ボートレース 戸田漕艇場編 | 鉄の日記

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てけとー

みなさま、こんばんはございます。

今回のお題は「ボートレース」です。というわけで、本日(3/1)に戸田漕艇場へ行ってきました。

 

ボートレースというと、私達は普通モーターが着いているアレを思い浮かべますね。

角刈りメガネの漫才師(故人)や、「世界は一家人類は皆兄弟」な方を想像します。

しかし、季語の「ボートレース」は手漕ぎの方であります。しかも、公園の池に浮かんでいるようなヤワなヤツではありません。

 

戸田漕艇場です。グーグル先生の地図を借りました。黄色で囲った方(西側)が、モーターが着いている、プロのアレの会場です。赤で囲った方(東側)が、手漕ぎアマチュアの方です。境目に橋がかかっており、そこから両方を見渡すことができるのでした。

橋の上(北側)に灰色のスペースがありますが、ここは駐車場です。普段の日曜日なら、モーターつきの方を見たり買ったり外したり・・・たまに当てたりするための人々で、満車となるのでしょう。

が、コロナウイルスの影響で無観客試合となっておりました。

 

当然、無料駐車場も閉鎖されております。

駐車場に隣接する、送迎バスターミナルの一角に、

 

あの人の銅像がありました。

昭和50年代、夕方に巨人の星の再放送かなんか見ていると、必ずこのCMが流れてきました。

 

  「世界は一家、人類は皆兄弟」

  「お父さん、お母さんを、大切にしよう」

  「こどもは社会の宝、大切に育てましょう」

 

みたいなことを、言っていました。ついつい、

 

  「バクチで身を滅ぼさないようにしよう」

 

と付け加えてしまうわたしは、そうとうヒネたガキでしたね・・・。

 

 

はい、橋の上です。コチラ側の長い水面(1.8kmくらい)がアマチュア手漕ぎ側です。

 

橋の反対側の短い水面(600mくらい)が、プロのモーターつき用です。季語じゃないボートレースが、開催されています。

結構すごい重低音を轟かせて、モーターボート(というには、あまりにも小さく、体が剥き出しで危険そう)が爆走してきます。カーブするところなんか、ほとんど空を飛んでいるのではないか、という感じで回っていきます。転回点を示す赤白のポストが、ウ◯コに似ているのは、なぜなんだろう・・・。

 

 

 

気をとりなおして、アマチュア側です。季語の「ボートレース」の方です。

今日は、いくつかの団体が練習をしていたようです。

見えていた艇は、シングルスカル、ダブルスカル、舵手付きクォドルプル (?)です。エイトはいませんでした。

昨日、付け焼き刃でWikipedia先生を調べたところ、

 

スカル→1人でオール二本持つ。

スウィープ→1人でオール一本持つ。

 

の違いが有るので、たぶん今回見えていたのは、全部スカルだったのだと思います。

 

 

まずは、シングルスカルです。

一人で漕ぐ、ボートレースとしては唯一の個人競技、なのだそうです。後述しますが、オールの先は色が塗ってあり、所属がわかる(アピールしている?)ようになっています。

 

女性選手もいました。この方のオールは、「TOYOTA」と書かれていますね。お顔がバッチリ写ってしまったので、レタッチソフトで加工してわからなくしてあります。

「競技用のボートなんて、公園の手漕ぎボートに毛が生えたようなものだべ?」って思っていたのですが、全然違います。見ていただくとわかるように、体はほとんど舟の上にでています。舟の縁が高いというかお椀状になっていて「いかにも安心」という構造には、なっていないのです。直線状のフロートに座るところがついていて、船体に隠れられるのは、かかとの部分だけです。軽い船体の上に、重い人間が乗る構造となっています。ちょっとバランス崩したら、ひっくり返るだろうな・・・と思います。

 

 

 

 

↑ 二人乗りのスカルです。一人乗りに比べたら、ちょっと船室(?)らしきくぼみがあるのかなあ。それでも、体のほとんどが船体の上にあります。オールの先には、三色旗が描かれています。後述しますが、彼らは慶應大学ではないようです。

 

続いて、四人乗りです。舵手付クォドルプルだと思われます。舵手がのっているので、合計五名乗船となります。高校生では、この五人乗りが最大人数なのだそうです。ということは、エイトは大学生以上なんすね。

 

1-2人乗りに比べると、ちょっとくぼんでいる部分がわかりやすいかなあ。船の長さもあるので、だいぶ安心感があります。

四人でそれぞれ二本のオールを持つので、八本のオールがいっぺんに動きます。

その一糸乱れぬさまは、見ていてとても美しいです。ジャニーズのダンスも眼じゃないくらい、揃っております。

 

 

オールを水に入れる時、手前に引くとき、引ききったオールを戻すとき、オールの平らな面がクルックルッとまわって、とてもきれいです。

お顔が写っているので、若干の加工をほどこしてあります。

 

