「ただいま。」
ヒョクとドンヘが大広間に入って行く。
もちろん、キュヒョにゃんとシウォにゃんを抱っこしたまま。
「お帰りなさい。今日はふたりと……」
お義母様が帰って来た2人に労をねぎらおうと言葉をかけようとしていたけれど、キュヒョにゃんとシウォにゃんを抱っこしているのが見えて途中で言葉が途切れてしまう。
そして
「出たな化け猫❗朝から姿が見えなかったから、やっと、化け猫達も孫達に取り付くのを諦めたんだと思って、今日はいい日だと喜んでいたのに、どうして、化け猫がいるの?それも、2人が抱っこしているなんて……ありえない。」とお義母様が2人と2匹を見ておっしゃっている。
「違うよ、バアバ。キュヒョにゃんとシウォにゃんは化け猫じゃないよ。」
「僕達のお友達なんだから。」
ヒョクとドンヘがお義母様に説明している。
「ただいま~~。」
シウォナに肩車されたハルも大広間に入って来る。
シウォナに腰を持たれて下に降ろされる。
降りるとすぐに、お兄ちゃん達、ヒョクとドンヘの所に走って行く。
お義母様と2人を見ている。
俺もやっと大広間にたどり着く。
「やっぱりな。もう、母さんいい加減にしろよ。さっき、ヒョクとドンヘが言ったと思うけどキュヒョにゃんとシウォにゃんは化け猫でもなんでもないからね。」シウォナが約束通り2人の味方をしてお義母様に言ってくれている。
「そうだ、そうだ。」ヒョクとドンヘも援護射撃を忘れていない。
ハルも「ちょうだ、ちょうだ。」とこれまた追加応援が…
「お義母様、キュヒョにゃんとシウォにゃんは2人の友達なんです。2人の凛々しい姿を見に来てくれたんです。」と俺も畳み掛ける。
「しっかりしなさいよ。シウォン、キュヒョンさん。あなた達が付いていながらどういうことなの?化け猫を排除出来なかったの。 それとも、親のあなた達までタブらかされちゃったの。だったら、誰がなんと言ってもこの2匹は立派な化け猫だわ。」
お義母様も負けてはいない。
「バアバ……そんな酷いこと言わないで。」
「どうして、わかってくれないの?」
ヒョクとドンヘが泣きそうになっている。
抱かれているキュヒョにゃんとシウォにゃんも下を向いている。
キュヒョにゃんが小さな声で、" もう、いいにゃん。僕達帰えるにゃん。" と言ってドンヘの腕の中から飛び降りる。
シウォにゃんも" 僕達がいるから、おばあちゃん怒るにゃん。" と言って飛び降りる。
キュヒョにゃんがお義母様に" 僕達は化け猫じゃにゃいです。だから、本当は帰りたくにゃいです。"
シウォにゃんも" でも、僕達がいたにゃら、王子様達が王様達がいやにゃ思いをするんにゃったら、その方が僕達は辛いにゃ。"
" 僕達は化け猫じゃにゃいけど、僕達のことを、《お友達》と言ってくれた王子様のために帰るにゃん。行こう、シウォにゃん。" と言ってキュヒョが大広間の玄関に向かって歩き出す。
シウォにゃんも " 王子様、僕達のためにいろいろ言ってくれて嬉しかったにゃ。最後まで一緒にいられにゃくて、ごめんにゃさい。" と言って歩き出す。
「ところで、首脳陣はどうしたの?大広間ではヒチョル副首相の甥っ子ちゃん達が待っているでしょう。早く帰って来ないといけないのに……」とキュヒョにゃんとシウォにゃんの事はなかったのかのようなお義母様の発言だ。
「うん、あいつらは王宮をバックに写真を撮ってるよ。」
「首脳陣だけで?」
「俺も入ろうかって言ったらジョンス首相に断られたよ。」
「だから、首脳陣だけで撮ったのかってきいてるのよ?」
「いや、先に俺達家族で撮ったよ。」
最後に" ありがとうごにゃいます。さようにゃらバイバイ😿😿" とキュヒョにゃんとシウォにゃんが振り返る。
そんな2人を見てヒョクとドンヘが泣き出す。
お兄ちゃん達が泣き出したので、ハルも泣き出してしまった。
「えっ、何、どういうことなの?」
「プロのカメラマンに俺とキュヒョナ、ヒョクとドンヘ、子供だけとかいろいろ撮ってもらったんだよ。」
「プロカメラマンが来ているのね。」
「そうだよ。」
お義母様が辺りを見回して「ちょっと、そこの人。」と緑の鶴の韓服を着た王宮の若手職員に
「悪いけど、そのカメラマン呼んで来てちょうだい。」
「何するんだよ。」
「決まってるじゃない。私達も家族写真撮るのよ。韓服、それも世子の韓服を着たヒョクやドンヘはなかなかないからね。」
「でも、母さん、そのヒョクもドンヘも泣いてるし、おまけにハルまで泣いてるよ。写真なんて絶対無理だと思うけどな。」
「バアバなんて大ッ嫌い💢」
「写真なんて、絶対イヤ💥」
「わがまま言うんじゃありません。どんなイヤなことがあっても我慢するのが王室の務めです。」とお義母様が無茶をおっしゃる。
「お義母様、それは、今言うことですか?元はと言えばお義母様がキュヒョにゃんとシウォにゃんに酷い事をおっしゃったからじゃないですか?」
「あら、キュヒョンさん、私が悪いと?」
俺もヤバいと思ったけれど、ここは黙っていられなかった。
「はい、そうです。」
シウォナが " アチャ~😱 " っていう顔をしている。
俺も引けなくなっている