6月24日(火)。私の60歳の誕生日ということで、夫婦で近くのレストランにて食事をすることにしました。もともとは、かねてから目を付けていたスペイン料理(特にカキ)のエストマゴ (Estómago) に行きたかったのですが、あいにく火曜日は定休日。そこでグーグルマップで別の店を探し、良さそうだと思ったのが、すずらん通りのイタリアンレストラン、EUNPリストランテ。グーグルマップの口コミ評価も星4.5と、なかなかです。
午後は歯医者に行って、その足で駅ビル「CoCoLo長岡」のタリーズで昼食を取りながらネット、ついで複合施設「ミライエ」の中に入っている互尊文庫(市立図書館)に入ってしばらく諸作業をしていました。そして夕方6時半にお店で待ち合わせ。
時間ちょうどに来店すると、妻は既に入店して席についていました。
本日は、一番安い4,000円(+税)のコース料理、「上杉謙信の幼名を授かった地鶏 ”虎千代鶏” コース」(5皿7品)を注文。我が越後の誇る戦国大名の名を付けたチキンとは、どんな味でしょう。
料理は予約時に既に注文していますから、入店して最初に決めるのは飲み物。これはもう、洋食で肉料理ですから、私の場合、赤ワインに決まっています。店主にボトルを4本ほど持って来てもらいましたが、知っている銘柄が一つもありません。更に、私の好きなカベルネ・ソーヴィニョンの文字も見当たりません。そこで「どれがドライな味ですか?」と聞くと、「みんなドライです」。ならば、6,500円と5,500円のボトルがあったうちの安い方で、左端のこれを、と選んだのが、イタリア、カンティーナ・トゥデルナム (Cantina Tedernum) というワイナリーのトーディ・サンジョベーゼ (Todi Sangiovese) というワイン、2019年物。
なるほど、私好みのドライな味です。
妻は写真の右端に見える分だけ飲んで顔を赤くします。もちろん、後は私が全部飲んでしまいました。
コース料理ですから、一品ごとに順番に来ます。まずは、①自家製酵素ドレッシングのサラダ。店主の彼は品を持ってくる度に食材の説明をしますが、多くて覚えるのが大変なので、「ブログに載せようと思っているんですけど、食材をメモに書いてもらえますか?」とお願いすると快く承諾。以下では、そのメモを写します。
で、サラダですが、レタス各種、カリフラワー、スナップエンドウ、ミディトマト、スプラウト。
右手前のスナップエンドウは初めてでしたが、例によってウィキペディアを見て、その概要が分かりました。「さやが肉厚でやわらかく、さやと豆の両方を食べることが出来」、「肉料理のつけあわせ、サラダなどに用いる」と。まさに本日の料理にぴったりです。
ミディトマトは、普通のトマトとミニトマトの掛け合わせ。スプラウトはもやしやカイワレ大根などの芽のことを言いますが、これは何のスプラウトか。
ドレッシングもメモしてもらいました。ニンジン、タマネギのドレッシングとオレンジのドレッシングの2種。
盛り付けも料理の一部です。構図も考えられていて、アーティスティックですね。一瞬鑑賞して、すぐにパクリ。
次いで出て来たのは、②前菜4品。手前から時計回りに説明すると、6時方向がマイタケとタマネギのフリッタータ。再びウィキペディアによると、「イタリア料理の一つ。オムレツやタルト生地を省いたキッシュに似た卵料理」で、「アンティパストまたは軽めの主菜として供される」とのことですから、まさにアンティパストすなわち前菜に出て来るにはバッチリです。
9時の方向にあるのは黒ニンニクとひよこ豆みそのパテをパンに盛ったもの。このあたり、典型的なイタリア料理ではなく、お店の創作が入っています。
12時にあるのは、いただいたメモには「マダイ」としか書いてありませんでしたが、お刺身でしょうか、カルパッチョでしょうか。味を忘れてしまいました(汗)。
そして3時のはカブ、ブロッコリー、ニンジンのピクルス。シンプルでオーソドックスで無難な前菜です。
すいません、私、一通り眺めたら、あとはゆっくり咀嚼(そしゃく)せずにパクパクいっちゃう方なんです(汗)。
そしてメインの③「虎千代鶏」胸肉です! 肉の厚さが感じられ、かつ柔らか。
これに、焦がしタルタルソース、セミドライトマト、ケイパー、山椒が味を付けています。付け合わせは葉野菜のケールとトレビス。ただし紫キャベツに似たトレビスは、ほとんど隠れていますね(チキンの背後にちょっとだけ見えます)。
味付けはやや淡白な感じがしたので、黒コショウを掛けて調味しました。
④本日のおすすめパスタ。メインの後に出て来ましたが、私の認識では、イタリアではパスタはメインの前に、いわば第二前菜として出て来るものです。またもやウィキペディアからの引用で恐縮ですが、「パスタは『第1の皿』(プリモ・ピアット)と呼ばれ、前菜の後、メインディッシュの前に軽く食される料理となっている」とあります。
恐らく、日本人の食事の傾向に合わせた順番にしたのでしょう。
本日は、ズッキーニのレモンバターパスタ。チーズには、パルミジャーノ・レッジャーノとグラナパダーノ。パスタにレモンが使われているのはユニークです。果たしてサッパリスッキリ。確かにこれは、肉料理の前と言うより、後の方に合う味です。
そしてパルミジャーノ・レッジャーノは、エルサルバドルでも食した「イタリアチーズの王様」。グラナパダーノは今回初めて聞いたので、ウィキペディアにて学びました。イタリア北部、「ポー川流域で生産されるハードチーズ」とのこと。
これはもう、新潟という片田舎の県の長岡において接することのできる、貴重な本格的イタリア料理です!
最後は、⑤ドルチェ。スペイン語に、「ドゥルセ (dulce)」という同じ意味の似た単語があります。「甘い」という意味です。すなわち、「ドルチェ」も、英語で言う「スウィーツ (sweets)」、つまり甘いデザートという意味ですな。
写真の品は、レモンアロマチーズケーキ。クリームチーズに卵と生クリーム。それにメロンが添えてあります。
今回いただいた料理、メインの後に出て来るパスタとデザートにレモンが使われていて、前菜とメインでこってりと食べ応えのある料理を出した後にさっぱりした柑橘系で引き締めるあたり、よく考えられた構成だと感じました。
長岡にこんな凝ったお店があったとは知りませんでした。
ただ、まだ開拓していないイタリアンレストランが何軒もあります。「随一」という言葉は敢えて控えさせていただきましょうか。
ところで、会計時に店名の由来を聞きました。最初の「EU」は店主の名前の頭文字、次の「NP」は「長岡」「パスタ」のそれぞれ頭文字「だったんですけどね」と。「~です」と断定せずにこのような語尾で控えめに答えているあたり、遠慮というか、謙遜というかが感じられますが、私はこのちょっとした言い回しに、店が一言では言い表せない紆余曲折を経て来たから、それが含みを持った語感に表れているのではないか、と深読みしたのでした。
店長とは名刺を交換しました。もっとも、私のはエルサルバドルに居た時に使っていた有効期限の切れた名刺ですが(ちゃんとそう断って渡しました)。彼は拙ブログを是非見たいと言うので、そこに私のブログを見つけるためのキーワード「rigmarole07」を書き添えました。「この記事を書くのはしばらく後になりそうですが」と私が言うと、彼、「チェックします」と。
しかしこの記事、本当に見ているでしょうか。来店からもう半月が経過しているのですが……。






