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今一番興味のある映画「アルゴ」をついに観てきた。


1979年に発生したイランアメリカ大使館人質事件を描いたストーリー。


今年面白かった映画ベスト3は、、「最高の二人」「マーガレット・サッチャー」そして、、この「アルゴ」。


ちょうどイランに行ってきたばかりの私にはイラン革命の時代を忠実に再現したこの映画に対して興味があったのはもちろんだが、イランに興味がなくても面白い映画。


映画好きな私は特に実話に基づいた作品がとても好きで今年のベスト3も全てノンフィクション作品だ。


イラン革命に巻き込まれたイランの米大使館員達を国外脱出させるために、CIAが偽SF映画のクルーにでっち上げて行われた極秘作戦の全貌を映画化した。


偽SF映画は嘘っぱちなのでかなり安っぽいが本編はかなり忠実に当時のイランの様子を再現していて、そのリアル感ゆえにどんどんストーリーに引き込まれていく。


ベン・アフレックが監督・主演をしているがCIAらしい感情を抑えた演技が渋く、脇を固める俳優さんたちは皆、当時実在した人物とそっくり。(ベンの無駄に胸毛をアピールしているシーンはいらなかった。笑)


現地の人々の刺すような視線、クレーンで吊るされた首吊り死体、暴徒と化したデモ集団、、現在のイランとは比べ物にならないぐらい恐ろしい光景が飛び込んでくる。


これが私が美しいと感じたイランと同じ場所なのか?と考えたくもないくらい恐ろしい場所に見えた。


もちろん、アメリカ映画なのでアメリカ人の視点から完全に描かれているのだが、自分は正義の為に闘っていると信じる人間が集団になるというのは本当に恐ろしい。


これはどこの国のどんな人種にも起こりうることなのかもしれない。


中東=アラブ人というイメージだが正確にはそうでない人種もたくさんいる。


イランはペルシア人だし、イスラエルはユダヤ人が人口の多くを占めている。


パーレビ(パフラヴィー国王)が推し進める西欧化と反体制派の押すイスラム教シーア派の法学者ホメイニー氏との対立により、パーレビがエジプトに亡命し、後に癌の治療という名目でアメリカに入国(事実上の亡命)を果たす。


パーレビの身柄引き渡しを要求して、イランのアメリカ大使館は占拠され、52人の人質をとった。後にカーター大統領が退任するまで444日ぶりに人質が解放されるが、この映画ではカナダ大使館に身を隠した6人のアメリカ人外交官と、彼らの国外脱出の為に任務を受けたCIA工作員(ベン・アフレック)に焦点が当てられている。


とにかく息もつかせない展開の連続に最後までハラハラさせられっぱなし。特に最後の出国シーン、、手に汗握るスリリングさでやばかった。。


言葉が通じない恐ろしさが一番怖い。


私も91カ国訪れた中で、何も悪いことしてないのにすごく入出国でハラハラドキドキした経験が結構ある。


ニュージーランドではパンツ2枚しか持ってないことを理由に別室に連れて行かれ、2時間取調べを受けるし、、


イスラエルでは女スパイと疑えわれて長時間荷物調べられて、、パソコンを壊され、、


イランでは日本出国時に「イスラエルスタンプがあると入国できない可能性があるため搭乗できません」と言われ、まさかの搭乗拒否。


結局イラン政府に460万円罰金を払うかもしれないという書類にサインをすれば乗せることができると言われ、「そんなアホな…」とビクビクしながらサインをして搭乗。


よく外務省のHPなど下調べもして、イラン大使館であらかじめビザをもらっていたから自信を持って入国しようとするも、、周囲の人にコソッと聞いてみると「100㌫入国できないよ。入国拒否だね。。」との回答。


がっかりしているところに居合わせた韓国人曰く、「君は単なる観光に来た日本人、ぜんぜん問題ないよ!」


とのこと、ドキマギしていると「ウェルカム トゥ イラン!」


入国スタンプを押しながらナイススマイルで微笑む入国審査官の顔が天使に見えたものだ。


私たちが思い描いているイラン、そして中東は、一部のメディアや映画によるイメージがほとんど。


対立する国同士もお互い、いかにメディアに振り回されていることか。。


偏った報道しかしないのはお互い様なんだけど、もう少し公平に物事を捉えて淡々と捻じ曲げることなく報道する中立的立場のメディアが存在してもよいと思うんだけどなあ。


「宇宙ステーション」ってタイトルで地球の出来事を淡々と伝える報道番組を宇宙人が放送してたら面白いのに。笑


イラン入国の際にはパソコンにある全ての女性の写真を消去した。。


水着はもちろん、ミニスカートをはいている写真も全て削除。


ポルノと間違われて拘留されたら…なんて万が一のことも考えてのこと。


イランのお友達にそれら一連のことを話したら笑われてしまった。


「ほとんどの国の人がイランという国を大きく誤解しているよ。」


確かに、、このアルゴっていう映画も面白いけど思いっきりイランの人々が悪者に見えちゃうし。


そう考えると、世界の映画、報道の中心はやはりアメリカで考え方がアメリカよりになるのは脳の構造上どうしようもないわけで、、


アルジャジーラを毎日見ていると、その報道通りの脳になるし、北朝鮮の報道を毎日見るとまたその通りの考え方になる。


メディアって簡単に人の脳を操作できるものなのかもしれない。


どこの国だって自国のことを有利にしか報道しないしね。


他人の悪口は平気で言えちゃうものだけど、血のつながる家族には無条件に何したって応援したくなるし、守ってあげたくなるもの。


そう考えると、人と人との争い、民族間の対立って、私たちが普段何気なくしている意見の対立や喧嘩が大きくなったものなんだよね。


「アルゴ」を観て、今度はイランが作った映画も観たくなった。


どんな視点で作られているんだろう?


とにかく、「アルゴ」、おすすめ映画です♪


個人的には偽SF映画がなんちゃってスターウォーズみたいでシリアスな展開にも関わらず、そこだけヤケに笑えました。(笑)


「007」や「レ・ミゼラブル」も公開が楽しみだな~!


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