初めて目が合った時のあなた
僕を驚いた顔で見てたけど
それは後になって分かったこと
この時の僕は撮影をしていることに気付かずにあなたに話しかけていた
カットと言う言葉が掛かっているのにその言葉には耳を傾けず再度同じ質問を繰り返す
「すみません、この辺で○○さんを見かけませんでしたか?」
「潤…じゃないよな?」
あなたは僕を見ながら確認をする
「あっ、僕は深山大翔です」
そう言って名刺を渡すとあなたはその名刺と俺を交互に見比べている
これも後になって分かったことだけど僕はあなたが所属するアイドルグループのメンバーに瓜二つだってことが
後ろでは一旦休憩とか言う声が聞こえて来るけどそれを何処か遠くで聞いているようなそんな感覚に陥りながら僕は目の前のあなただけを見ている
「鳴海先生でしたよね?」
「えっ?」
「今さっきあなたと話してた人が鳴海校長って呼んでいたから…」
「ああ、それで…ってことは俺のこと知らないんですね?」
「???」
僕は事件に関わることや世間の情勢とかは仕事のために情報を仕入れたりするけど、芸能関係には全く
「嵐の櫻井翔です」
って自己紹介されてもそれが今をときめく国民的アイドルグループの一人だってことには全く気付いていなかったんだ
続く…