なぜかウチには年1名の

『シンデレラ枠』がある。


毎年ひとりだが

爆発的な伸びを見せて

不可能と言われた学校に

合格していく女の子がずっといる。


『ゆめちゃん』もそうだった。

 

彼女の願いは京都産大附属中に入ること…
しかし成績はギリギリ

しかも家は京都…

大阪に通うのは週末が限界。
とりあえず弱点補強に

特化する計画でスタートした。


しかし通い始めた直後

前年のシンデレラに感化された。
『○○ちゃんのしはったようにする!!』
そこから奇跡が始まった。


買った漫画が未開封
テレビを見なくなった
スマホの充電が切れてるのに気付かない
育成ゲームが死んでしまった
ごはんの時間が短くなった
隙があれば問題を解く子になった…

笑顔で…。


気がつけば

京都産大附属は余裕のA判定

念願は叶ったかに見えた。
しかし突然ゆめちゃんは言い出した…

 

『○○ちゃんの行ってる

大阪桐蔭も受けてみたい』


通える距離ではないし

何より偏差値が10も上だ。

記念受験なら…

と許可したらさらに快進撃止まらず…


気がつけば京都産大附属は

特待生。 

勢い余って桐蔭も合格

してしまった。

 

残念がってはいたが

桐蔭は辞退し、京産大附属に

すすんだ。


それから3年…

こんなメールをいただいた。


『先生、ご無沙汰しております。
夜分に申し訳ございません。

お元気でお過ごしの事と存じます。
昨年春にご報告をさせて

いただいておりましたように外部受験し

京都教育大附属高校に

ご縁をいただくことができました。


金曜日に結果が出ていたのですが

本日、併願校の大谷高校の合格通知も届き

無事高校受験終了いたしましたこと

ご報告させていただきます。


中学受験の時には

先生にさんざんお世話になっておきながら

結局、外に出ることになってしまいました。
申し訳ございません。

 

相変わらずのマイペースぶりで

中学受験で勉強不足だった理科、社会が

最後までまた手をつけず

最後の最後に必死で、やってました。


ほんとに懲りない子です。

ただ、理科は、先生に教えていただいた

ところだけは完璧だったようで

「先生恐るべしやわ」と、ゆめが

申しておりました。
ほんとうにありがとうございました。』

 

彼女は止まってなかった…

特待合格すら踏み台にしていた。


さらにグレードの高い学校へ

さらに難度の高い高校受験から

食い込んでいったとは…

恐れ入るしかない。


名は体を…の言葉通り

彼女は『ゆめ』を

叶え続けてくれると確信した。


同じ時間を

過ごさせていただいたことに

心から感謝したい。


はぁ…

この仕事やめられない(*´∇`*)