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インドおじさんとディナーを食べてテルミニ駅でお別れしようと思ったとき、、


ポケットに入れたはずのiPhoneがないことに気がついた。


慌ててバッグを探してみるものの、やっぱりない!


確かレストランを出るときに何度も忘れ物がないか確かめたのだが、、おかしいなあ。。


、、、、


疑っちゃいけないけど、以前フランスでこんなことがあった。


カフェの店内で仲良くなった現地人とお茶をしておしゃべりに夢中になっているときに、、なんとその仲良くなった現地人が私のバッグから貴重品を盗ろうとしたことがあったのだ。


当時はパリのちょっと治安の悪い地区に泊まっていたので結構警戒していた私はその現地人の落ち着きのなさが妙に気になった。


一見、高級なスーツを着ているが、どこか足元が汚れた靴を履いていたのも気になって仕方がなかった。


足元を見ればその人がどういう人物がよく分かると母から聞いたことがあった。


どんなに良いジャケットを着ていても足元がだらしなかったりボロボロの靴を履いている人というのはそれなりということ。そう肝に銘じていたのだ。


結局そのフランス人は何度も私のバッグから貴重品を盗ろうと試みるものの、私がギロリと眼光を光らせるのでその度に不必要な背伸びを繰り返してごまかしていた。


そして、もうこの娘からは何も盗れないと堪忍したフランス人は話を急に切り上げてそそくさと立ち去っていった。


おいおい、あんたのお茶代、、どうするんだよ~。


結局カフェの店員からも「あんたさっきまで仲良く話をしていたじゃないか?友達なんだろう?」と問い詰められてお茶代を払うハメになってしまった。


フランスにはこういった高級感の溢れるジャケットをはおり、隠れジプシーみたいな行動をして日々の生活を凌いでる人が結構いる。


スリが失敗しても友達のフリをしてタダでお茶を楽しむことはできるわけだ。


パリにはカフェが星の数ほどあるのでバレることはほぼない。


注文して最初に支払うタイプのカフェが多いから、そういう店ならそんな心配もないかも!?


と、いうわけでこの一件以来、出会う現地人をまるごと信用することはなくなった。


が、本心では信用したい。


誰でも疑ってみてはせっかくの旅が楽しくないもん。


現地人との思いがけない出会いや交流こそが旅の醍醐味なのだ。


素晴らしい景色や遺跡は戦争や環境破壊でもない限りいつでも見に行くことができる可能性がある。


でも人との出会いは一期一会。一秒でもタイミングがずれたら出会えるはずだった人との出会いそのものがなくなってしまう。


できれば、、このインドおじさんを信用したい。


でも、さっきまで持っていたiPhoneがインドおじさんとディナーに行ってからなくなってしまったのだ。


私は疑いたくないと思いつつも改めてインドおじさんの足元を見つめてしまった。


靴、、残念ながらボロボロである。


でも、きっとおじさんはインド製の靴しか履かないというポリシーを持っているのかもしれない。


イタリアに住んでまでイタリア料理を食べずに毎日インド料理を食べているほどなんだ。


きっと数年インドに帰る機会がなくて、新しいインド製の靴が買えないに違いない。


そして、おじさんの顔をマジマジと見てみた。


これは私の持論ではあるが、目が血走っている人はかなりの確率で悪巧みをしている可能性がこれまでの経験上高かった。


おじさん、、見事に目が血走りまくっている。。


でも、インド人の場合は例外だ。


インド人はかなりの確率で、たいがい目が血走っている。


次に目尻に注目してみた。


非常に、、目尻が下がっている。


こんなに目尻の下がっている人が悪いことをするはずがないってくらい垂れ下がっている。


人相の判断は直感が命。自分の心が素直に感じる直感こそが全てなのだ。


垂れた目尻を見ながら私は確信した。


“インドおじさんは悪い人ではない。”


おじさん疑ってごめんよ。。


やっぱりiPhoneをどこかで落としてしまったんだわ!


私は一目散にテルミニ駅からダッシュしてさっきまでいたレストランに走った。


「リエコ!ドコへイク!アブナイ!クルマクルマ!マッテ~!」


おじさんも必死に追いかけてくる。


おじさんはインド人にしては非常にフットワークが重く、私を見失ってしまった様子で「リエコ~!ドコ~!?」と叫ぶ声だけが聞こえている。


マッハでレストランに舞い戻った私は、『マイアイフォン~!』とインド人店員に泣きついた。


インド人店員はかなりびっくりした形相でなぜかオロオロとし、バツの悪そうな顔でポケットから私のiPhoneを取り出した。


まさか、このインド人店員。。


いやいや、私がトイレかテーブルにきっと忘れただけなんだろう。


でもそれならなんでポケットに入ってるの?しかもなぜにオロオロしてるの?


きっと、マイナスなことを想定したとしても、、持ち主が帰ってこなければ自分のものにしちゃおうと思ったくらいなんだろう。


でも私が戻ってきてすぐにiPhoneをポケットから取り出すインド人店員の素直さがとてつもなく嬉しかった。


なんだかんだ言ってインド人はやっぱり憎めない。


一つあえて言わせてもらうなら、サラダにはバルサミコソースぐらいはかけて欲しかった。


バルサミコがなければソルトでも良かったのに。。


落し物や忘れ物が戻ってくるのは日本ぐらい。


他の国ではほぼ99%出てこない。


私は以前引ったくりで一文無しになったこの国で、、あろうことろか忘れ物が自分の手に戻ったことに妙に感激してしまった。


1%の奇跡が起こった気分だ。


インド人店員に丁重にお礼を言ってお店を出ると、お腹のお肉をたぷんたぷん揺らしながらインドおじさんが到着した。


「リエコ、アシハヤイネ!」


おじさん、足すっごく遅いよ。。インドじゃ牛に轢かれるよ。。。


心の中だけでそうつぶやき、iPhoneを片手に再びテルミニ駅に歩き出した。
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そして、テルミニ駅に戻り再度インドおじさんにお別れの挨拶をした。


iPhoneも無事見つかってめでたしめでたし。


あとは明日の便でマルタに飛ぶだけだ。


「おじさん、ありがとう。バイバイ!」


ここからおじさんの信じられない説法が始まるとはまだ思っていないテルミニ駅の午後9時であった。


つづく


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