少しさかのぼりますが、3月頭、息子が亡くなった後、私たちは、しなければならない手続きを毎日少しずつこなして日々過ごしていました。

福祉サービスの解約、通帳の解約、予約のキャンセル、四十九日の準備物の購入など。
 
世間は、コロナの感染拡大で、自粛ムードがいよいよ本格化しだした時期でしたが、行政やお店など、まだ全体的に開いていましたので、しなければいけないことをこなすことはできていました。

福祉サービスの解約は、そのサービスを受け取るために費やした労力のことを思うと、本当にあっけなく簡単に終わりました。
「本人が亡くなりましたので…」と理由を告げても、淡々と事務的に対応され、とても虚しい思いをしたことも多かったのですが、その中で、手続きを済まして、帰ろうと席を立った時に、駆けつけてきて、前に立った方がいました。小さい頃、お世話になった、療育園の先生でした。
今は、福祉課の中でお仕事をされていて、提出した書類を見て、駆けつけて声をかけてくれたのです。
「先週、亡くなって…」と言うと、うん、とうなずかれて、優しい笑顔で返してくれました。こらえていた涙が溢れて大泣きしてしまいました。
「小さい時はお世話になって、ありがとうございました」
そう言うのが精一杯でしたが、冷え切っていた心が少し温かくなれた気がしました。



それから、通院のキャンセルで電話した時のこと、受け付けの方が、先生に繋いでくださいました。
突然倒れて亡くなってしまったままだったので、「どーして?なんで?」という気持ちがいっぱいだったので、電話で亡くなった時の状況を伝えると、「この病気はなぜか不整脈で突然死が多くて…。病気が進行する中で、心臓も悪くなっていたんだと思います。」と話してくださいました。
「訓練とかしてはいけなかったんでしょうか?」と聞くと、「そんなことないですよ。訓練は必要ですよ。」とおっしゃってくださいました。
最後にお話ができて、少しもやもやしていたものが吹っ切れましたし、優しい言葉をかけてくださったので、気持ちが少し軽くなれて、お話ができて良かったです。




また、患者登録

についても、手続きのための連絡をメールで聞いたところ、お電話くださって、「差し支えない範囲で結構ですので、亡くなった時の状況を教えてくださいますか?」とおっしゃったので、状況を説明すると、「息子さんの登録・記録は、ずっと残りますので」と優しくお話してくださいました。

ずっと残るんだ…

息子はずっと残る…

今までの息子の頑張りが、少し報われた思いがしました。