お義母様からの電話




「キュヒョンさん、あなた、お腹の中の赤ちゃんの性別はもう先生に聞いたの?」


「いえ、まだです。」


「どうしてよ。5ヶ月ぐらいでしょ。もう、わかるでしょ?」


「でも、まだ確定出来ないみたいです。男の子はわかりやすいみたいですけど、女の子はわかり辛いみたいです。」


「そんなの素人の私やあなただったらわからないかもしれないけれど、先生はプロよ。わかるはずよ。

それとも、私に知られて何か不都合ことがあるの?」


「そんな、不都合なんて……ありません。」


「だったら、明日、検診あるんでしょう?」


「はい。」


「そこで聞きなさいよ。いいわね。」


「わかりました。」


「じゃあね。」


「失礼します。」




俺のお腹の中の双子の性別だ。



子供達が騒いでいる。



俺が「ねぇ、ヒョクとドンヘとハルは、赤ちゃん、男の子がいいの?女の子がいいの?どっちがいいの?」と子供達にきいてみる。


「僕は男の子、弟がいい。」とドンヘが言うとヒョクも頷いて「僕も弟がいい。オモチャ、あげるよ。」

「うん、一緒に遊ぶんだ。」ヒョクの言葉にドンヘもすぐに応える。


「ハルちゃんは、女の子がいい。ハルちゃんも妹にオモチャあげるよ。一緒にお人形さんで遊ぶの。」

「ハルちゃんがママになって、赤ちゃんにおっぱいあげたり、オムツ替えてあげるの。」

リアルままごと遊びの様子を話してくれる。


こんな風になるんだよな。

多分、この子達のことだから自分達が願っていなかった性別を言われても、きっと、喜んでくれると思うけど、一瞬残念に思ってしまうよな。

そんなことを思うと、俺は生まれてくるまでのお楽しみでいいのかなぁって思ってしまう。



「でも、母さんのいうことにも一理あるよな。」とシウォナがお義母様の言葉を肯定することを言い出す。

「どんな?」

「この前キュヒョナの妊娠を発表しただろう?」


つい10日ほど前に、安定期に入ったのと、王室の占い師がいい日を選んで俺の妊娠を発表した。


「あのさ、キュヒョナ知ってる?《キュヒョナが今年中に懐妊するか?》ってブックメイカーの対象になっているの?」

「エッ、そんなことが賭けの対象になるんだ?不思議?」

「で、まだあるんだ。《もし、懐妊した場合、1人、双子、三つ子、四つ子、五つ子。何人生まれてくるか?》ってね。」

「そんなことまで対象になるんだ。不思議だな。」

「そうだよ。だから、赤ん坊の性別なんか格好の賭けの対象さ。」

「でも、2択だよ。」

「ノンノン。」人差し指を立てて左右に振りながら「双子だよ。」

「アッ!」

「そうだ、男男、女女、ともう一つ男女があるんだ。厳密にいえば男女、女男の4択になるんだよ。」

「そんな……」なんか俺は悲しくなった、俺の子が賭けの対象になっているなんて

「一つ一つのパターンと全部のパターンがあるんだよ。」

「全部って?」

「今年キュヒョナが懐妊するか、しないか。もししたら、生まれるくる子供の数は何人。そして、その性別は ?てね。パターンが複雑になればなるほど倍率が上がるから配当金をたくさんもらえるしくみになっているんだ。」

「まあ、そうだよな。最初の俺が妊娠しないっていうのに賭けたら、もうそこで終わりだもんな。」

「そういうことだよ。」と言ってシウォナが俺にウインクする。

そんなシウォナを見て子供達が笑っている。



でも、シウォナが賭けの最悪のパターンを俺には言わないでくれた。

流産。死産。どちらか一方が死んでしまう。このパターンもきっと、あるはずだ。

ここに賭けた人には、どんなことがあっても配当金0にしてやるからな。



「賭けは別として、性別は知っておいた方がいいよ。」

「どうして?」

「いろんな準備があるだろう?」

「でも、男の子だったらヒョクとドンヘのがあるし、女の子だったらハルのがあるから、そんな準備っていってもあんまりないけどね。」

「そんなこと母さんに言うなよな。」

「どうして?」

「そんなの言ってみろ。母さんのことだ《キュヒョンさん、ケチね。》って言われるのかオチだぞ。」

確かに、お義母様ならおっしゃるだろう。



「俺が訊いた方がいいと思うのはさぁ、双子の名前を考えないといけないだろう。」

「あぁ~、名前ね。」

そうだ、名前。

忘れてた。

お腹の中の赤ちゃんに呼び掛けるのに名前必要だよな。

いつまでも、" 赤ちゃん" じゃ可哀想だ。



「だったら、訊かないとな。」



お義母様に急かされたけど、俺もその気になってきた。


明日、ジュン先生に訊いてみよう。