「 実は、そういうの考えた事ないんだ。良い高校に入っても、やりたい事もないし。大学も、その先の事も。夢は小説家だけど、それではなかなか生きて行けないってのは分かってる。進路を決める事も大切なのは分かってる。でも・・・・ 」
僕は窓の外に広がる街の風景を見つめる。
「 でも、そんな未来の事よりも、今この時を楽しんでいたいんだ 」
きっと、大きな世界から見れば、僕達の受験や、進路の事なんて、ちっぽけな出来事でしかないんだと思う。
それが、嫌で、そんなちっぽけな事をやるなんてバカバカしいくて。
いつからだろうか、受験と言う物から、目を背けるようになったのは。
「 そうなんだ。勇輝君って、何かファンタジーな人だなぁ 」
僕は朱里の方に目を向ける。彼女はこんなくだらない事を言っている僕を見ながら優しく微笑んでいた。彼女はよく微笑む。
その微笑みをみる度に、僕の中の何かが動く。
「 ねぇ、だったら一緒の高校受けない? 」
「 僕、そんなに勉強出来ないよ? 」
僕は少し恥ずかしそうに言った。
「 大丈夫だよ、私もそんなに勉強出来ないし。でも、一緒に頑張ろうよ 」
朱里の目は、どこにも迷いのない目だった。
続く