Someone to watch over me ~優しき伴侶を~ | 美肌ジャズタイム

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『ジャズをもっと身近に』をモットーに、歌とフルートで活動している日本の女性ジャズ歌手若生りえのブログ。ジャズの歌詞について語っています。

電球ここでの解釈は、私、若生りえがあくまでも歌手として歌わせて頂く際の、一つの歌詞の世界であり「こんな気持ちで歌わせて頂いております」という一つの意思表示です。この世界の認識を押し付けたりするものでもありません。あくまでもご参考までに。また文章をお使いになる場合はお手数ですが、ひと言ブログへコメント頂ければ幸いですSAYUうふふ

SOMEONE TO WATCH OVER ME
作詞/アイラ・ガーシュウィン Ira Gershwin
作曲/ジョージ・ガーシウィン George Gershwin
1926年

【二人のガーシュイン。ガーシュイン兄弟について。】

『優しき伴侶を』、『誰かが私を見つめてる』、『誰かが優しく見つめてる』などの邦題でもおなじみのこの曲。

ガーシュウィンというのは実は兄弟で、作曲はジョージが、作詞がアイラが書いて、多くの名作を残しています。

一般的にガーシュインというと、『ラプソディ・イン・ブルー』や『パリのアメリカ人』などを作曲した弟のジョージ・ガーシュインを指すことが多いです。

兄のアイラは、昔から学生新聞などを書いたり読書をしたりするのが好きで、親がピアノを買ってきても、興味を示さず、文芸のほうが好きだったようで、作詞の分野でその力を大いに発揮しました。

この曲は1926年のミュージカル『Oh,Kay!』に使われたそうです。

それにしても今では当たり前のように『バラードの名曲』として演奏・歌われることが多いこの曲ですが、最初はテンポが速い曲だったんですってビックリ!

それをある日、ジョージが何となくゆっくりしたテンポで弾いたところ、「これは恋の物思いにふける温かい曲でなければならない!」と二人でハッと気づいて、バラードに仕上げられたんだとか。

そして、エピソードがもう一つ。

兄弟で、このミュージカルのスコアを半分くらい書いた頃の早朝に、突然アイラが盲腸炎にかかり、6週間も入院しなくてはいけなくなり、仕事が大幅に遅れてしまったそうです。

しかしそんな時、アイラの友人で、私もよくレパートリーとして歌わせていただくのですが、『You and the night and the music~あなたと夜と音楽と~』などの作詞をした、こちらも名作詞家の『ハワード・ディーツ』という人が仕事を手伝ってくれたのだとか。

そしてこの曲のタイトルは、そんな時にディーツが題名をいくつか考えてあげて、その中からアイラが気に入って、『SOMEONE TO WATCH OVER ME』に決まったんですって!

【ガーシュウィン兄弟の作品中、CM使用率が高い曲】

また、そのドラマティックな出だしのメロディーと、タイトルにも使われている『Watch』という単語が、じっと見ている、見守る、などの意味もあることから、CMに使われる率が非常に高い曲でもあります。

『優しき伴侶を』と、今は普段あまり使わない『伴侶』という言葉ではありますが、歌詞の通り、人生のパートナーにめぐり合いたい、という気持ちを描いているせいか、新婚さんを意識した?新築マンションのCMに使われています。

あとは「セコ◎してますか?」でおなじみのホームセキュリティのCMでは、タイトルの中にある『Watch』という単語の意味に、見守る』、のほかに、『監視する』『見張る』、などの意味も持っているため、そこに引っ掛けて、この曲が使われています。

しかし、こういった類のロマンティックな歌詞を批判する専門家もいたようで、

『夢のような女性や男性を見つけることは、
単に、たくさんの問題が始まったことを意味するに過ぎないのだが、そう示すものは歌の中にはなく、むしろ結婚は、全ての問題を解決したことになるのだ』

と語ったそうですゲ

そうかもしれないけど(笑)それじゃあ夢がないとほほ

もちろん、現実を描いた詩に心を打たれることもあれば、その曲を聴いている間はどこか夢の世界に連れて行ってくれるような気分にしてくれる曲もあって、この曲は後者のほうだと思うのですが、世の中には色んな曲があって、その都度、自分で選択して、勇気をもらったりできるから、だから、音楽はいいんじゃないのっ!

って思ってしまいましたちゅ

それでは歌っていない歌手はいないのではないか、というスタンダード中のスタンダード、『Someone to watch over me ~優しき伴侶を~』ですWハートSAYU愛Wハート

エラ・フィッツジェラルドはヴァースから歌っています。

歌詞をヴァースからどうぞぱちぱち

【英語歌詞】
(VERSE) 
There’s an saying old says that love is blind
Still, we’re often told “Seek and ye shall find”
So I’m going to seek a certain lad I’ve had in mind
Looking everywhere, haven’t found him yet
He’s the big affair I cannot forget
I’d like to add his initial to my monogram
Tell me, where is the shepherd for this lost lamb?

(CHORUS)
There’s a somebody I’m longing to see
I hope that he turns out to be
Someone who’ll watch over me
I’m a little lamb who’s lost in the wood
I know I could always be good
To one who’ll watch over me

Although he may not be a man some
Girls think of as handsome
To my heart he’s carry the key

Won’t you tell him, 
Please to put on some speed,follow my lead?
Oh how I need someone to watch over me!



(ヴァース)

昔から『恋は盲目』だなんて言葉があるけど

でも『汝、求めよ、さらば与えられん』という言葉もあるし
それなら私、思い描いてきたような運命の人をさがしてみるわ

でもね、あちこちをさがしているんだけど
まだそんな人をみつけられないの

でもね・・・、そんな素敵な人と出会えたなら
きっと一生忘れられないほどの大恋愛になるわ!

そして結婚して
彼の苗字に、私の名前が付け加えられたらいいな・・・
ねぇ、誰か教えて!
この私という迷える子羊の
羊飼いさんはどこにいるの?

(コーラス)

ずっと会いたいと思っている人がいるの
その人はいつも私を見守ってくれる人だといいな
私は森の中で迷子になった子羊なの
でも私を見守ってくれる人が現れたら
私はその人の前だったらいつだっていい子でいられるわ

でももしかしたら、その人は女の子たちに
もてるようなハンサムじゃないかもしれないけど
でも、きっと
彼こそが私の心のカギを開けてくれる人なのよ

だから、ねぇ?
誰か彼に伝えて!
もっとスピードを上げて私を追いかけてきてって!
そして早く、私の前に現れてって!
あぁ、こんなにも必要としているのよ
いつも私を見守ってくれる、そんな人を・・・