往復書簡1
~あなたへ~
お元気ですか?
あれから、もうすぐ2ヶ月が過ぎようとしています
現実であったのにもかかわらず、
時間が経つにつれ
「あれは幻だったのかもしれない」という不安な思いにかられています
あなたに逢う初めての日の朝
空港に向かう地下鉄の中で、
わたしの心臓の高鳴り
そのときの想いは今でも忘ることができません
あなたに逢いたい、
けれど、、、
不安、、、
結局は、
あなたに逢いたいという
自分の正直な心に従ったのですが
空港の待ち合わせ場所から、
あなたはメールをくれました
「今、着いたよ!待っている」
私もちょうど、
同じ時間、
「少し、遅れます。あと、5分です」とメールをしていました
あのときの5分が、
あんなに長く感じられたことは
ありませんでした
結局、わたしは待ち合わせ場所とは
違う所に向かっていたのだけれど、、、クスッ
携帯電話で
『私も今、着きました。
あなたは、いまどこにいるの?』
との問いに
あなたは
『第1ターミナルのカウンター近くだよ』
『え?第1ターミナル?』
その時、私は第2ターミナルに立っていたのでした
私って、ドジですよね。。。
私は走りました
あなたに早く逢いたい一心で、、、
あなたも空港の外へと走ってくれて、
お互いに、
まだ見ぬ姿を捜していましたね
携帯から流れるあなたの声、
あなたの元に確実に近付いているのだけれど
なぜか、
遠くに感じていました
行き交う人々に中に
あなたの姿を見つけようと私は必死でした
柱のたもとに、あなたらしき姿を見つけた時、
安堵とともに、不安がよぎっていました
「このひとなのかしら、、、」
でも、あなたは小さく手を振ってくれましたね
私が不安げに近づくと、
優しい声で
『はじめまして、、、やっと逢えたね!』
私は、思わずしどろもどろになり、
『えぇ、はじめまして、、、』
と、うつむいてしまいました
だって、ホームページのなかの写真のあなたと
目の前のあなたはとっても印象が違っていたんだもの、、、
私の前にいるあなたは、目がぱっちりしてそして、まつげが長かった
(写真の中のあなたは、いつも眩しそうに目を細めていたから、、笑)
あなたは白いトレンチコートを
颯爽と着こなし、
思った以上に
背が高いひとだなぁ~と感じていました
それから、ふたりは地下鉄に乗り、
あなたにとって未知の
わたしの街にたどり着きました
歩きながら、
いまがほんとに
現実のことなのか、
戸惑いながら歩き出していた
大きな交差点で、
あなたはふと、
不意に私に手を差し出した
『今、ぼくは知らない街を君とこうして歩いている。
肩を寄せあって歩いているだけでは、二人の距離は縮まらない。
手をつなごう。。。』
少し、気障な台詞だった、、、
はにかみながらも、
私は手を差し出しました
あたたかな、あなたのおおきな手の中に、、、
それから、
行くあてもなく、
ふたりで、この街を歩きましたね
ずっと、手を繋ぎながら、、、
何を話していいのか、とまどっている私に、
あなたは、いろいろと話しかけてくれた
仕事のこと、東京での出来事
でも、
あなたもはじめて会う私に
きっと戸惑いを感じていたのかもしれません
・
・
お昼に入ったお店では、
あなたは軽い食事をしたけれど、
わたしはミルクティだけ
だって、
あなたを目の前にして
とても胸が苦しくて、
空腹感を覚えなかったんですもの
(家に着いたときはお腹がペコペコでしたが、、、笑)
・
・
でも、許された時間は過ぎていきました
16:00
約束のお別れの時間
時間がこんなにも早く過ぎていくなんて、、、
長くもあり、
そして、短かく感じた一瞬の出来事のようでした
別れる前に入ったカフェを覚えていますか?
道行く人々を眺めながら、
私は苦手な珈琲を呑んでいました
あの時の珈琲の味、今でも忘れません
甘い時間のなか、
少しだけほろ苦く感じたのは
私だけだったのでしょうか
空港まで、あなたを送っていきたかったけれど、、、
きっと、泣いてしまったでしょう
別れるのがつらくて、、、
駅のホームで、
あなたと別れることにしましたね
見つめあったままの長い沈黙
どちらともなく、
ふたりの距離が縮まってゆく
あなたのくちびるを感じました
そっと、、、お別れのキス
あなたのくちびるのやわらかさ
ぬくもり
そして、あなたの愛を
いいえ、
お別れのキスでなく、
始まりのキスと思いたい
あなたを乗せた飛行機がゆっくりと、
飛び立つとき、
わたしは、あなたと過ごした時間を振り返りながら、、、
車窓から見送っていました
いま、
私はあなたと歩いたこの街を
離れようとしています
「想い出」という言葉は好きではないけれど、
あの日のことは決して忘れることはないですかでしょう
最初で最後の出会いではなく、
いつか、もう一度、あなたに逢えることを
夢見ています
もう一度、あなたのぬくもりを感じてみたい
もう一度、あなたに逢いたい、、、
それは、わたしのわがままなのでしょうか、、、
あなたへ
