こんにちは!社会保険労務士の鈴置です。
先日、愛知女性活躍推進シンポジウムが豊田市で行われ、株式会社ワークライフバランスの小室淑恵さんによる基調講演を聞いてきました。
行政にかかわる方や、働き方改革を推進する企業様、私のような社会保険労務士にとっては、超有名人です!
長男出産後、三週間で株式会社ワークバランスを創業し、国会での答弁、TEDでの講演など、八面六臂のご活躍、なのにお子さんのお迎えがあるため時間制約つきで社長業を行っている、という方で、お話はもちろんとても上手で、引き込まれる話ぶりでした!
それでこんな場でいうのも何なのですが、私は女性活躍とか、ダイバーシティ(多様性)とか、今いちピンと来ていないところがありまして…
なのですが、先日のお話で腑に落ちたことがあったので、ここに書きます。
まず、日本は過去に人口ボーナス期を経験した。人口ボーナス期とは、労働力人口が高く、安い労働力を武器に大量の仕事を受注する、高齢者が少ないので、社会保障費が少なく、爆発的な経済発展をする時期です。
中国はもう終わりそうで、韓国、シンガポール、タイ、インドなどは今がボーナス期です。
この時期には人件費が上昇し、少子化が進みます。
しかし日本は人口オーナス期に突入しました。人口オーナス期とは、労働力人口が減少し、高齢化の進行で社会保障制度の維持が困難になる時期です。
日本はボーナス期に少子化対策に失敗しており、主要国で最も早く少子高齢化が進行しました。
また、ボーナス期は終わると二度と来ません。
人口構造の変化が、経済発展のルールを変えてしまいました。
人口ボーナス期には、
なるべく男性が働き(力仕事多)、
なるべく長時間働き(安く大量に)、
なるべく同じ条件の人を揃える(均一なものを市場に提供できれば良い、労働力は余っているので一定条件で足切り)
というルールだったものが、
人口オーナス期には、
なるべく男女ともに働き(頭脳労働も多、労働力不足)、
なるべく短時間で働き(時間単価が高騰、ミスなく質の高い仕事をするため)、
なるべく違う条件の人を揃える(均一なものは飽きられており、イノベーションが必要。多様な人材がフラットに議論できてはじめてイノベーションが生まれる)
というルールに変わりました。
人口オーナス期のポイントとしては、
労働参画できていない人をどれだけ参画させられるか(女性、障害者、介護者など)
少子化対策に有効な手段をどれだけ打てるか(未来の労働力確保)
ここまで来て、そういうことかと。
女性活躍やダイバーシティというのは、仕事のやりがいとか、生きがいとか、のほうに勝手にカテゴライズしていたのですが、
これは人口構造に起因する由々しき問題なんだなと、
日本が過去の成功体験と決別し、オーナス期に適応していかないと、国も企業もやばいというのが、ようやく腑に落ちたというか…
女性活躍やダイバーシティってそういう問題だったんだなと…勉強不足でした…
そういうわけでとても感銘を受けたのですが、客席はけっこうざわついてました。男性育休とか短時間勤務とか、の話になると、
「代替要員がいればいいけど…」
「本人も周りに手伝ってもらってるのわかってるでしょ」
などなど。
すごく分かるけど、生き残りをかけた問題であるだけに、そんなこと言ってられないのでは、すでに…。
自分には、何ができるか、できそうなことがある気がします!
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