練馬区桜台の銭湯、久松湯



短歌 「苦しみし地に湧く温泉」


十五歳の吾が通ひにしふる道を記憶を辿り歩みたりけり

待ち待てどなかなかバス来ず高校の通学鞄いよよ重かり

一時間待ちてやうやくバス来たり端(はな)から知りせば歩きたりしを

朝夕のラッシュ時なれど数便のみのかの路線バスに苦しめられき

間引き運行の常習たりしバス路線は地下鉄通りて廃止となりぬ

ふるさとに地下鉄通り通学に苦しめられし日遥かとなりぬ

通学に苦しみし地に新しく温泉掘られ銭湯の建つ

天然のいで湯湛ふる久松湯都内屈指の銭湯なりと
                    (練馬区桜台)

銭湯にあれど露天のいで湯あり四角に切らるる空の青しも

強塩の湯に浸かりつつ植栽の雑木々揺らす風のさやけさ

苦しみし地に湧く出湯に浸りつつ古き記憶の解れゆくかも


💚高校生当時、通学にとても苦労しました。

⑶は、バスが間引き運転されて一時間も来ないことがはじめから分かっていたら、歩いた方が早かったという意味です。バス停から自宅までは歩いて三十分位の距離でしたから。

⑸の通り、時刻表通りに来たことはなくて、いつも間引き運行されていました。でも、どの予定のバスが間引かれるかは予想できないのが困ったものでした。自宅から国際興業バス、西武池袋線、山手線、地下鉄丸の内線、地下鉄方南町線と乗り継いでやっと高校のある駅に着きましたが、そのすべてが超混雑、山手線では持っていた傘の柄が曲がったりもしました。

そんなこんなで遂にダウン。入院から長期欠席、そして退学しました。二年生の三学期のことです。(大学には大検にて入学)

とまあ、本当に苦労した高校時代だったのですが、当時の苦しめられたバス通りに近年になって温泉の銭湯ができたという情報を得て行ってみたのが今回の詠草の種です。