八方台の北2コース | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルに単身赴任中(7/15~8/5一時帰国)。
気候が良く日本より健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意すべきは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

2年前に、長岡東山を盛んに歩いて探索しましたが、今年もやや時季をずらして同じ所に行って、どんな異なる花々が咲いているかを見てみたくなりました。

晴天の5月29日(日)。目的地にしたのは八方台 (568m)。最高峰である鋸山(のこぎりやま、765m)は一緒に登る妻には少々タフ過ぎるということで、もう少し低い所でここを選びました。

で、最近のハイキング記事のパターンでもあるのですが、最初に今回の行程を地図にてお見せしますね。

 

 

2年前に歩いた時は城山コースで行って火打沢コースを帰って来ました。時季はその時より3週間遅らせたわけですが、コースも違っているので、結局は「時季をずらして同じ所に行っ」たわけではなく、全く新しい所を歩いたと言うべきですね。

では、これもいつものパターンに従って、まずは植物以外の写真をお見せしていきましょう。植物はその後の記事にまとめます。

とは言っても、行きの見晴尾根コースは、その名に反して、展望のいい場所はほとんどありませんでした。それでも一、二か所はまずまずの場所がありますので、他のコースよりは見晴が期待できるということでこの名が付いているのでしょうか。

朝8時15分長岡駅東口発・成願寺行きの路線バスにて終点の成願寺にて下車。成願寺温泉の面影を残す四阿(あずまや)の廃墟を右手下方に見つつ、車道を上っていきます。

 

 

火打沢コース・見晴尾根コース共通の入口には、この案内地図が立っています。距離や方位は相当いい加減で、単に模式的に描かれているだけですが、各コースで見られる主な動植物が記載されており、自然観察愛好者としては見ているだけでワクワクしてきます。

 

 

入口を入るとすぐに分岐点があります。私たちは左手に入ります。

 

 

山道はこんな感じで比較的整備されていたので歩きやすかったですが、季節柄か、前回の時水城山の時と同じく毛虫がたくさんいましたので注意です。

急な上りは2回ありましたが、ゆっくり進んだのでさほど苦もなく登り切りました。このコースは送電線沿いに伸びており、整備のために各鉄塔に入るための小道が幾つか分岐しています。

 

 

登り切ると車道に合流し、そこからすぐのところに夕雲先生歌碑への入口があります。この人物、遠山夕雲氏は、全国レベルではあまり知られた人ではないようですが、ネットで調べてみると、長岡市の歌人だそうです。

この石碑のそばで7、8人の中高年の男女が休憩していました。

 

 

夕雲先生自身の歌碑の周りには、それよりも小さい歌碑が、20個くらいでしょうか、巡らされています。それぞれに名前が刻まれていますので、恐らく彼の弟子たちの歌なのではないかと察します。

 

 

車道を目的の八方台まで歩いて行きます。これは葉に留まったキンモンガ。蛾としては比較的見栄えがいいので、写真を撮っておきたくなります。

 

 

これもなかなか美しい色合いをした――ということには同意してくれない方も多いでしょうが――芋虫です。後で色々調べた挙句、どうやらホソバトガリエダシャクの幼虫らしいことが分かりました。

 

なおネットで成虫の画像を見ましたが、こちらは私も全く美しいとは思いません。

 

 

八方台に着きました。

写真の左奥には三角点と「八方台展望盤」なる眺望の説明円盤があるのですが、周囲は木が茂っていて、視界は全く良くありません。恐らくこれが設置された当時(「平成20年8月吉日」と刻まれていました)はいい眺望だったのでしょうが、その後で木々が伸びてきて、今まで放置されたままなのでしょう。もはや展望台としては機能していません。

 

 

これらがその三角点と、円盤の台。

 

 

しかし八方台休憩センターの跡地で現在は広い駐車場というか更地があって、その脇の、ベンチの2つ置かれている所が実質的に展望台になっており、東方向、手前の八方台いこいの森から遠方の守門岳(すもんだけ)に至る眺望は抜群です。

 

 

守門岳の頂上付近。

 

 

これは同じ場所からの左手すなわち北東方向の眺望。手前は栃尾地区の町の一部や集落、奥には粟ヶ岳(あわがたけ)等の山並みが見渡せます。

 

 

反対側に回ると、北方面を見渡せる場所もあります。写真は手前が見附市街、奥が弥彦山(やひこやま)など。越後平野の広がりがよく分かります。

 

 

それよりも左の方向には長岡市街の北半分が見えます。ど真ん中を信濃川が貫いています。

このように、様々な方向の景色は愉しめますが、それらを一度に見渡せる、つまり360度を見渡せる場所はありません。恐らくかつて休憩センターのあった頃には、その建物の上から文字通り「八方」を見渡せたのではないかと思いますが……。

 

 

上で1時間くらい過ごして、では下りるとします。再び車道を歩いていて、高い木の上にニュウナイスズメが留まりました。かなり高いところにいたので、鮮明な写真を撮ることができませんでした。

 

 

こちらはタダの――と言っては失礼ですが――トビ

 

 

来た道を引き返して、展望尾根コースの、私たちにとっては出口であったところを通り過ぎてしばらく行くと、森立(もったて)旧道コースの入口があります。

 

 

この道は八方台から最も離れていて利用するハイカーも少ないだろうから、きっと荒れているだろうと思いきや、道幅は比較的広く、最近誰か(市に雇われた人でしょう)が草を刈ったと見えて、まだ青々した草や笹の切れ端が、道の上や脇に散らばっていました。

急斜面も道がジグザグに切ってあり、上り下りは楽です。写真は道がV字に折れ曲がっている所ですが、ちょっと分かりにくいですかね。

 

 

これがその出口(上る場合は入口)。車道に出ます。

 

 

車道は谷間を、田んぼを横目に曲がりくねりながら、出発地点であった成願寺に向かって下って行きます。

田んぼに張られた水に、オタマジャクシが無数に泳いでいます。

 

 

電線に留まって美しい声で囀(さえず)っていたのはホオジロ

 

 

火打沢コース・見晴尾根コース入口まで下った時点で、まだ時間が早かったので、今までに見なかった花や虫、鳥を見つけることができるかと思って、火打沢コースを少々入って途中で引き返して来ることにしました。果たして、ヤマアカガエルを見つけました。

 

 

火打沢コースを入った所にはミズタビラコがたくさん咲いていましたが、それは他の花とともに次回の記事にてお見せすることにして、最後は成願寺川のせせらぎの脇の湿った砂地に留まった、これは恐らくミヤマカラスアゲハでしょう。翅(はね)の角度次第で、このように青い帯が鮮やかに現れます。

ちょっと余った時間で沢を探索した甲斐があったというものです。

成願寺からの帰りのバスは、いい時刻の便がなかったので、歩いて帰宅しました。4、5キロの道のりですが、本日はそれほどタフな行程でもありませんでしたし、なだらかな下りを1時間余り追加するのは、私たちにとって、どうってことはありません。

……いや、少しだけどうってことがあったか。やはり疲れました。