T32型 エクストレイルを 1年使用した感想。

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T32型 エクストレイルを乗り始めてから1年経過しました。その感想を忘備録としてレポートします。


●使用形態

会社所有の営業車
通勤やプライベートに使用可能
ガソリンは会社支給
使用開始時走行距離14000キロ
1年経過現在36000キロ



●外観デザイン



フロントからリアに流れるようなデザインです。上半分がシャープでスリムな印象ですが、下半分は大きなタイヤと樹脂製のブラックプロテクターによりゴツさが演出されています。この上下のミスマッチ感は、最近のSUVのトレンドですね。1年経過しても飽きることがありません。
横幅が1820mmと幅広く、デザイン的には迫力あり抑揚ありで素敵です。が、駐車場や狭い道でのすれ違いなど気を使うシーンは増えてしまいます。日本の道路事情には間違いなく合っていません。そんな大きなクルマを乗りこなす自己満足もあったりして、いいのか悪いのか、よくわからないです。




●内装デザイン

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シルバー加飾の使い方が素晴らしいと思います。艶有り・無しそれぞれの配置が適度です。安い価格帯のSUVにしてはかなり高級感はあると感じます。1年経過しても内装の日焼けなどはなく、程度は良好です。




●走行性能

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エンジンの出力は交通の流れに合わせている限りなんら不足ありません。ジヤトコ製のCVT8も、エンジンとの協調制御が優れていて、低速時・高速時ともにスムーズです。
ただCVTは通常のトルコンATに比べて明らかに寿命が短いのが欠点です。低コストでメーカーへ供給できるミッションなのですが、やはり総走行距離10万キロ超えるあたりから要注意かと思います。現在は問題ありませんが、アクセルオンから急にオフにした時のカクンという挙動が出始めました。CVTならではの劣化が感じられます。
寒暖差により加速フィーリングが変化するのも欠点かもしれません。夏場の高温時期はエンジン回転数にマッチした加速をしますが、外気温15度以下になると回転数の上昇にCVTが追いつかずエンジンの唸り音と車体の加速がミスマッチとなります。特に冬場の冷寒時はこのミスマッチが著しく現れます。CVTを守る為にわざと滑らせているのかと推測しますが、CVTヒーターなど対策に限界があるのでしょうか。
現在、この現象に関してはエコモードへ切り替えることにより解決してます。エコモード自体が余計な回転上昇を抑えるプログラムですので、加速性能さえ求めなければスムーズな運転ができるようになっています。




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ブレーキは貧弱です。
1.5トンの重量、SUVの腰高な荷重、これらを受け止めるには明らかに足りません。
スポーツ走行するクルマではないので、ブレーキに性能を求めてはいけないと思います。が、しかし、山道の下りや高速時のブレーキングにおいては踏んだ分効くブレーキではないです。
クルマを安く作る為、ブレーキに関してはコストダウンしていると察します。ブレーキの容量も不足ですが、ペダルを踏んだ時のフィーリングもコンパクトカークラスの情報量の少なさです。これには慣れてしまえばどうってことないので、1年経過した今現在、問題となっていません。





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エクストレイルのサスペンションは、フロントがストラット形式、リアがマルチリンク形式です。エクストレイルは基本4WDなので、四輪独立サスペンションとなります。

特にリアサスペンションの地面を捕らえる接地性能は素晴らしく、とてもしなやかです。突き上げも少ないし、かと言って腰砕けてグニャリとなる感じも皆無です。非常に絶妙な良いポイントを得たセッティングに感じます。36000キロ走行した現在においてもダンパーの劣化感はなく問題有りません。

総じて、走行性能はエクストレイルの価格帯以上の性能があると感じてます。交差点や高速道路のカーブにおいてもクルマが素直に動くし、かと言って硬い乗り心地にはならずとてもしなやかです。

この価格以上の性能を生み出しているのが、最近流行りの世界共通プラットフォームではないでしょうか。

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日産で言えばCMF。
トヨタならTNGA。
コストを下げ、より良いものを作る(より利益が出るものを作る)、新しい車台の作り方です。エクストレイルは日産におけるCMF採用車第1号です。SUVの車台でこれだけの素晴らしい走行性能を割安で提供できるとなれば、これから生み出される新型車にもかなり期待できるのではないでしょうか。

日本市場向けのクルマは日本の平均速度の遅さゆえ、走行性能に不足のあるものが多かったのですが、世界共通のプラットフォームになるとその差もなくなり、クルマの運転が好きな人からしたら良い流れかと思います。


