王宮広場へ通じる門が開いて、俺達が広場へ出て行く。
走ると危ないので、門が開く前に子供達には注意をしていたのに、いざ門が開くと子供達が「わぁ~~!」と言いながら飛び出して行く。
うちの子だけではなくて、ヒチョル副首相のところの甥っ子達もだ。
子供達が飛び出してしまったので、ヒチョル副首相のキボクもキュヒョにゃんもシウォにゃんも一斉に走り出す。
思わず「危ないぞ。」
「待ちなさい。」
「お前ら、走るな~~!」
「テイン、テヒョク、キボクを止めろ~~。」
大人達が、大声で叫んでしまう。
俺達の方を振り返りながら
「平気だよ。」
「大丈夫だよ。」
「ママ、早くぅ。」
「キボク、こっちだよ。」
子供達が自分の好きなゲームやキッチンカーに走って行く。
俺も本当は走って止めたかったけれど、今の俺の体を考えるとそれは無理なので言葉で注意することが精一杯だった。
走って行く子供の姿を見て、王宮広場にいる来場者が
「王子様、走ると危ないですよ。」
「王様達を待ってあげて下さい。」
「猫ちゃんとワンちゃんを待ってあげてね。」
有難いことに俺達と同じように子供達に注意をしてくれる。
俺達も、シウォナはヒョクとドンヘ、俺はハル、ヒチョル副首相は甥っ子達の所に行く。
ヒョクとドンヘは、射的の所で待っていて
「パパ、これしたい。」2人がシウォナにゲームをすることをおねだりしている。
シウォナを待つ間
「バーン!」ってヒョクがピストル🔫で打つ真似をすると
ドンヘが後ろに反りかえって打たれた真似をする。
「バーン!」と今度はドンヘがピストル🔫を構えてヒョクを打つ。
ヒョクも「ウッ!」と言いながら打たれた真似をする。
それを何度も2人でやって遊んでいる。
そして、シウォナが近くまで来ると
「バーン!」とヒョクとドンヘがシウォナに向かってピストル🔫を打つ真似をして、シウォナが「ウッ!」と言って打たれた真似をする。
2人が手を叩いて大喜びしている。
そんな2人を見て、「なぁ、これでよかったら射的で遊ぶ必要ないんじゃないの?お金もったいないよ。」とシウォナが2人に言っている。
「王様、そんなケチ臭いこと言わないでくださいよ。王子様達は《宗廟大祭》を頑張ってやってくれたんですから、やりたいゲームさせてあげてもいいと思いますよ。」とジョンス首相が子供達の肩を持ってくれる。
「うーん。」とシウォナが顎に手を置いて考えている。
「ヒョク、ドンヘ。やりたいのならやっていいよ。」としびれを切らしたお義父様が後ろから声をかけてくださる。
クルッと後ろを向いた2人が「ジイジ、ありがとう!」と言って射的のおじさんの所に行って、ピストル🔫を手渡してもらっている。
お義父様が、ポケットからカードを2枚出して射的の担当者に渡している。
担当者は、そのカードを機械にかざすと" ピッ " と音がする。
「これで、射的の分のお金の支払いは終わったよ。このカードには₩1,000チャージされているんだよ。今、射的で₩100使ったから、あと₩900残ってる。ゲームもキッチンカーも1つ₩100だからあと9回出来るよ。好きなのしておいで!」と言って2人が自分からいろいろな所に行けるようにおっしゃってくれる。
「ジイジ、ありがとう。」とヒョクが
「キュヒョにゃん、シウォにゃん一緒に行こうね。」とドンヘが言っている。
「でも、その前に、これ、頑張るからね。」とドンヘが
「見ていてね。」ヒョクがキュヒョにゃんシウォにゃんの方を向いて言っている。