神の想い 第一章 | つっつんライトニング軍曹のブログ

「そうね・・・私たちだけなら、きっと静かな世界になるのでしょうね」

未来は空を見ながらそう言った。

でも、何故だろうか。

未来はどこか悲しそうな顔をしている。

「どうした?」

心配になって、俺は未来に声をかけた。

「ううん、何でもないよ」

そう言うと、彼女はまた微笑んだ。

俺は立ち止まり、彼女の右手を握る。

「智也・・・・?」

未来は不思議そうな声で呟いた。

でも、俺は何も答えずに、ただ黙って彼女の右手を握る。

優しく、それでも確実に握る。

「どうかした?」

彼女は微笑みながら言った。

「いや、何かあれば、ちゃんと言うんだぞ?」

俺はそう言いながら彼女の右手を離した。

そしてまた、俺は歩き出した。

その後に未来も続いて。

「今日は、雨が降りそうだね」

空を見上げる、たしかにさっきよりは曇っていた。

「ホントだ、早く帰った方がよさそうだな」

俺は未来の右手をもう一度握り、ゆっくりと走りだした。

もう旧都市の村をかなり進んでいる。

あたりは古い建物だらけ。

なのに、俺たちはまだ誰とも通り過ぎていない。

たまに思ってしまう。

この旧都市は、この村は、死んでいるのではないかと。

一か月に二人に会うか会わないかだ。


/続く