脳卒中で右半身麻痺、失語症を宣告された夫と支えた妻のリハビリ記録 -3ページ目

脳卒中で右半身麻痺、失語症を宣告された夫と支えた妻のリハビリ記録

心理カウンセラー・天命カウンセリングを行っている夫。
そんな夫が56歳で脳卒中で倒れ、右半身麻痺と失語症を告げられましたが、社会復帰するために行ったリハビリと、自主トレのお話。
そして、家族ができる事をお話します。

脳卒中を発症させた事が原因で、高次脳機能障害がある夫さん。

発症当時は、なんの判断も全くできない人になっておりました笑い泣き
いや、判断してるんですよ。
でも、正しく判断できてないと言うか…えーん

世間の常識と比べたら、ほぼ全ての人が「そりゃ変だよ」って言うことも、夫さんは変な方にジャッジして突き進もうとするというか…ゲッソリ


まぁ、高次脳機能障害がなせる技なんだろなぁと思っていました。

回復期病院を退院してから、少しずつ「物事の考え方」みたいなのを学んでいった夫さんだったけど、本人が理解できないこともチラホラある。
例えば、お金に関すること。

お金はどこからか降って湧いてくるもんだとでも思っているのか、とにかくお金を使いたがる札束
どこか出かけたら、とにかく飲食したがるピザ
トイレが近いから、行く先々のコンビニでトイレを借りたら、そこでコーヒーやらお菓子やらを要求するのですジュース
そんなに飲んだらトイレ近くなるのにね…、そんなに食べたらまた太るよ?って思うけど、本人の「買いたい欲」は止まらないんです。

だから、小銭程度のお金しか渡せなくて、その範囲内での買い物をする事を学んでもらうしかなかったのです。

それも3年ほどで随分マシになって、今は変な状態はほとんど出なくなりました。


でも…最近、クレジットカード会社から、妙な請求がくるようになりましたもやもや
毎月500円少々の請求が、夫さん名義のクレジットカード会社からくるのです。

最初は「あれ?なんかETCの請求が遅れてきたのかな?」って思ってたけど…
数ヶ月続くから、さすがに変だと思い始めたわけですよ。


夫さんに何か買い物してるのか聞いても、「何も買ってないよ」って言うし。
クレジットカードの請求書はWEBサービスになってるから、サイトを開かないと明細も見れない。

夫さんがサイトのパスワードを覚えてるわけもなく、どうしたもんかと思ってたわけです。
が、カード情報盗まれての架空請求ならもっと怖い滝汗から、意を決してパスワード調べることにしまして。

で、クレジットカード会社のサイトから、請求明細を確認したわけです。


そしたら…

なんと…


Amazonプライムの月会費。
500円少々。



なにこれ?
なんでAmazonプライムなんかに登録してるん?


すかさず夫さんを問いただしましたよ。
「Amazonプライム申し込んだん?」
すると、夫さんは
「…分からん」
と言い出しますガーン

過去に一度だけ、夫さんが自分でAmazonから購入した事がありました。
もしかしたら、その時にAmazonプライムも登録してたのかもしれない。
でも、本人はなぜAmazonプライムに登録して、しかもお金が請求されてるのか覚えてないのです。


特に音楽を聞きたい放題聞くわけでもなく。
何かの動画を見るわけでもなく。

Amazonプライムの特典をフルに使っているわけじゃないのに、月会費だけキッチリと請求されとるのですよ。


なぜ、それをやったのか分からない。
でも、それをやったのは夫さん。


あぁ、これが高次脳機能障害のなせる技なんだろうな。
その時は、きっとAmazonプライムに入ってた方が有利だと感じたんだろうなもやもや
でも、キチンとサービス内容までは理解してなかったんだと思います。


Amazonプライムは即座に解約しましたけどアセアセ
こういうチョコチョコしたことで、夫さんの頭の中の現状を知る事になろうとは!


まだまだ学びが必要だなぁ。
がんばれ、私!
がんばれ、夫さん!
夫さんが脳卒中を発症した時、知人の女性から言われた「ある言葉」が時折頭の中にあらわれます。

それは、夫さんがまだ急性期病院に入院中だった頃。
私は毎朝早く起きて、電車を乗り継ぎバスに乗りして、夫さんが搬送された病院まで通ってました。
朝早くから、面会時間ギリギリまで。ずっと夫さんの側について、夫さんがどんな状態なのかを見たり、リハビリについて行ってはその様子を観察していました。

家族ができるリハビリがないのか?
少しでも早く麻痺側が回復する方法はないのか?
麻痺した右の顔面をどうしたら元に戻せるのか?
話せなくなった夫さんが言葉を取り戻すには?
いつになったら、口からご飯食べれるの?

