俺とハルがリビングに入っていくと、お義母様とシウォナが右と左に別れて座っている。



ハルが、「きっと、パパがバアバに怒られたからだよね。」って小声で俺に言って

俺も「きっと、そうだな。」と相槌を打つ。



入って来た俺達にお義母様が気が付かれる。


「キュヒョンさん、目が赤いけど泣いたの?」


「いえ、その…ハルが……」と俺がハルの優しい行動を話そうとすると


「ほら、ご覧なさい。キュヒョンさんが、あなたのおかしな言動で先生方に笑われて、恥ずかしい思いをして泣いちゃったみたいよ。」とお義母様が言い出す。


俺は、何の事だかわからず " エッ!" という顔をしてお義母様を見る。


シウォナが「本当か?」と言って俺のそばにやってくる。


お義母様が、首を振って俺に合図をしてくる。

多分、これからシウォナが検診の度に《してもいいですか?》とか《握ってもらっていいですか?》という恥ずかしい質問をしないようにさせるために、ここは嘘をつきなさいということだと思った俺は「うん。」と頷く。


それと同時にお義母様を見ると、" それでいいわよ。" という風に何度も頷いてらっしゃる。


「なんだよ、あの先生。俺に質問をするように仕向けておきながら、キュヒョンをいじめるなんて最低なヤツだ💥」


「ナニ言ってるのよ。最低なのはあなたの方よ。それになんですかその言葉使い、人の上に立つ人が使う言葉なの。」


「………」


「それから、質問のことだけど、何も、先生、あなたにその……変な質問をしろとは一言も言ってなかったわよね。本当よね、ねぇ、キュヒョンさん。」と俺に話をフッて来る。


俺も" はい。" と頷く。


俺の頷きを見たお義母様がシウォナに「例えば《これからお腹が大きくなってくるので、気をつけないといけないことはありますか?》とか《男女の双子の確率は何%ぐらいですか?》っていう質問を待っていたのかもしれないじゃない。なのに勝手にその……変な質問を待っているんだと勘違いして、本当に変な質問をしたのはあなたよ。先生を責めるのはお門違いよ。」


確かにお義母様のおっしゃる通りジュン先生は普通の質問を待っていたのかもしれないけど、シウォナが感じた変な質問をしなきゃいけない雰囲気もあったような気がする。

でも、ここは、シウォナに次回の検診から変な質問をしないようにしてもらうために、お義母様に頑張ってもらわないといけない。


「シウォナとお義母様が診察室を出て行ったあと、診察室は大爆笑だったんだ。俺とハルはとっても恥ずかしかった。」


「ほら、ご覧なさい。だから、恥ずかしくて泣いちゃったのよね、キュヒョンさん。」

「はい。」


「………」



「キュヒョナ、ごめん。で、俺にどうしろと。」


「どうしろって!あなた、バカなの?決まっているじゃないそんなことは……これからは、変な質問をしない。それだけよ。そんな事もわからないなんて、情けない。ママは、本当に悲しいわよ。」


「…………わかった。もう質問しないよ。」


本当かなぁ?

出来るのかなぁ?

多分に眉唾物なんだけど……



「本当に出来るの?」


ほらね、やっぱりお義母様もそう思っているよな。

今までが今までだから。


「出来るさぁ。男に二言はない!」

「そう、その言葉を信じるわよ。キュヒョンさん、これでいいかしら。あなたとハルに嫌な思いをさせたの許してくれるかしら。」



「ハルちゃん、パパのこと大ちゅき!」


「ハル……パパのこと大ちゅきか。ありがとうな。」

「ハルが、そう言っていますので、俺は大丈夫です。」


ここでもハルに助けられた。

ありがとうね、ハル。

いいお姉ちゃんでもあって、いい娘でもある、本当にいい子だ。


「じゃあ、この話はおしまいにして、もう、お昼じゃない。バアヤの美味しいお昼をいただきましょう。シウォン、あなた、お昼食べたら、ヒョクとドンヘを迎えに行ってらっしゃい。2人とも赤ちゃんの性別気にしていたから。」

「わかったよ。行くけど、母さんは?」

「私?そんなの決まっているじゃない。生まれて来る双子の部屋の改装の打ち合わせにデパートに、パパの所に行くわよ。キュヒョンさん、待っててね。ハルの時以上のモノを作るわよ。男の子と女の子だわね。さぁ、忙しくなるわよ。」


アチャー、忘れていた。

部屋のこと。

嫌、部屋のことは忘れていないけど、お義母様が張り切ることを……

また、大変なことになるなぁ……

トホホホホォ~!