ちなみに、余談ですが、このエクストレイルに関してはタイヤ空気圧により乗り心地にかなりの差が出ます。比較的厚みのあるタイヤを履いているエクストレイルですが、この1年、様々な空気圧を試しながら変化を感じました。
私のおすすめはメーカー規定値のフロント230、リア210です。空気漏れを恐れて余分にフロント250、リア230ほど入れてしまうと上下に跳ねるような挙動が極端に現れます。多分、SUV独特の大きなタイヤの動きを抑え込む韓国製ダンパーの性能に限界があるのではないでしょうか。

こまめに自分で空気圧を測れる方であれば、規定値にて管理された方がエクストレイルの乗り心地の良さを実感できると思います。


エクストレイルハイブリッドにおいては、フロント280、リア260がメーカー規定値です。これはさすがに高すぎだと思います。ハイブリッド化による車両重量増を加味しても、高すぎです。カタログ燃費を向上させる為の規定値ですね。これはあまり良くないことです。





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メーター中間のディスプレイにはシャシー制御状況を映し出すことができます。
カーブでは四輪それぞれに独立してブレーキをかける制御、
車台の上下動に関してはエンジン出力とブレーキをかける制御、
これらの制御により、常にフラットで安定した運転ができるようです。違和感無い程度の制御でしょうからハッキリとした体感はできませんが、運転していて非常に挙動が素直に感じたり疲れにくかったりするのはこれらの制御のおかげだと思われます。このようなシャシー制御が量産車に展開されるとは素晴らしい技術の進歩です。




●燃費

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燃費は驚く程良いです。
特に高速道路においては時速100キロ定速で16〜17キロ/ℓほど走ります。ストップ&ゴーの多い街中では10〜12キロ/ℓ、流れのよい国道であれば上写真のように18キロ/ℓを超えたこともありました。ハイブリッドでもなく、通常のガソリンエンジン車でなおかつ車重の重い四輪駆動のSUVとしては驚異的な燃費です。





●セーフティシールド(安全装置)


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こちらはドアミラー下カメラ。
左右両方とも付いています。




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フロント前方を監視する自動ブレーキ用のフロントガラス上部のカメラ。




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フロントグリルエンブレム内下側に潜むアラウンドビューモニター用のカメラ。



エクストレイルはカメラが5個(後付けのドライブレコーダーは除く)、フロント・リアのバンパーへ音波ソナーが8個、装備されています。


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それらの装備により、アラウンドビューモニターが稼働し自車の周りの状況が把握できるようになりました。
障害物が近づくとマーカーが画面上に現れ、ブザー音でも知らせてくれます。さらに近くになると自動ブレーキが作動しクルマは停止します。

この自動ブレーキに関してはこの1年の間で2度誤作動がありました。どちらも土砂降りの雨の日です。停止状態から走り出した途端にガクンと意図せずブレーキがかかりました。雨を障害物と誤認識してしまうらしく、今後改善されることを望みます。

画面右上のMODとの表示は死角に移動物がないか確認する機能です。画像の解析から移動物を感じ取るとその箇所の画面が黄色で縁取りされブザーが鳴ります。死角の多いSUVには安心の機能です。

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このBSWインジケーターは役に立ちます。実際の1年間の使用の中で、車線変更において視認できない後側方車を知らせてくれたことが数回ありました。それ以外にも視認を補佐する意味合いで安心感があり、必要な機能だと思います。後側方にクルマがいる場合、インジケーターの点滅とブザーで警告してくれます。インジケーターの発光具合は日中と夜ともに運転の邪魔にならない適度なものです。
ちなみに、このBSWも雨の日には誤作動しやすいです。ブザー音こそ鳴らないものの、チカチカとインジケーターランプが点滅することが多々あります。





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セーフティシールドの装備の一つである、LEDヘッドライト。素晴らしく見やすい色合い(ケルビン)です。写真の様に、スパっと上下に切れた配光は点光源であるプロジェクターLEDならではないでしょうか。しかし、光量(ルーメン)は足りないかと感じます。

LEDヘッドライトと言うとなんとなく先進的な気がして、既存の技術であるキセノンヘッドライトより明るいのかと思っていましたが違いました。光量は明らかに弱い。なんとなくハロゲンとキセノンの中間あたりかなと思います。でも消費電力も少なく新しい技術だから、イメージは良いですね。1年の使用の中では特に不満は感じず、逆に配光と色合いの素晴らしさからとても満足しています。



以上、エクストレイルを1年仕事とプライベートに使用してみて印象に残ったところを記述してみました。

さらに細かいところで言えば、撥水シートだから汚れても掃除しやすいとか、外音が侵入しやすい(静音加工にて対策済み・当ブログ内に施工ブログ有り)とか、ガソリンタンク容量を60ℓであるところ70〜80ℓ辺りまであったらよいなとか、
色々ありますが、
とりあえず主だったものをブログにしてみた次第です。