作業員が脚立に登って、さっき" うん、うん。" と頷いた壁の所にネジを設置している。


そして、また、脚立から降りてどこか行ってしまった。


でも、すぐにもう一人作業員を連れて帰って来た。

そして、プチプチに包まれている商品を傷つけないように注意深く作業をしている。


「なんだろうね。」子供達の視線が商品に釘付けになっている。


俺は、お義母様から、「もしかしたら、家具の搬入までには、間に合わないかもしれないけど。」って聞いていたから、てっきりダメなものだと思っていたから、この事を今の今まで忘れていた。

でも、作業員の動きとお義母様の「いいものが出て来るから。」で思い出した。



前から作業をしていた作業員がまた脚立に登って行く。


そして、下の作業員に「ヨッシャ、大丈夫だから、それを上に上げてくれ。」と声を掛ける。


「オッケー。上げるぞ。」

「いつでもいいぞ。」



そう言って、表向きになった商品が下から上に持ち上げられる。

その瞬間、子供達から歓声が起こる。

「わぁ、スゴい。」

「バアバ、スゴい。」

「カワイイ。」




それは、ウォンのお印のユニコーン🦄のイラストが描かれた大きさ額だった。



「ねぇ、もう一つはヒョナちゃんのお印だよね?」とヒョクがお義母様に訊いている。

ハルが待ちきれず「コアラ🐨」と大きな声で答えている。


ウォンのユニコーン🦄が無事設置されて、脚立が移動されて、同じ作業がなされる。


みんなは、絶対にヒョナのお印のコアラ🐨のイラストだとわかっていても、額が表が向いた時



「ヒョナちゃんのお印のコアラ🐨だ。」と言ってドンヘが飛び上がっている。

そして、3人がパチパチと拍手をして、

お義母様に「バアバ、ありがとう。」とお礼を言っている。

「そう、気に入った?」

「うん、ウォンもヒョナちゃんもきっと喜ぶよ。」

「ここの下に、ウォンとヒョナのベビーベッドを置くのよ。」

「でも、これ落ちない?」

「落ちたら、ウォンとヒョナちゃんがケガしちゃうよ。」

「大丈夫、何度も、ウチで実験したのよ。」

「バアバのオウチで。」

「そうよ。さっき、ドンヘが言ったように落ちたらウォンとヒョナがケガするでしょ。だから、壁を叩いたり、額を揺すってみたりいろいろやって、落ちないように掛けているのよ。」

「よく、間に合いましたね。俺、間に合わないかと思っていました。」

「パパが何度も頼み込んで、なんとか間に合ったのよ。」

「お義父様が……」

「ジイジ、ありがとう。」ハルがお義母様に言っている。

「そうだね。ジイジにもありがとうを言わなくちゃ。」ヒョクとドンヘが言っている。



イラストの下に特注のベビーベッドが置かれる。

2人で使用するので、2m×2mとかなり大きい。

ベッド柵の真ん中に10cm×10cmの白いパネルに🦄と🐨がそれぞれ描かれている。

それが木で出来たベビーベッドのアクセントになっている。

そのお印のパネルは、4面全部に描かれている。

2人が寝る部分にも薄いブルーの地パステルカラーで🦄と🐨が描かれている



「でも、これじゃ、ハルちゃんのベッドみたいにみんなで一緒に寝られない。」とドンヘが不満気にお義母様に言っている。

「そうだよ。これじゃあ狭くてだめだよ。もっとおっきいベッドじゃなきゃ。」ヒョクももっと大きいベッドにして欲しいと文句を言っている。


「ちょっと、2人ともウォンとヒョナと一緒に寝るつもり。」


そんなの当たり前じゃないかと2人が声を揃えて「うん、もちろん寝るよ。」と俺に返事をする。



「ハルの時とは違って2人とも大きくなって、重くなっているから無理だよ。」

「でも、ママは一緒に寝るでしょう。僕達、ママより軽いよ。」


確かに、出産後であっても俺の方が2人より重い。

なんなら、ハルと3人でも俺の方が重いかも。


俺達の会話聞いていたお義母様が「3人ともアッチを見て御覧なさい。」






「えぇ~❗」



パステルピンクの滑り台がある。


思わず、二度見してしまう。


いつの間に!



「お義母様、どうして滑り台なんですか。」

「そうだよ。バアバ、どうして滑り台なの?」


「よく見て御覧なさい。滑り台の横。」


「滑り台の横?」


ヒョクとドンヘとハルが滑り台の横に走って行く。


「バアバ、ベッドが……ある。」そう言って3人がベッドの上に寝転がっている。


俺達が、ウォンとヒョナお印のイラストに気を取られている間に、ベビーベッドとは反対側に組み立てられていた滑り台付きベッド。


向かって右側に左に緩くカーブした階段があってそれを登って行くと、1mぐらい柵がある広間があってそこを左側に行くと右にカーブした滑り台がある。



さっそく、3人が階段を登って広間を通って滑り台を滑り降りてくる。

途中、ハルが柵から身を乗り出した。

「ハル、危ないから止めなさい。」俺が注意をする。



「子供ってやりたがるものよね。」

「だったら、こんなの滑り台要らないと思いますけど。普通にベッドだけでよくないですか?」

危険の物は、出来る限り子供達の周りから排除したい。



「キュヒョンさん、よく見て。」

「?………」

「上の通路と下ベッド幅が違うのよ。ベッドの大きさは、幅が4m奥行きも4mなの。通路は幅3.5m奥行き1.5mなのよ。あってはダメだけど万が一上から落ちた時ベッドの上に落ちるのよ。」

「でも、そんな上手くベッドの上に落ちますかね。」

「そこは、親がちゃんと監視してちょうだい。」


えっ、俺に丸投げかよ💢



「バアバ、これだった寝られるね。」

「しゅべり台、楽ちい。」

「バアバ、ありがとう。」


この他にも、一人一人のお印が持ち手になったベビーダンスや、窓に吊るされたレースのカーテンがユニコーン🦄とコアラ🐨の透かしが入っていたり、至るところに2人のお印モチーフとなっているもので溢れている。

多分、殆どが特注品だ。

いったいいくらかかったんだろう。

そんなことをつい考えてしまう。

きっと、お義母様に「キュヒョンさん、ケチね。」って言われてしまうと思うけど……