知りたいことや、解決させたいと思うことが山盛りありました。
だから、毎日病院に行って、PTさんやOTさん、そしてSTさんなどに質問しまくってたのです。


そんな私に、ある方が「今は病院に全てを任せて、クボちゃんはゆっくり休んだ方がいいよ。家に帰ってきてからの介護が長く続くんだから、今頑張り過ぎたら体がもたないよ」と言葉をかけてくれたのです。


そんなに介護って続くのかなぁ。
体がもたないほど、介護って大変なのかなぁ。

って、その時はボンヤリ思っただけで、その後受け流してしまってました。


私にとっては、介護期間をそんなに長くかけるつもりはなかった(と、勝手に思ってた)し、初期段階から何か手を打っていけば、早い段階でなんとかなるって思ったんですよね。


でも、やっぱり在宅になってからの介護は長く続くんだよねショック


現在の我が夫さんは、まだ介護が軽い方に違いない。
お風呂で背中が洗えなかったり、ドライヤー使って髪の毛乾かせなかったりするから介助は必要アセアセ
食事内容によっては、一口大に切ってあげなきゃいけない時もあるしナイフとフォーク

その他色々&細々と介助が必要なシーンはあるけど、夫さんが一人で出来る事もあるから、私も仕事に出ることが出来るのです。

「生活の全てがリハビリなんだよ。
だから、自分でも出来る様に頑張らなあかんよ」
って、夫さんには常に言うのです。
もしも私に何かあれば、夫さんは一人で生活できるように頑張らなきゃいけないから。


この介護が少しずつ減ってきて、夫さんが全て一人で出来る様になる事が目標ですが…いつになるだろね。


その日が来るまで、私も少しずつ手抜きしながら、無理せずに夫さんのサポートをしていきたいなぁと思います☆

夫さんが2016年10月に脳卒中を発症させてから、3年ちょい経ちました星

右半身麻痺が発覚した頃は「とにかく右半身が動いてほしい」「早く車椅子を卒業してほしい」「右手で何か出来る様になってほしい」と、とにかく麻痺側が動くことだけしか頭になくて。
「どの様に動いてほしいのか」なんて、考えたこともなかったですよタラー

必死のリハビリで、何とか歩ける様になってきた夫さん。
歩ける様になったら、次は「もっと早く歩ける様になりたい」という目標ができたのです☆

少しずつ早く歩ける様になってきた頃、ふと夫さんの歩き方が気になり始めましたキラキラ

全身が緊張してる。
麻痺足はぶん回しが出てる。
少し歩いただけで、疲労感が半端ない…ショック


なんで?
なんで??
なぜなんだ???

これは、麻痺手にも言えることでした。
肩に代償動作が出まくりなんですもん。
何なら、体全体の筋肉を駆使して腕を動かしてるんじゃないかと思うほどでしたよ。

当時お世話になってたPTさんに、なぜこんなスグ疲れるのか聞いたら
「麻痺がある方は、私たちよりも7倍ほどエネルギーを多く使います」
って答えが返ってきただけで、なぜ7倍ほどもエネルギー使ってるか分からないまま。



でも、しばらく経ってから全身の筋緊張やぶん回しなどなどの原因が代償動作からきていて、恐らくそれがエネルギーを使いまくって、しまいには疲労感にかわるんだろうなぁって思い始めましてガーン

そこからは、夫さんの目標は
「代償動作が起こらない様に麻痺手や麻痺足を動かす」
になってきたです。


何でもいいから動いてほしいってのは、あくまでも家族としての私の気持ちであったのです。
で、実際に片麻痺当事者である夫さんも、「何とかして動けるようになりたい」って思ってたのです。

とは言うものの、少しだけ目標を達成できた時、本来の目標が少し違ってた事に気づくんですよね。

だから、少し動きが出てきたら、また少し目標を変えていくっていうのはアリだと思うのですグッ


今の夫さんの目標は、「代償動作を伴う事なく手足を動かす」になってます。

脳に、何度も何度も無理のない動きを覚えさせる。
これは一人ではできないから、家族やセラピストさんたちの介助が必要なのだけど…
みんなで力を合わせて取り組むリハビリって感じですかね。

