不登校、引きこもりの悩みは
昔に比べ今は
とても多くなったように感じます。
我が家もそうでしたし
ご相談も多いです。
そして私の近しい人達からも
そういったお話を
多く聞くようになりました。
というわけで、今日は二つのエピソードの
お話しをさせて下さい。
私の知り合いのAさんの息子さんは、
中学生の時に不登校になりかけました。
が、なんとか無事に卒業をしました。
高校は全日制ではしっかりと
学校に行ける自信がなかったので
定時制を選びました。
その後定時制高校に受かり
いざ学校に行くようになった最初の頃は
行くのも面倒と言い出したりで
このままでは登校すらできないのではないかと
心配に思ったりもしましたが
親御さんの説得もあり
今では学校にはイヤイヤながらも
行くようになったそうです。
それに今では
自分でアルバイトを見つけて
バイトにも行くようにもなったそうです。
なのにAさんは
『この先息子はどうするんだろう』
『学校を卒業することができたとしても
就職できなかったらどうしよう』
『就職したとしてもある程度は
ちゃんとした会社に入って欲しい』
などと、常に思っている様子で…
他にも息子さんが「声優になりたい」
と言った時は
『そんなものには到底なれるわけがない』
『どうせ本気では言っていない』
『もっと現実をみなさい』
と頭から否定したということでした。
子供を育てるために大切なこと①
私が思うに
不登校・引きこもりの子に限らず
その子が『やりたい』『やってみたい』
と言ったことは、なんであれ
『それじゃ、やってごらん?』
ということは大切なことだと思うのです。
親が『それは無理・ダメ』
と頭から決めつけてしまうのは
よくないとも思います。
なぜなら
子供の希望の芽を摘んでしまうのは
その子のヤル気を無くし
諦めを覚えさせることになるからです。
それに
「親が反対したせいで
自分はやりたいことが何もできなかった。」
と、後々親のせいにもされ
酷いときは恨まれもします。
なので私はとにかく
「子供がやりたいというなら
やってみさせればいいじゃん」
という考えです。
では次にもう一人、
知り合いのBさんの息子さんのお話です。
Bさんの息子さんは県外の高校へ進学し
寮生活を送ることになりました。
ですが、寮のなかでいじめにあい
学校を休みがちになりました。
そのため進級するための
出席日数が足らなくなりました。
なので息子さんが
夏休みに実家へ帰省した際に
親御さんとこの先の話し合いをし、
その結果、今は学校を辞めずに
留年して頑張っていこう
ということになったそうです。
Bさんは私に笑いも交えながら
最後に次のようなことを話してくれました。
『息子は留年することになっちゃったし
おまけに成績もクラスで最下位になっちゃって。
しかもテストで赤点とったら
また進級できないかもしれないんですよ~(笑)
ま、成績は最下位でもいいんです。
赤点さえとらなければ。
とりあえずは本人が出来るとこまででいいから
やらせてみようかなって。
この先のことは分からないけど
なんか学校云々よりも
息子がただ元気で
生きていてくれればいいかなって。
いろいろあるけど
今はそう思えるようになりました。』
子供を育てるために大切なこと②
それは
「元気で生きてくれればそれでいい」
という想い。
これは心の底からの
親からの言葉・願いだと私は思います。
しかも元気で生きているってことは
当たり前のようで当たり前なんかではなく
とっても大切なことなんです。
一番感謝しなければならないこと。
元気で生きてくれればそれでいい。
特に不登校・引きこもりの子をもつ親御さんは
これを素直に思える人がなかなか少ないです。
先のAさんもそう。
そして私自身もそうでした。
「学校へ行って欲しい」
「ちゃんとしたとこに就職して欲しい」
なんなら
「公務員になれば?」ともよく言ってたほどで
子どもの真の思いに気づくことなく
勝手に自分の願いや思いを押し付けていました。
ですが
息子の不登校に悩まされる時期に
私自身も会社で嫌な目にあったり
他様々な心配事やストレスを溜めて
仕事を辞めることになり
息子と二人で家に引きこもるようになりました
(笑)
そんな数か月の間、
葛藤する息子と向き合っていく中で
「この子が元気で
生きてさえいてくれればいい」
と、徐々に思うようになったのです。
ようやく私もこの域に達しました。
すると息子も少しずつですが
外に目を向けるようになり
変わり始めたのです。
詳しくはこちらの記事にて
話は戻りますが、
先程のAさんのエピソードに関しては
子供が学校に行くようになったのだし
アルバイトも始めた。
不登校や引きこもりを
経験した人はよく分かると思いますが
それって当たり前のことではなくて
とっても凄い事なんです。
そしてそんな彼が言うことに対しては
全否定しないであげてほしい。
彼が元気で生きてくれれば
それでいいじゃない。
私は心からそう思います。
で、もちろんAさんにも
それを伝えました。
が、
Aさんは『うーん…』
と納得がいかない様子でした
ま、でもそれは仕方がないことです。
人は自分で気付かないと分かりませんから。
では最後に、
不登校・引きこもりのお子さんに
・学校へ行って欲しい
・外に出て欲しい
と、願うならして欲しいこと
それは、
「行かなくてもいいか」
「出なくてもいいか」
と思うこと。
それで案外スルッと改善していくものです。
彼らが一番嫌がることは
負荷をかけられること。
そもそも、
心になにかしらの重荷を背負っているから
不登校、引きこもりになってしまうのです。
ですから
「学校に行け」
だの
「外に出て自立しな」
だのと
親が輪をかけて負荷をかけてしまうと
余計に子供は辛くなってしまうのです
このことからも
先のBさんの息子さんは
この先留年しながらも
無事に高校を卒業することが
できるのではないかと思います。
それはお母さん(Bさん)が
息子が元気でいてくれればそれでいいと
思う様になり
親が子に余計な負荷をかけなくなったから。
何でもそうですが
こういったことは
不登校に限ったことではありません。
気を楽にした方が
物事はうまく進んで行く。
確かに不登校、引きこもりの子を持つ
親御さんの労力は計り知れません。
それは経験者である私がよ~く知っています。
だからこそ、もう一度言いますね
『学校に行かせよう』
『外に出させよう』
挙句のはてに
『良い会社に就職させよう』
と言う前に
『我が子が元気で
生きていてくれればそれでいい』
と思うことで
子も親も重荷を下ろすことができるのです。
そしてその想いこそが
子供の安心感に繋がるのです。
難しいかもしれませんが
親も子も
まずは重荷を下すことからはじめましょう
皆さまの人生が
愛で包まれますように…