このお話は日曜劇場『 ブラックペアン』を元にしたお話です。BLの意味が分からない方はバックプリーズ
本日は大晦日
と言ってもこの仕事をし出してからイベント事には縁がない生活を送っていた
それが今年の春の出会いによって180°変わった
そんな翔の日々を変えた人物の名は渡海征司郎
本日も翔に美味しい年越しそばを食べさせたいが為に朝からせっせと蕎麦を打ち蕎麦作りに励んでる
「征司郎さんて蕎麦も打てたんですね」
「ま〜な。一度ハマるとこれが中々楽しくってよ」
蕎麦粉がみるみる塊になってそれで芸術的な菊練りをしそして綿棒で均等に伸ばして折り畳む
そして同じ幅に切っていけば蕎麦の完成
後は沸かしておいた鍋で蕎麦を茹でつつ一緒に天ぷらを揚げれば天せいろの出来上がり
「うわ美味しそう」
「天ぷら熱いうちに食え」
「はい、いただきます」
「いただきます」
「…うめぇ、この天ぷら衣がサクサク。蕎麦もすっご美味しいです」
「ならよかった」
プルプル
年越しそばに舌鼓を打っているとそこにコール音が
『東海消防から救急要請の患者です。50代男性、心臓に既往歴のある方で、心電図の波形的に急性心筋梗塞を起こしている可能性があります受け入れお願いできますか?』
「はい、回して下さい…」
内線を切った後に
「年越しそばが…」
「仕方ねーだろ。ほら、切り替えろ」
「っ…はいっ」
実家に帰らず仮眠室にいれば想定内
今はただ目の前の患者さんを救うことだけを考える
それが翔の仕事なのだから
「今日はお前が執刀するか?」
オペ室に向かいながら渡海が翔に尋ねる
「はいっ、やります」
この8ヶ月で沢山のオペを渡海と共にこなしてきた翔
自分が執刀するのはまだまだ緊張するが、渡海が側にいれば…
「今年最後をオペ、、頑張るぞ」
「はいっ」
〇〇時間後
再び仮眠室
オペは無事成功
途中とても難しい部分もあったが咄嗟の判断力によって危機を脱することができた
「今日はよく頑張ったな。途中ヤバかった所もあったけど、しっかりと俺を使うこともできたし。まあ、今日のオペは普通なら及第点を与えてもいいかとも思うが…60点」
「60点…」
「最初の頃に比べたらだいぶ上がっただろう?」
「…っ、はい…」
そうなのだ、最初のオペの時なんて10点だったのだからそれに比べたらこの8ヶ月で目覚ましい成長を遂げている。しかしそれでも、それは渡海が望んでいるレベルにはまだまだ達してはいない
だから…
「お前ならもっと出来ると思って俺はお前を評価している。今日のオペだって確かに普通なら満足いくオペのレベルだろうが、お前は俺を目指しているんだよな?」
「はいっ…」
渡海の言う通り並みの外科医ならこれで良いのだ。しかし、翔は渡海レベルを目指しているのだからこの程度で甘んじてもらっては困る。
「なら、俺が言いたいこと分かるな?」
「はい!!」
「まあ、反省会はこの辺にして途中だった年越しそばを食べるか」
キュー
「っ///」
「ホント翔ちゃんのお腹は素直だよな〜。温め直して、食べれるようにするからそれまで大人しく待ってな」
ポンポンと翔の頭を撫でて渡海は年越しそばの準備を改めてする
お蕎麦は余分に打ってあったから新しいのを茹でると渡海は言ったが、流水にさらせばまだ食べられるからと蕎麦は食べかけのままを再び食べる。
この1年色々な事があり最後までバタバタとしたが翔にとってはまたスキルアップにはとても良い経験になった
こんな大晦日もありかな
fin…
皆様、本年は大変お世話になりました。日常生活が忙しいせいで更新が止まってしまい申し訳なかったですが、来年こそはもう少し更新できるようにしたいと思います。
今回の番外編はなんとなく大晦日に渡海先生と翔ちゃんが年越しそばを食べたら…って妄想から何故か若干長いお話になってしまいましたが…
しかも昨日は99.9のドラマ見ていて大翔と翔の番外編書こうかなって思ってたのに今日になって書き始めたらオペ室の悪魔に思考が変わってたという…
こんな駄文家ではありますが来年もどうぞ宜しくお願い致します。
RIHITO拝