 

↑ オールがそろっていて、とてもきれいです。

そうそう、公園のボートと違うところ、もう一点。オールは、力点→支点→作用点で動作しますよね。公園のボートは、支点が船べりに着いています。ところが、競技用のボートは、写真で黄色く写っている部分になります。船体から、だいぶ外へ張り出していますねー。

 

で、今回練習していた彼らが、三色旗のオールを持ちながら、慶應大学ではなさそうだ、という話。

 

何人かが、色違いのTシャツを来ていたのですが、「KEIO HIGH Rowing Club」と書かれていたのです。

「High School」と書かれていたわけではないので、自信はありませんが、慶應義塾大学ではなく慶應義塾高校だったのかも。だとすると、大学なら花形のはずのエイトの練習が見られなかったのも、納得できます。

 

 

水尾について。

ボートが静かな水面を移動すると、その航跡が曳かれます。

水尾(みお)というらしいのですが、例句をみると、水尾は必ず二筋なんですね。二隻のボートが競っている状態、と考えると納得できるのですが・・・・。

ボートの水尾は、真ん中に船体がつくる筋状の跡、そして点々とオールがつくる不連続な跡、からできています。カタカナの「キ」をながぁくしたものを、想像していただければ・・・。

 

↑ シングルスカルの水尾。一艘だと、水尾は一筋です。二筋にはなりません。左右に、点々とオールの跡ができます。

 

 

 

↑ ダブルスカルの水尾。真ん中の筋は、シングルスカルと同じですが、左右にあるオールの跡が二個ずつできています。「二の字二の字の下駄の跡」的なオール跡です。

 

 

 

↑ 四人漕ぎ(舵手付クォドルプル)の水尾と、手前はシングルスカルの水尾。

舵手付クォドルプルは、真ん中の筋が若干太め。オールのあとは、太いです。たぶん、四個分あるのでしょうね。シングルスカルと比べると、違いが一目瞭然です。

 

手前から順に、二人、一人、一人、四人、四人です。

 

 

水尾については、もう一点。

「水尾は、黒い」です。航跡というと、白い波を想像してしまいます。

見る角度にもよるのかもしれません。光を一様に反射する静かな水面が、ボートによって乱されたとき、光が乱反射して、かえって暗く見えるようです。

 

 

吟行をして、わかったこと。

1. 公園のボートとは、構造が違う。すぐひっくり返りそうな、危うい構造をしている。

2. オールさばきの揃い様は、すばらしい。一見の価値あり。

3. オールの先に、所属を示す(アピールする)マークが入っている。

4. 水尾のでき方は、ボートの種類により、違う。

5. バクチで身を滅ぼさないように、しよう。

6. 吟行といいながら、句はまだひとつも出来ていない。

 

最後に、組長提唱の例の六角形。五点満点です。

視覚: 5点。水の青、波の白、水尾の鈍い黒。

クルーのシャツの色。ボートの船体の色。オールの先の所属を示すペイント。すべてが、美しく、コントラストがはっきりしています。波のない、静かな水面で行われているためなのでしょうか。水面反射光という、偏光のせいなのでしょうか。色が綺麗に見えるのです。

 

聴覚: 3点。クルーの息遣い。コックスの声。そういったものが、聞こえる・・・・こともありました、まれに。鳥も啼いていたし、風の音もしていました。波の音は、聞こえませんでした。

でも、はっきり言って、モーター付きプロレースの音がすごくてすごくて・・・・。まるでF1レース(←生で見たこと無いけどw)が隣で開催されているような、環境でありますた。なので、本来聞こえるであろう、野性的な、原始的な、人の音が聞こえたかも~を加味しても、3点でした。

 

触覚: 3点。水に触れるところまでは、行けませんでした。飛沫も感じることができませんでした。感じられたのは、風の肌触りと、隣のモーターボートの重低音が腹を打つ(←センサラウンドかw)感覚だけなのですね。

 

味覚: 1点。応援にいって、ビール飲んだり、なんか食べたりすれば、ここの点数もあがるのかも。

今回は、近所のファミマでスポーツドリンクを買っただけだから、1点です。ここを上げるのは、連想・発想・想像力にかかってくるのでしょう。

 

嗅覚: 2点。風の匂いと、水の匂いを感じます。なぜか、どこかからラーメンの匂いがしてきたのは、ナイショです。

 

連想力: ◯点。個人の努力にかかっていますね。味覚や嗅覚を補う発想が、できるといいのですが・・・。いっそ、視覚・聴覚を伸ばしまくる、という手もあるのかも・・・。いずれにしても、取り合わせるものによって、六角形グラフは大きく形を変えそうな予感がします。

 

さあて、句を作るぞー・・・・明日から。