「お前達、ママにありがとうだったら、パパにもありがとうだろ?」
車を置いてリビングに入って来たシウォナが、俺が子供達から「ありがとう」って言われているのが納得いかないみたいで、でも、子供達からしてみれば赤ちゃんは俺のお腹の中にいるから、どうして、パパ(シウォナ)にありがとうを言わなければならないのかわからない。
「なんでパパにありがとうをいわないといけない?」
「赤ちゃんは、ママのお腹だよ。」
「パパのポンポンじゃないよ。」
「だから、僕達、ママにありがとうっていったんだよ。ねぇ~。」とヒョクが言って、それにドンヘとハルが同じように「ねぇ~。」と言って頷いている。
「違う、違う。お前達、赤ん坊はな、俺がキュヒョナと…」
🎶お義母様、お義母様🎶
いきなり、俺のスマホが鳴る。
えっ!いう顔でみんながお義母様を見る。
「あら、ごめんなさい。間違ってキュヒョンの番号押しちゃった。でも、やっぱり、あなた出るの遅いわね。」
「すみません、お義母様。気をつけます。」
シウォナが、子供達の前でまさか変なことを言わないとは思うけど、もしもってことがあるので、お義母様のファインプレーには感謝。
「ねぇ、ママのお腹の双子ちゃん、男の子なの?女の子なの?」
「どっちなの?」
ヒョクとドンヘが俺に聞いてくる。
「それが、まだ、わからないんだって。もう少ししたらわかるようになるってジュン先生がおっしゃっていらっしゃったよ。2人はどっちがいいの?」
「うーん。」ヒョクが考えている。
「僕は、男の子。弟がいい。」とドンヘは即答。
「弟だったら、僕達のオモチャ、いっぱいあるから弟にあげるよ。」
「ハルちゃんは、ハルちゃんは、女の子がいい。妹がいい。」
「ハルちゃんもオモチャ、あげるよ。一緒にお人形で遊ぶの。」
「僕も、男の子がいい。弟がいい。」ヒョクも決まった。
「いいわね。双子も可愛いし、ヒョクとドンヘもハルも可愛いのよ。うちの孫なのに、なんで、王子と王女なの、普通の孫だったら絶対に子供服のモデルになってもらうのに。絶対にデパートの売上アップ間違いなしなのに、残念だわ。」
「母さん、無理な事を言ってもしょうがないだろ。でも、これで我が国の出生率が少しでも伸びたらいいな。そしたら、必然的にデパートの売上も増えるんだがな。」
「そうだ。さっき、お前達を迎えに行く時にパパ閃いたんだ。」
「また、さっきの《BBS》みたいなやつ?」俺が釘をさす。
「なんだよ、キュヒョナ、その言い方ずいぶん酷いな。」
「だって、本当のことだろ。」
「聞いて驚くなよ。」
「だから、言ってよ。早く言って、聞いてから判断するから。」
「じゃあ、言うよ。ヒョクとドンヘは《BTS》だ。」
「えー、《BTS》って、あのBTSなの?」
ヒョクとドンヘが「わぁ~。僕達BTSなの?BTSは嬉しいけど、僕達SJ、SUPER JUNIOR の方がいい。」
「でも、SJは無理なんだ。お前達はBTSなんだ。」
「で、なんで2人がBTSなんだよ。ちゃんと説明してくれよ。」
「わかった。説明するな。2人は双子だろ(ヒョクとドンヘが頷いている。俺達も頷く。)で、今度、お兄ちゃんになるわけだ(これに対しても、ヒョクとドンヘが頷いて、俺達も頷く。)だから2人はBTSなんだ。」
「だから、なんでBTSなんだよ。今のは説明になってないじゃん。」と俺が少しキレ気味に言うと
「キュヒョナ、怒んない。怒るとお腹の子に障るぞ。」と言ってくる。
だから、その次をさっさと言えよ。
「あぁ~、もう、イライラする。だからなんでBTSなのかさっさと言いなさいよ。キュヒョンさんが怒るの当たり前よ。」とお義母様が援護射撃をしてくださる。
「だから、言ってるだろ。2人は双子でお兄ちゃんになるって。」
「だから、それがどうした?当たり前だろ💢」とお義父様まで怒らせてしまった。
「もう、凡人達だなぁ。メッチャヒント言っているのに。BTSつまり、2人、ヒョクとドンヘのことだよ。2人はBIG TWINS。双子のお兄ちゃん。BIG のBとTWINのTと複数形のSでBTSだ。どうだ、今度こそ凄いだろ?」
また、無反応だ。
さっきの《BBS》に比べたらましだけど、今度もどっちもどっちだ。
「さぁ、バアヤが作ってくれたお昼食べよう。ヒョクとドンヘも給食食べて来たけど、ちょっとは食べるよね。」
「うん、食べる。」
「ハルちゃんもお姉ちゃんになるからいっぱい食べる。」
「そうだね、いっぱい食べて大きくならないとね。」
「エッ、俺のBTSの反応はナシなんだよ。なんでだよ。いいと思うけど。」
「シウォナ、早くお昼食べて仕事に行ってよね。」
結局、シウォナの《BTS》には塩対応のまま、食事のあとに仕事に送り出す。
そして、夕方、俺の妊娠を知った首脳陣を引き連れて帰って来る。
その時に、もう少し安定期間に入ってから国民には発表するということで意見が一致する。
その後は、首脳陣も含めて細やかなお祝いが行われた。
「ねぇ、ヒョク、もう、寝た?」
「ううん、まだ寝てないよ。」
「あのね、赤ちゃん、男の子だったらいいね。」
「うん、そうだね。」
「もしかしたら、ヒョクも思った。」
「うん。思ったよ。」
「男の子だったら、僕達安心して出て行けるね。」
「うん。その子達が王子になればいいんだ。」
「僕達は、ママのバアバのおうちに行ってもいいし。」
「時の番人のヒチョルおじちゃんの所に行って、僕達を高く買ってもらって、そのお金をパパ達に渡そう。今まで育ててくれてありがとうって。」
「うん、それがいいね。」
「じゃあ、寝よう。」
「お休み、ヒョク。」
「お休み、ドンヘ。」