久々にブログを書こうかなぁと思っていると、
思いの外ネタが溜まりすぎて何から書けばいいのやら。。。
そもそもネトゲすらやらなくなり、長時間のタイピングが耐えられなくなってきまして
余計ブログから離れていってますね。。。
そんなこんなで、とりあえずつい先日のネタから。
自分はもっぱら現行管を使う傾向があるわけですが。。。
やっぱりなんでも一周すると寄り道ってしたくなるじゃないですか?
そんなわけでこっそりビンテージな真空管も集めているわけです。
そんな中でも自分とは腐れ縁のある球があります。
それがこちらの球、通(変態)な方なら一発で分かるでしょう。
これを見て古いECC81/12AT7と答えた人はある意味正常です。
ブログタイトルにもなっていますが、これがRFT製ECC83です!
ECC81/12AT7と同じシングルフランジプレートなECC83なのですが、
プレートのサイド部分に丸穴が3つ縦にはいっているのが特徴的です。
電極の支柱はそれぞれニッケルメッキ?のもので、
すらっとした細身の真空管なのですが、頭頂部の普通の球よりもフラットな感じです
無駄に着飾る感じなく、無骨で質実剛健なこの姿はドイツ製の佇まいです
自分とこの球の出会いは中学時代の頃です
自宅の開かずの間を開けてみたところ、無骨な機械と一緒にこの真空管が出てきました
その中の一つがこの球で、無骨な機械は親父が20代の頃に自作したパワーアンプでした
見つけるやいなや、お高い真空管アンプを使えるじゃないか!とその後使い続けていましたが、
設計技術を身に着けていく度にどうもこの球の素性が気になりました。
ギターアンプ好きな人には興味ないでしょうが、出力の球はRCA2A3を使用していたので、
わざわざこんなドライブ能力と直線性の悪い球を使わないだろうなと思い、
回路仕様ですが、低電流駆動の球なわけですよ
親父からも「12AX7を買ったんだよなぁ~」との言葉から、
調べていくうちにこの球がRFTというメーカーのものであるということがわかりました。
RFTは東ドイツの電子部品メーカーで、
一般的にドイツ製で有名なメーカーはSiemensやTelefunkenなわけですが
後に国有企業であるRFTは成長して、数々の真空管メーカーにOEMで供給していたそうな。
TESLAをはじめ、RWNやFunkwerk、ERA等など様々な欧州メーカーから発売されていました。
普通のECC83/12AX7と風変わりで、異質な雰囲気を醸し出すこの球が好きになり
その後も探したのですが、国内ではあまり流通することがなかったようで
外国の機器から取り外した中古品がほとんどのため、なかなか巡り合うことが出来ませんでした
その後、高校時代にジナパパさんから72年製1987を譲ってもらうわけですが
あとから気づいてびっくり、なんと1987にもRFTのECC83が刺さっているではないですか!
この時は結構嬉しかったですねえ。。。。
ただこの時パワー管がMarshall刻印付きのEL34だったのですが、
電極構造はやはりドイツ系のTelefunkenのような作りでした。(というか多分ソレ)
その様子から印字はないもののMarshallの当時の純正管もドイツ系のRFTを使っていたのか!?
と思いながらも、、、、
これまた数年経った今になり、いつものごとくヤフオクを見ていると
70年代製のMarshall純正プリ管が出品されていまして、
ちらっと見てみるときれいな印字に、シングルフランジプレート!!!!
見慣れたドングリのようなこじんまりとした可愛らしいRFT製そのものでした!
ほぼ新品とのことで、写真通り印字も非常にきれいなためうっかり落札してしまいました。
70年あたりのMarshall純正管はやはりRFT製だったのですねえ。。。。
それとちょっとレアなことが発覚。
プレートの表面にザラザラとしたプレス模様が入ってます!
後年の仕様なのかな?でも個人的にこの仕様は始めてみました。
あら。。。ちょっと中の人が写り込んでますね・・・
さて、このRFTのECC83の音はどんなもんかといいますと、
私見ですが、ややハイレンジがスポイルされ耳に痛い部分が
ごっそりフィルタされる感覚がありますが、ハイミッドのスピード感は並程度にありますし
音の重心がミッド~ローミッドによっているので、
ローミッドの粘りがつよいためフロントPUの粘りと量感はかなりありまして、
かつリアPUではハイミッドからミッドが主体になるので、
粒立ちもジューシーでブワッとしたコードの気持ちよさがあります。
クリーンでもローファットな感触が気持ちあるもののぼやけることはなく、
ハイミッド~ミッドの存在感があるためドンシャリにはならず、本当にメロウなタッチ感です。
普通のビンテージ管は単にゲインが足りないようなポンコツな音がすることが度々ありますが、
これはなんとも独特な音色なのに、しっかりとしたゲインとヨーロピアンなリッチさがあります。
ビンテージマーシャルオーナーでしたら、
一度は一式古いものであわせてみるのも面白いかもしれないですね!
そうそう、1987についていた純正EL34ですが、70年台に入るとRFTがEL34の生産を拡大するそうな
電極構造も同年のSiemensとほぼ同じだったため、
EL34もまたRFT製はほぼ確実かな~と言ったところです。
まあ、ご参考までにどうぞ~