ここでだけ咲く花がある

誰にも見られることのない

白い桃色の白い花

冷たくて温かくて

儚くて全力で燃えている

僕は魅せられて

僕は吸い寄せられて

僕は愛おしくなって

必要以上に力を込めて抱きしめる

羽根の様に軽いタッチで頬に触れる

そして

一滴も残さないように蜜を吸い尽くす

ここでだけ咲く花は

誰にも見られることもなく

ここでだけ僕に命を与える

本当に綺麗な花はここで咲く

本当に甘い蜜はここに生まれる

本当に好きな人は帰る時にいつも泣く