ヒョクとドンヘとシウォナとジョンス首相とお義父様達がなにやらやり取りをしているのを感じながら、俺はハルの所に行く。


俺が来たのを確かめて「ママ、ハルちゃんアイス🍦食べたいの。」と俺の顔を見ながら少し首を傾げて、多分、このポーズ絶対可愛いって人が思うってことをわかってやっている " あざと可愛いポーズ!" で俺におねだりしてくる。

女の子は2歳でもうこんなことをすることが出来るなんて驚きだ。

きっと、シウォナなら「いいよ、いくつでも買ってあげる。いっそのこと全部買おう買って。」って言いそうだ。

「いいけど、お腹痛くならない?」と俺が言うと

「大丈夫だよ。お腹痛くならないよ。」とハルが言う。

「じゃあ、どれにする?」

「えっとね。イチゴ🍓とチョコ🍫とバニラ。」

「えぇ~~、3つもダメだよ。それだけ食べると本当にお腹壊すよ。」

「でも、食べたいのォ~。」

「ダメだって、1つにしなさい。イチゴ🍓にしようね。イチゴ🍓。」

「ダメ~~、チョコ🍫も食べるの。」

「わがまま言っちゃだめだよ。じゃあ、他の物にしようね。」

「ダメ、アイス🍦じゃなきゃ。」

「じゃあ、イッコね。」

「…………」ハルが無言で下を向く。



「どうしたの?」とお義母様がやって来られた。

俺は内心、" うわぁ、来たよ。一番来て欲しくない人が。絶対にハルの思い通りになるの間違いじゃん。" って思いながらも「ハルが、イチゴ🍓チョコ🍫バニラ、3つもアイス🍦食べるって言っていて。絶対にお腹痛くなるに決まっているのにわがまま言ってるんです。」と言うと

お義母様がハルに「ママ、ハルのことを思って言ってくれているんだよ。」とおっしゃってくれる。


「ハルちゃん、ポンポン痛くならないもん。アイス🍦3つ食べられるもん。」と俺に話したことと同じことをお義母様に言っている。


「じゃあ、ハル、ハルが一番食べたいアイス🍦はナァニ?」とハルに聞いている。

ハルもお義母様が自分の味方になってくれないのかと思って、小さな声で「イチゴ」と答えている。


「イチゴ🍓なの?」

" うん "という風にハルが頷く。


「じゃあ、ハルは、イチゴ🍓。ママはチョコ🍫。バアバはバニラにするから。もしも、ママやバアバがアイス🍦食べられなかったら、ハルが食べるの手伝ってくれる?」


お義母様からのお願いに俺は一瞬ビックリしたけれど、ハルのアイス🍦を3つも食べたいというのを全面的に否定するのではなく、俺達が食べきれなかった場合ハルに手伝ってもらうというやり方でハルが3種類のアイスを食べることになるかもしれない。そこは、ハルが1個食べた所でアイスに飽きてしまうかもしれないけど。


「ハル、アイスね、コーン🍦じゃなくてカップ🍨にしてもいい?ママとバアバ食べるの遅いからアイス溶けちゃうかもしれないから。コーン🍦だとお手々がアイスでベタベタになるでしょ?カップ🍨だと溶けてもベタベタにならないでしょ。」とお義母様の言葉にハルが頷いて「うん、カップ🍨でいいよ。」と言っている。



「じゃあ、ハル、お姉さんにアイスの注文してちょうだい。」とハルにオーダーを任せる。


ハルが嬉しそうに「ちゅみません、お姉たん。アイスくだちゃいな。」とアイスのケースの前から注文をする。


「はい、こんにちは。ご注文ありがとうございます。」

「こんにちは👋😃」と言ってショーケースの前でお辞儀をしている。

「はい、ありがとうございます。お嬢ちゃん、どのアイスがいいですか?」

「あのね、ハルちゃんがイチゴ🍓で、ママがチョコ🍫で、バアバがバニラでちゅ。」

「はい、ご注文を繰り返しますね。イチゴ🍓がお1つ、チョコ🍫がお1つ、バニラがお1つですね。」

「はい、そうでしゅ。」

「それでは、アイスをコーン🍦にお入れしますか?カップ🍨にお入れしますか?どちらになさいますか?」

「えっとね、コーン🍦はお手々がベタベタになるからバアバがカップ🍨にしなさいって。」

「わかりました。3つともカップ🍨でよろしいでしょか?」

「はい、お願いしましゅ。」

「3つで₩300になります。」

「ママ、お金ちょうだい。」と言ってハルが俺の方を見る。

俺がポケットからスマホを取りだそうとすると、お義母様が

「これで、お願い。」と言ってカードをアイスクリームSHOPのお姉さんに手渡す。


俺が"このカードは何?"という顔をしてお義母様を見ると

「これは、今日のイベントだけに使えるカードなの。1枚に₩1,000分入っているのよ。子供達だけでキッチンカーやゲームをした場合でも、このカードがあればお金を支払わずに済むの。これ1枚あれば遊べてお腹もいっぱいになるのよ。今日は何でも1回、1個₩100だからね。大人は1枚₩1,000でカードを販売しているけど、今日は《こどもの日》だから中学生までの子供には無料で配っているのよ。だから、このアイスはタダなの。」と説明してくれる。



「はい、ありがとうございます。」と言ってお姉さんが" ピッ "とカードで決済をしている。

「カード、お返しします。」


「お嬢ちゃん、アイス🍨の用意をしますので、ちょっと待ってね。」

「はい。」と言ってハルがアイスが入ったショーケースを両手をついて背伸びをしたハルが、お姉さんがアイスをスクープするのを待っている。


ショーケースが開いて「お嬢ちゃんのイチゴ🍓、スクープしますね。」と言ってイチゴ🍓のアイスが入っている所からワンスクープしてきれいにカップ🍨に入れてくれる。

その様子を見ようとハルの顔がショーケースにくっついている。


「次はチョコ🍫」

「次はバニラ。」と言って同じ動作でカップ🍨にアイスを入れていってくれる。


「お嬢ちゃん、ご注文いただきました、アイスこれでよろしいでしょうか。」と言ってカップに入った3種類にアイス🍨をハルに見せてくれる。


「はい。大丈夫れしゅ。」と言ってハルがアイスが入ったカップ🍨を見ている。


「お嬢ちゃん、お盆にアイスを入れますが、持てますか?ママに持ってもらいますか?どっちにしますか?」とお姉さんがハルにきいてくれる。


ハルが間髪入れずに「ハルちゃん、持てる。」と答えている。


「大丈夫?持てる?落とすダメだから、ママが持つけど。」と俺が言うと

「ママ、ハルちゃん持てるよ。」と再度 " 自分で持てる。" をアピールしてくる。


「大丈夫よ、キュヒョンさん。ハルに持ってもらいましょうよ。」とお義母様がおっしゃるので、一旦俺がトレイをもらってハルにトレイを渡す。



ハルが俺から渡されるトレイをずっと見ている。

「はい、ハル、渡すね。しっかり持ってね。」と俺が言うと

真剣な表情で頷きながらハルがトレイを受け取る。


「それじゃ、テーブルの所まで行きましょう。」というお義母様の後をトレイをしっかり持ったハルが付いて行く。


その後を、" ハル、大丈夫かな?"って思いながら俺が付いて行く。