前回のあらすじ:カッパ、振られた相手にフォローさせる
Kへの片想いが見事に砕け散った私ですが、その後はというと、かえってよく話すようになりました。気を遣ってくれたのも多少はあるかもしれませんが、それでも前よりざっくばらんに話せるようになったのです。まぁ自分としては、もう失うものは何もなかったから、気楽に話せたという部分も大きかったのかと思います。
たまに胸がチクッとするような時もありましたが、そこは中学生。私は他の女の子に少し目を向けるようになったり、KはKでバレンタインに告白してTと付き合ったり(でも、すぐに別れてしまった。Tから別れを告げたのだが、この時、私は本当にTをブッ飛ばしてやりたかった。)、その後、同じクラスの私の友達に告白されて付き合ったり(Kは本当にモテた)、でもやっぱり数ヶ月で別れたりと、お互いに違う所で色恋に心揺さぶられたり、部活に精を出したりして、日々を過ごしていました。
そうして、三年生に進級した6月のことでした。うちのクラスは大体二ヶ月に一回、厳正なくじ引きのもと、席替えをすることになっています。クラスに苦手な人というのはそこまでいなかったので、私はただひたすら、「ベランダ側の最後尾…ベランダ側の最後尾…」とだけ願っていたのを覚えています。
そして、迎えた運命のくじ引き。私の列は、ど真ん中の前から三番目という、誰もが座るのを避けたい席を引いてしまったのです。
全員がくじを引き終わり、荷物を抱えて移動を始めます。私は、あーマジくそだわ、とぶつぶつ文句を言いながら席につきました。
「おっ!カッパくんじゃん!」
呼ばれて前に目線をうつすと、そこにはクラスで一番の親友であるNが荷物を抱えて立っていました。
「おー!Nー!よろしくよろしくー!」
N「おうっ、よろしくー!」
Nは、サッカー部のレギュラーゴールキーパーで、博多花丸・大吉の、大吉さんの方に似ています。明るいけど、どこか飄々とした性格で、優しくないわけじゃもちろんないけど、どこか冷静な、独特な空気感をまとっていて、今考えても、とても中学生とは思えない精神年齢の高さを持っていました。私自身、中三のくせにまだ中二病が治っていないような所が多々あり、そんな佇まいのNを羨ましく思いつつ、絶大な信頼を寄せていました。
Nと同じ班になれたことに胸を撫で下ろしつつ、さてさて隣の女子は誰かねーとぼんやり待っていたら、
「あ、Nくん隣なんだー!よろしくね!」
…んっ?と思って、そちらを向くと、そこに立っていたのは、なんとKだったのです。
K「あっ!カッパくーん!…まぁ、一応?よろしくね(笑)」
カッパ「扱いが雑っ!」
K「(笑)」
自分の親友であるNと、大好きだったK、この二人が同じ班にいて、楽しくないわけがありません。前から三番目の憂鬱などすぐにどこかへ行ってしまい、私は、その席で過ごす学校の時間を思う存分楽しみました。
班の中でも、私たち三人は話がよく合い、夏休みの自由研究は「抜いた睫毛は本当に生えてこないのか」にしよう(ネタくさいけど本当に話してました、あの頃のことは、楽しすぎて本当に鮮明に覚えてます)とか、部活終わってやることがないとか、私の牛乳の飲み方がおかしくて笑っちゃうから、牛乳を迂闊に飲めないとか、本当に色々な話をしていました。そして、それが学校で一番楽しい時間でもありました。
そんなある日、Nが風邪を引いて学校を休みました。Kと二人で、大丈夫かなー?なんて話をしていたのですが、いつも三人で話していて気付かなかったことに、私は気付いてしまったのです。
二人で話すと、ドキドキしてる
そう、私は、再びKのことを好きになってしまったのです。
続く