ショパンコンクールの本選一次、なかなか視聴が追いつかず、アーカイブで少しずつ楽しんでいます。

夢の中でもショパンが流れるくらい、めちゃくちゃ楽しませてもらってます笑。

 

ポーランドのMarcin Wieczorekさんの演奏が興味深かった。

こないだ書いたような、私の好きなポーランドの方の繊細な演奏とはまた違うのだけど、

「エチュードって練習曲でしょ?じゃあ、それでいいじゃん。」と言わんばかりの練習曲っぽい演奏。

かと思うと感情豊かな曲は少しはみ出してしまうような、ミスを怖がらない思い切りの良さ。

雑という批評もあるけど、確かにそうとも言えるけど、いやいや、いいじゃん!

存在感あるし、自分がある。

この在り方は好きです。

 

ショパンというと、丁寧に弾こうと思うがゆえに演歌みたいになっちゃう人も多い気がするのだけど、(演歌の悪口じゃないですよ。ショパンは演歌ではないってこと。)この方の演奏は私のそのモヤモヤしてた部分を吹き飛ばしてくれた。

これこれ!って感じ。

音に迷いがない。

 

ガンガンいって休符を潰しちゃってるじゃん!という批評も目にしたけど、休符って本人の感じ方だから全然良いと思うんですよね。

「休符を感じてるように感じられない」ということもあるだろうから、判断が難しいけれど、「休符を潰しちゃってる」と決めつけることはできないはず。

 

今回初のカーテンコールだったそうで。

会場で聴いたらまたさらに感じることがあったんでしょうね。

審査はほんと、審査員によるからわからないけど、残って欲しいな。

 

 

全部視聴する時間はなかなか取れないので、ポーランドの方のを中心に観てますが…

ちょっとした瞬間に、体に染み付いた伝統的なポーランドのリズムみたいなものを感じる。

 

ピアノって、とりあえず叩けば音が出るし、同じように音が減衰する。力があれば強い音が出るってわけでもない。

だから主に差を感じるのって、〝間〟からなんじゃないかと思うんです。

 

音の解釈や、こだわり、リズム…

間から伝わること。

特にハイレベルになると、そこなんじゃないかなー、と。

 

 

ところで、男性の方が有利なのでは、という話を聞きます。

確かに、聴き比べると男女差ってあると思う。

でも、それが〝力強さ〟だと言ってしまうのは乱暴な気がします。

力士が叩いたから強い音が出るわけじゃないし。

 

でも男女で筋力の差があることは確か。

そして人により、筋肉の質の違いもある。

きっと、主に瞬発力の差が出るんじゃないかと思うんです。

音のキレとか、そういうところかな。

 

瞬発力を鍛えるべく、格闘技のトレーニングを意識して取り入れてる女性ピアニストとかいないのかな?

古武術を学んでいる人は結構いると思うのだけど、もっと〝ザ・速筋〟みたいなやつ。

どんな演奏家になっていくのか追ってみたいです。

 

ちょっと話が逸れるけど、私も瞬発力を鍛える大事さを感じて…

というのは後付けで、思いつきで5年前に突然クラヴマガ(軍隊格闘術)を始めましたが、身体的な面だけでなくひらめき力もアップするし、とても良かった。

作詞は特に、ひらめき力がとっても大事ですから!

流れてゆく曲を聴いて、瞬間瞬間にある、とどまらないイメージや感情を言語化してゆく。

これもまさに瞬発力だと思うんです。

 

確か、今回出場している反田恭平さんも、留学先のロシアでサンドバッグ殴ってるところをテレビでやってませんでしたっけ?単に運動かストレス発散だったかもしれないけど。

 

ピアニストが格闘技なんて、手を怪我したらどうするの?と心配されそうだけど、普通は手の甲側が擦り剥けるくらいだから、突き指しやすい球技とかよりよっぽど良いと、個人的には思っています。

 

 

また、ピアノは、上半身を武術と同じくらい使っていると聞いたことがあります。

体を上手に使ってる、使ってないは人それぞれとして…。

一日に何時間も練習する人の多い音大の近くには、ケアするためのクリニックが昔から多いとも。

どうだったかな?

私はそんな練習したことないので覚えていないけど(^^;;

 

もしケアを何もしなければ、演奏も、演奏家としての持久力にも問題が出てくるのではないでしょうか。

クリニックに行く以前に、質の良いトレーニングを普段から取り入れるのが良いですよね、きっと。

トレーニングやコンディショニング、みんなしてるのかなあ?気になる。

 

 

さて、ショパンコンクールは、各出場者の選曲がまた楽しみです。

傾向として、日本人男性ピアニストの選曲には並並ならぬ策略を感じます笑。

何も感じないなら問題ないのだけど、私でも気になってしまうということは、ちょっと策士としてはどう?!

コンクールだから策略はあって当然だけど、それを超えて包み込む愛と純粋性が欲しい、とか思っちゃいます。

私の勝手な感覚ですが。

 

 

個人的に、高校生の時にピアノの発表会で弾いた『幻想曲(Fantasie)』を選んでいるピアニストが思いの外多くて、嬉しくなっちゃいます。

15分近くあるこの曲を、よく当時暗譜できたな…と思う。

初めて自分で好きに選んでいいよと言われて選んだ曲だったんです。

渋いの選ぶね!と先生に言われました。

ショパンはもっと華やかな曲がたくさんあるし、高校生だったのにね。

でも、とても展開が美しくドラマティックで、今でも特別に好きな曲です。

 

まだ聴いたことない方は、ぜひ一度聴いてみてください♫

 

 

今日で本選一次が終わるんですね。

配信で観れるなんて、本当に贅沢。この後も楽しみです。

どの出場者の方も、無事に自分らしく演奏を出し切ることができますように、心からお祈りしています。

 

 

オマケ☆

手がめちゃめちゃ大きい私。

ドから上のファまで届くので、よく驚かれます。

リストとか、手の大きい作曲家の曲を弾くには便利だったけど笑

音楽性にはあまり関係ないですね。