『マタ・ハリ』のこと~中止について | 鷹野梨恵子が時々思い出したかのように更新するブログ。

鷹野梨恵子が時々思い出したかのように更新するブログ。

告知。観たもの、出会ったもの、など。
Photo by Akitoshi Takano

ミュージカル『マタ・ハリ』、東京・愛知・大阪と、たくさんの方に愛していただきました。
本当にありがとうございました。

そして、7月19日と20日の公演を楽しみにしてくださっていた皆様。

本当に心苦しく思っております。

 

2021年6月15日に東京・池袋Brilliaホールで開幕しましたミュージカル『マタ・ハリ』は、

2021年7月18日、大阪・梅田芸術劇場の公演を以て終演いたしました。

 

18日の本番後、共演者やスタッフさん達と、当然明日も会えると思って、そのことを疑わず、

「お疲れ様でした~」と、それぞれ帰っていったのでした。

それでお風呂に入って、アルマン役の東さんと三浦さんの可愛いインスタライブを見て、

三浦さんの「明日で終わりだ~」とか、東さんの「明後日までよろしく」という言葉に

“そうか、もう終わりなのかぁ”と、ここまでの長い道のりを思い返したりしていました。

 

2回公演が2日続いて、翌日も2回公演だったからそれに備えて早めに床について。

寝て起きたら状況が一変していました。その連絡が入っていた。

 

「「「世界は続いてゆく 戦争のまま 狂ったまま」」」

「「「ああ、死ぬまであなたを忘れない」」」

というフレーズがすぐに頭をよぎりました。

 

でも涙は出ない。なにも感じられない。だって理解ができてないんだもの。

母親の余命宣告をされた時と同じ。言葉の意味はわかって、理解もできてるはずなのに、

理解してないと、理解したくないと、私の中心部分が頑なに拒否を続ける。

 

時間が経って、キャストのLINEで優しくて温かい言葉が飛び交う。

その日の朝に撮影した美しい空の写真を送り合う。

それぞれの部屋から同じ空を見上げて、みんなで希望を見つける。
日没の頃、一部のキャストはZOOMで集まり、みんなで同じ夕焼けを見たり。

そんな時間に救われていました。

 

公演を楽しみにしてくださっていたお客様のことを思うと胸が張り裂けそうにもなりました。

私個人のお客様も、19日と20日とそれぞれ楽しみにしてくださっていた方がいらしたから、

その方々にご覧いただけないことが本当に残念でした。

でも、石丸さんがTwitterに書いてくださった、

『すでに未来を見つめている出演者たちは、様々な作品で皆様をまた劇場にお誘いすることでしょう。』

という言葉に、希望を見い出していただけたら・・・・。


元気でいましょう。
観劇が楽しみな皆様も、パフォーマーの私達も、その場を創ってくださるクリエイターの皆様も。

元気でいれば、また作品は創り出せるし、新しい観劇体験とも出会える。

もう、我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢な日々だけど、

見過ごしていた些細な部分にある幸せ・・・・

家族と談笑するとか、誰かと一緒に美味しいものを食べるとか、

小説や漫画、または映画やドラマでも、新たに面白い作品に出会うとか、

酷暑の中でも一瞬感じる良い風を全身に受けるとか、、、

少しの間、スマホから手を放して少しでも心穏やかに、笑顔になれるきっかけを逃さなければ

ちょっと元気になれるはず。それを積み重ねれば、もっと元気になれるはず。

とにかく、元気でいさえすれば!!

 

マタ・ハリメンバーと笑顔で再会できますように。
3公演で出会うはずだったお客様に、その先で出会えますように。

 

 

C’est la vie、人生そんなもの

笑って 明日へ。