「スイングバイ」
感想
一言でいうと、とても正直な本だな
と感じました。
引きこもりからの社会復帰の現実が
当事者目線で描写されているという意味で。
地方TV局のYouTubeで糸井さんのこと
を知って購入しました。
現在は過去のご経験を活かし
福祉の現場で働いておられます。
糸井さんは講演会やTVなどには出演されて
いますが、私が調べた限りでは
SNSやブログはやってらっしゃらない
ようです。
読む人の立場によって見解が分かれる本
だとは思います。
私も過去に病気と誤診、薬漬けで
動けなくなったことから
やむを得ずひきこもりを経験しましたが、
同様に引きこもりを乗り越えた
当事者から見ると好印象です。
他にAmazonでレビューを書き込んで
いる方もおっしゃる通り、
糸井さんの社会復帰に至る道のりは
かなり茨の道です。
そのために費やした自己投資額も大きく、
さらに社会復帰してからも
婚活などで苦戦されているのが伺えます。
確かにいま引きこもり状態にある方や
ご家族の方が見たら
「こんなに大変なのか」
「だったら今のままで…」
と思ってしまうかもしれません。
ですが経験からいえば、
病気や障害を伴いながらの
寝たきり、引きこもりから社会復帰するには
かなりの覚悟とエネルギーを要します。
糸井さんに比べればおこもり期間が短く、
通院時などに外出していた
私でもそうでしたから。
さらに糸井さんが引きこもり生活に
終止符を打ったのは30代に突入してから。
アラサーからの社会復帰は本当に大変ですよ。
同世代はもう仕事に慣れ、
結婚し子育ても始めている人が多い。
そんな中での人生やり直しですから。
本の中に「痛みは痛みで消す」
という糸井さんの言葉がありましたが、
事実「苦痛や不甲斐なさ、ストレスを
伴ってでも現状から脱出したい」
という気持ちが強くなければ
アラサー以降の社会復帰、
健康状態が良くない人の社会復帰
は出来ないと思います。
また現実的なことをいえば
どれだけ自己投資できるお金があるか
も立て直しのスピードにかかわって
くるかなと思います。
できるだけリカバリーに必要な要素には
投資したほうが回復しやすくなるのは
事実です。それは経験からも感じます。
お金をあまりかけずに
成功したいなら、時間と体力を
費やすしかないわけで。
そもそも、それが出来ないのもあって
篭りがちになるわけであって。
再現性の点でいうと
人によって掛けられる金額の幅が
違ってくるのが悩ましいところですけどね。
夢のないことをいってしまえば、
病気や障害がある人の社会復帰には、
本人の覚悟と努力はもちろん必須だけど
ある程度のお金や情報、周りの協力も必要
だということでもありますね。
持病、障がいがある人の婚活の実状も含め
この本はそれらをリアルに言語化
してくれていると思います。
大手メディアが「頑張ってる障害者」
を報道する時、どうしてもその性質上
綺麗な面を切り取る傾向があります。
蚊帳の外から見て誤解している
市井の人が少なくないのは
それもあってのことですね。
理解のあるパートナーや家族、
職場が出てきたり、本人が
ハンデを上回るほどのスキルや
魅力を備えていたり。
現実的には「理解のある人」に
恵まれる人ばかりではないし、
お金で解決できる問題もあります。
だから結局は
現実の厳しさを知って受け止めた上で、
自分(あるいは家族、知人、支援者)
ならどうしていくか。
同じようにすることは
出来なくても、「自分ならどうするか」
を考えるきっかけとして良い本
かなと思います。
(地元 札幌で撮った春の風景 ₊⁎)
…と、夢のない厳しい感想に
なってしまいましたが、
今ひきこもり、寝たきりの状況下にいる
当事者の方やご家族の方に
少しでも参考になれば嬉しいです。
お読みくださってありがとうございました。
体調不良がある人にもおすすめ
少しでも体調を整えるには
栄養のある食事も大切。
とはいえ
フラフラする日のお料理、買い出し、
後片付け。きついですよね…
野菜を摂りたいけど
葉野菜は日持ちしないものが多いし。
冷凍庫にこういう栄養ストック食が
あると心強いですよー (๑˃̵ᴗ˂̵)