我が家は「川平法」というリハビリ方法から、この動きの学習を習得しています。

でも、夫さんが回復を諦めない限り、私も諦めないよチョキ




3年。

夫さんが回復期病院を退院して3年が経ちましたよ。

早かったなぁ。
あの時は「こんな体で退院してきて、どうしたらいいんだろう」って悩んでましたよ。

夜中にトイレに行くのも、
お風呂に入るのも、
外を歩くのも、
家の中を移動するのも、
どれもこれも、夫さんひとりじゃできないんだもの。
しかも、夫さんは畳のヘリとかフローリング床の継ぎ目みたいな溝ですら「躓いてこけそう」と言う。だから、24時間ずっと一緒にいなければならない状態。

また、夫さんは失語症が酷かったからか、大きな声を出すことができなくなってました。
囁く声で「おシッコ〜、おシッコ〜」って夜中に訴えてる😱
そんな夫さんをベッドから起こして、立ち上がらせて、体を支えながらトイレ前つれていってました。
介護の大変さを嫌というほど知ったよね。
私は完全に寝不足で、毎日フラフラしてた記憶もあります。


当時は「リハビリを頑張る」とは言いながらも、かなり後ろ向きな態度が見え隠れしてた夫さん。
「付き添うから、外に歩きに行こうよ」って誘っても、全く歩きに行きたがらない状態で💦
嫌がる夫さんを無理矢理車に乗せて、イオンモールに連れて行っては激混みのフロアを歩かせておりました。
そのかわり、歩き終えたらコーヒーを飲ませたり、美味しいスイーツやパンをご褒美として買ってたっけ。

雨の日も風の日もイオンモール。

脳出血の影響で、右目の視野が極端に狭くなってたから、右側から人が現れたりしても見えてなかったし。
そんな状態で人混み歩くのも怖かっただろうなぁショック

そんなこんなで退院直後が一番大変だったと思うのですが、色んなことを積み重ねた結果、回復期病院に入院中よりも、退院してからの方が夫さんが出来ることは増えたと思います。

今年もまた一つ、何かができるようになったらいいね。





女性はあまり聞きませんが・・・

 

男性って、理容室(いわゆる床屋さん)に行く方と、美容室(昔で言うところのパーマ屋さん)に行く方とに分かれますよね。

ときどき「自宅でカットしてます」という方も聞きますが・・・。

 

わが夫さんは、昔から信頼をおいている美容師さんがいらっしゃいまして。

髪をカットする際は、その美容師さんのもとに行きます。

 

ここの美容室は、スタッフのみなさんがとても親切でして。

脳卒中で片麻痺になってしまった夫さんに対しても、とても丁寧に接してくれます。

 

席に座る際には、座りやすい角度に椅子を回転させてくれたり。

洗髪の際は、シャンプー台まで行かなくてもいいように、席に洗髪台を持ってきてくれたり・・・ホントに人にやさしい美容室なのですよ

 

ところで美容室と理容室では、洗髪スタイルが違いますよね。

理容室は前かがみになってシャンプーするじゃないですか。

でも、美容室は背もたれ倒して、後ろにのけぞるカンジになりますよね。

 

脳卒中で片麻痺になってしまった夫さんは、この「のけぞりスタイル」がちょっと苦手になってきましたよ。

 

長時間のけぞってシャンプーすると、首やら背中やらが痛くなってくるのだそうです。

私個人的には、体のバランスがとりづらくなってるのかな?って勝手に感じているのですが・・・シャンプーの時間が少しでも長くなると、「もう、しんどいからやめて~!」という大きな声が美容室の中でこだましていますアセアセ

 

美容師さんだって、一生懸命シャンプーやってくれてるんだけどね。

そんな大きな声で助けを求められちゃったら、まるで美容師さんが夫さんをいじめてるみたいじゃないか・・・ガーン

・・・などと色々思う事はあるのですが、こればっかりは本人でなきゃ分らん事なんだろうなって思うわけでありますよ。

 

私なんて、シャンプーしてもらってるときは爆睡なんですけど(笑)

やっぱり、体の機能が一度壊れると、色んな所に大小さまざまな支障が出てくるんだね。

 

そんな夫さんに、「シャンプーの時は、のけぞるのと前かがみになるのどっちがラク?」って聞いたら、「前にかがむ方がラクだよ」と即答でした。

美容室のシャンプー台、背もたれあるのに?

思いっきり背もたれにもたれても良いのに?それでも前かがみの方がラクなの?

 

これって、夫さんだけに当てはまる事なのでしょうか?

それとも、片麻痺当事者さんの大多数が当てはまる事なのでしょうか?

 

ナゾすぎてよく分りませんが、それでも夫さんはこれから先も同じ美容室に通うのでしょうね。