀は、バックネット裏に佇む彼女に走りよると チームメイトがやっかむ中、照れながら寄り添い 和也の傍らから去って行ったのだ。
 
――幼馴染の雅紀は 大雑把でせっかちで
 
和也の目に涙が溢れた。
 
――真っすぐで、一生懸命で、心が大きくて。。。大好きな人
 
 
女が好きとか男が好きとか、あまり拘って生きていなかった。
 
実は男っぽい性格とは逆に、可憐なルックスと仕草で 揶揄われることの多かった和也を 1軍エースポジの雅紀は 何かと気にかけてくれた。
 
和也をいつも虐めるガキ大将に果たし状を叩きつけ、泣かせたこともあった。
 
そうして 気付けば 雅紀だけを目で追い、雅紀のことばかりを考えるようになっていた。
そんな和也の気持など露ほども知らない雅紀は、
 
『いつかオレとオレの彼女、にのちゃんと にのちゃんの彼女でディズニーランド行きたいな。なっ?笑い
 
と 笑っていた。
 
『ディズニーランドにあんま興味ないけど、まーくんと2人なら行ってもいいよ。』
 
なんて言えない和也は、あいまいに笑みを返すしかなかった。
付き合うのは絶望的でも、親友ポジだけは死守したかった。
 
―― そんなこと言っても アイツは野球バカだから、ホントに 彼女ができるのなんて、ずっと先だと思ってた。。。
 
 
1度溢れた想いは涙と一緒にとめどなく湧き出て 抑えることができない。
 
――オレが女子だったら付き合えたのかよ!ってか、男だけどオレのが可愛くね???
くそっ!どこの誰が 異性交遊だけが健全みたいな世の中にしたんだ!?
 
自問自答したところで、要は自分が雅紀に選ばれなかっただけなのだから 単なる言いがかりだ。
だけど相手が雅紀(男子)なせいで 誰にも相談できず、結果 誰からも理解されず、共感されず 、慰められず…1人で痛みに耐えなくてはならなかった。
 
誰かに聞いてもらいたい。受け止めてもらいたい。
 
そう思ったものの、表のSNSは雅紀を含むリア友とつながっているし、裏アカも一部の友人と相互だったりする。さすがに自分が男子を好きだとは晒せない。

夕暮れの空、一番星の上を 星が流れた。

ーー誰か、俺の声を聞いて!!

思い余った和也は、送信先にデタラメな文字列を打って 実在するかどうかも分からないアドレスにメールを飛ばした。
 
 
∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:
 
 
くそぅ!男が男に恋して何が悪い!
なんでオレは女子じゃないんだ!
最初っから 同じ恋愛フィールドに立てないで終わるのか!
 
悔しい 悔しい 悔しい 悔しい 悔しい
 
 
 
悲しい 寂しい。。。
 
∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞
+:;;;;:+∞+:;;;;:∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:+∞+:;;;;:
 
 
 
一息に文字を打って送信すると、肩を落として暮れていく空に長いため息を吐いた。
 
―― どうせ宛先エラーで すぐに返ってくるさ。
 
 
ブブッスマホ笑い
 
スマホが震えた。通知バーがメール着信を知らせる。
 
送信元のアドレスには全く覚えがない。
 
恐る恐る開封する。
 
 
*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――
 
あの…初めまして。
 
もしかしてカズナリくん?
 
 
えっと オレ、智っていいます。
 
+†+*――*+†+*――*+†+*――
*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*―
 
 
 
まさかの返信に 和也は、唖然呆然、愕然…
 
要は頭が真っ白になってフリーズ状態になっていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
 
 
‹(´ω` )/››‹‹(  ´)/›‹‹( ´ω`)/‹‹(  ´)/›‹‹(´ω` )/›y
 
 
 
 

(*.゚꒳゚*)(´・∀・`)

ちょりんぴーです。

 

以前、ちょこっとだけ描いてすぐに引っ込めた、もう1つのお話が描きあがったので載っけさせてくださいね。

 

覗きにくだされば幸いです。

 

今回は にのあい 多め?かなぁ。( *´艸`)グリーンハーツ

 

でもそこは 筋金の上を行く鉄骨入りの大宮担なので~(;´Д`)

 

ご安心?を!(`・ω・´)ゞキリッ

 
(今回もアメ限なし。Hなしです。あしからず~<m(__)m>)
 
 
もし、お話読んでくださっている方で、画は追っつけで構わないから 話を先に進めてくれ。という方がたくさんいらっしゃれば そうしようと思います。<m(__)m>