気持ちを通わせるのに必要なことは
言葉を遣うことだけじゃない
これまで
どれだけ上手く伝えられるか
どれほど心のままを伝えられるか
そんなことばかりを考えていたのに
或る夜の日には
どんな言葉も遣う必要はなく
どんな言葉も探す必要はなかった
声にならない声が漏れる
漏れる息の音が聞こえる
確かめ合うように気持ちをぶつけ
そして求めることを繰り返す
正直
何も考えてはいなかった
そしてぼんやりとしか思い出せない
思い出せないから
或る夜の日がどうだったのか
確かめなきゃいけない
あの夜を言葉で言い表せられるように