カナダのクリケットで練習していた梨花さんはもう帰国されて、練習できていることと思います。

 オミクロン株が突如出現し入国禁止などが発表されどうなることかと心配していました。同じ便の人に感染者が出ると、練習もできなくなり14日間の待機になってしまうようなことも言われていたので、まだ不安な中での練習でしょう。リンクとの往復で外出もできない状態だと思います。オーサーコーチも日本に来れるという情報はないので、濱田コーチ頼みですが、濱田コーチとも帰国14日間は会えないのかなあー。


 思えばこの2年間、梨花さんは怪我と新型コロナとの闘いに明け暮れしていたと思います。

 左足首の怪我がずっと治らなくて、得意の得点源3Lzを回避しながらの試合の連続で、それでも表彰台にたくさん乗り結果を出してきました。やっと3Lzが跳べるようになって世界選手権。時差対策も兼ねて何日も前からモントリオールで調整し、3A3本と4Sを装備して強敵ロシアの3人と真っ向勝負のはずが、新型コロナにより中止。

 4月から自宅待機しつつの練習。8月からステファンコーチのシャンペリーへ。スイスも決してコロナ感染の状況が良いわけではなかったのですが、皆んなが二の足を踏む海外に行きます。最強ロシア勢に勝つにはリスクを負ってでも梨花さんには最良の選択だったのでしょう。

 そこで出来上がった4SのBaby God BlessYou。さらにイタリア、ブノアリショーコーチのもとへ。驚愕の片手側転The Fire Withinも習得します。

 しかし、コロナ禍で国際試合は次々と中止。試合は全く経験できませんでした。日本国内ではブロック大会など試合ができている選手が多い中で迎えた最初の試合が全日本選手権でした。初試合でも見事に全日本選手権史上歴史に残る4Sを成功させ2連覇。

 しかしコロナは収まることなく四大陸選手権中止、バブルシステムの中で行われた世界選手権。SPでは見事な演技で2位発進。国際大会での片手側転は世界をビックリさせました。FSの練習から明らかにおかしかったのでこの世界選手権で腰を痛めたのではと思います。いつも帯同している橋本トレーナーもバブルで帰国されていたので影響が大きかったのではと推測します。

 国別対抗戦では腰痛に耐えながらなんとか試合をした姿を見るのは、梨花さんを応援し始めてから初めて心が痛い試合でした。


 左足首と腰痛を抱えたままの練習で7月頃に右足も痛めてしまいます。コロナ禍も収まりません。それでも梨花さんはスイスシャンペリーに8月に移動。新EXを練習したのではないでしょうか。

 9月に入ってコロナの影響でずっと伸びていたクリケット、オーサーコーチのもとへ念願かなって移動。怪我の治療とリハビリ練習をしてきました。

 国際大会や国内大会はコロナ禍も収まりつつあったので開催されてきましたが、梨花さんは治療のため欠場。

 今どこまで回復しているのかわかりませんが、全日本選手権にはエントリー。計画通りに帰国できるのかと思っていたら、オミクロン株で入国禁止措置と特例。

 大変な試練の中で出来る限りのことをやってきた梨花さん。

 彼女の心の中心には、強敵ロシアに勝つためにコロナ感染や怪我のリスクをおかしてでも海外で練習し、試合で最高の演技をするために今できる全力を尽くすということがあると思います。それが彼女をとりまく皆んなが喜んでもらえることに繋がると信じているからでしょう。


 あと12日後に迫った全日本選手権。オミクロン株や怪我の状態など心配事が解消されていませんが、やっとやっと試合ができます。クリケットに行けない間、リモートで振り付けをしてもらい、渡航後は細部に渡りブラッシュアップしてきたであろうフリースケートプログラムのタイタニック。全ての想いを込めてリカタニックを演じてくれるでしょう。ここにきて私が祈ることは、ただ一つ。4S、3Aの成功や試合の結果ではなく、今できる梨花さんの全力の演技ができますように。


 リンクに立った梨花さんの姿を想像するだけで涙が出てくる今日この頃です。